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65 放課後の予定とか

(略しすぎています)

 連絡事項を伝え終わったエルバ先生は教室から出ていった。恐らくこれからまた会議があるのだろう。話の大枠は決まっているようなので今度は具体的な中身を詰めるのかな?これからもダンシングタイムで大変そうだな。明日は筋肉痛で動けないだろうな?


 これからどうしようか。やらなきゃいけない事は特にないから寝るのもいいけど色々考えてしまって寝れなさそうな気がする。とは言っても、これと言ってすることもない。今のところ何も思いつかないし、クラスの子は何をするのか様子を見るか。

 教室を見渡すと、やる気に満ち溢れたクラスメイト達が立ち上がって魔法の練習を始めようとしている。中には机を壁に移動させてスペースを開けている子もいる。模擬戦でもやるのかな?

 うーん。魔力刀の練習をしたいけど、ナイフ型のMSDが壊れてできない。あと教室でやる事と言えばば寝ることくらいだけど、これからうるさくなりそうだし余計に寝れなさそうだ。


 よし、これから図書館にでも逃げよう!そしてなんか適当に本でも読もう!今日は日差しもいいし、いい感じに眠くなって寝れるかも?

 期待を膨らませて立ち上がったところに、サリア、リナとシルフィアがやってきた。何の用だろうか。もしかして模擬戦でもやろうというのだろうか?


「「「カオリちゃん、改めて、優勝おめでとう!」」」


 予想が外れて一瞬思考が止まったが、模擬戦じゃなくて祝いに来てくれたのか。戦闘能力評価トーナメントが終わった日にも祝ってもらっていたが、改めて言われると無性に照れるな。面と向かって褒められる事なんてなかったからか、余計にだ。


 祝いに来てくれたんだサリアたちにまずは、感謝の言葉を返す。

 

「えへへ、みんなありがとう」


 照れている中で発した言葉なので、ふにゃふにゃな声が出てしまった。それに照れているのが表情にも出ている気がする。こうなれば、クールビューティーカオリちゃんはgo awayだ。さようならクールな自分。

 それにしても、サリア、リナとシルフィアよ。なんでみんな両腕を広げているんですか?いったい何が始まるんです?

 疑問に思った次の瞬間、3人による強烈なハグによって照れくさい感覚は吹き飛んだ。


「「「かわいいいい!!!」」」

「う”。し”ぬ”うううううう」


 サリアたちによる強烈なハグで呼吸が上手くできなくて死にそうだ。各々が自分を抱きしめている状態なので、逃げ場なんてものは当然のごとくない。今まさに命の危機を感じている。魔物と対峙したときにも感じたことのないほどの危機だ。

 だが、そんな命の危機に瀕していても悪い気はしない。サリアたちの柔い体が密着している上に各々の体から発せられる素晴らしい華やかな香りが自分を天国へと誘っていて、控えめに言って最高だからだ。


「気遣いもできて!」

「やさしいですし...!」

「めちゃめちゃ強い!」

「「「そして何より、反則級に可愛いい!」」」

「ギブギブって、聞いてないいい」


 あの、当の本人を抱きしめながら3人で会話するとかそんな器用な事してないで、話して本当に天国行っちゃうからあああ!しかもなんか、柔らかい体に包まれ過ぎて体の境界がどこかわからなくなってきたよ?そろそろ三途の川が近いですかね?やばいですね!


「この可愛い子どうする?」

「お持ち帰りしましょう...!」

「シルフィアちゃん、それいいね!」


 これから誘拐されるの自分!?どこに連れて行かれるんですかぁ?...ふぇぇ...。って、シルフィアよ、どこでそのネタを知ったんだ?締め落とされたら人気のない村に連れて行かれて無残な姿になっていないかちょっと心配だよ?

 ハグが無限に続きそうな気がして本格的に死にそうなので、


「うにゃあああ!よくなあああああい!」


 と言いながら、じたばたして反抗してみた。

 サリアたちは自分の言動に驚いたのか目を丸くして腕の力を緩めてくれた。おかげで息を吸い込んで体に酸素を取り込む隙ができた。この隙にするりと腕の中から脱出しよう。

 だが、腕を緩めたのは一瞬で、腕の中から逃れる前に再び強烈ハグが開始されるた。


「「「その反抗もかわいいいいいい!」」」

「誰か助けてぇ~~!」


 その言葉を聞いて動き出すクラスメイトはおらず、どこか微笑ましい表情で見守っている。ここに味方はいないのか...!

 助けてもらえそうにないと感じた自分は全てを諦め、サリアたちが満足するまで腕の中で納まることにした。

___________________________

「すぅ...はぁ...やっと解放された...」


 長い時間サリアたちの腕の中で納まっていただけに解放感を半端なく感じる。おかげで、自由に呼吸できる喜びまで感じている。

 一方でサリアたちはと言うと、美味しい物をお腹いっぱいに食べて幸せを感じているような満ち足りた表情をしている。可愛さ成分補充完了と言ったところだろうか。やられっぱなしは癪だし、今度仕返しをしてやろうかな。


 何を仕返ししようか考えていると、リナが思い出したかのように言葉を発した。


「あ!そういえば、魔物狩り演習はやっぱり街の外みたいだね」

「リナちゃんが言ってた通りだったね」

「そうですね...カオリちゃんとサリアちゃんは街の外で普段から魔物狩ってるようですし、あまり変わり映えしないかもしれませんね」

「そうでもないかな。演習ではリナとシルフィアも一緒になるし、もっとにぎやかになりそう」

「私もカオリちゃんと同じかな。にぎやかすぎて、魔物狩りじゃなくてピクニックになりそうな気がする」

「私はそうなるのも...いいかもです」

「それもアリ!そうなると、パーティーに1人割り当てられる人がいい人だったらいいなぁ」


 リナの言う通り、楽しいピクニックにするには緩い雰囲気が許せるいい人でないとな。ギルドの皆は基本的にいい人が多いし、学生相手だからそこまで気合を入れまくる人はいないだろうから魔物狩りをピクニックに変更する事に異を唱える人は少ないだろう。

 

「できれば、女性で優しい人がいいですね...。サリアちゃんのギルドの知り合いで思い当たる人はいますか?」

「うーん、ギルドの皆かぁ。リナちゃんの話だとシルバーランク以上の人からでしょ?アンバーさんは優しくていいかも。ギルドに入ってすぐの私に対しても優しく接してくれたしいい人だよ。でも、」

「「でも?」」

「優しいお姉さんとして有名だし、今はゴールドランクになってて街の外の依頼に行ってるみたいだから指名できないかもね」

「そうですか...その人が指名出来たらいいのですが」

「アンバーさん、早く依頼を達成して帰ってきて~。カオリちゃんはいい人知らない?」


 リナがそう質問してくるが、正直臨時パーティー組んだことないからわからない。それに、ギルドに行く時間はど深夜かド早朝だから人に合うことも少なく面識がない人も多い。有名らしいアンバーさんとやらも初めて聞いた名前というレベルの無知さなのだ。こういう時は下手を打つよりも正直にするのが一番だな。


「自分はその辺は分からないかなぁ。基本1人だし、一緒に行くにしてもサリアとだからあまり分からない。ごめんね」

「いいのいいの、謝らなくて大丈夫だよ。むしろこういう時はちゃんとした情報が一番だからありがたいまであるよ!だから気にしないで」

「リナ、ありがとね。そうする」


 リナは優しいなぁ。助かる。


「あと、気になる事と言えば演習の準備物かな~。戦闘のための準備もそうだけど、お泊りのための準備もしなきゃだね!」


 だが、リナが超絶不穏な言葉を発している。この流れから予測するに、超絶空前絶後の個人的事案が発生するやつだ。自分的センサーがもう反応している。この流れはやばい!何とかして変えなければ!


「あ、それそれ!私新しい部屋着を買いたいから放課後、買い物行かない?」

「私も...買いたいものありますしぜひ」

「いいね!」


 対策を講じようとしているところに、3人は畳みかけるように言うと、示し合わせたかのように同じタイミングでこちらを向いた。一体何が始まるんです?

 自分の方を向いている3人の表情は至って普通なのだが、その表情の裏に危険なものを感じてしまう。これから3人は何をしようと言うんだ、何を!

 あと、無言で迫ってこないで!圧が!圧を感じるよ!一緒に行くと言えという圧を!それに、手を滑らかに動かさないで!怖いんだけど!お巡りさーーん!ヘルプミー!お嫁に行けなくなる~~~!


「行く!行くから、その手をわしわししながら迫ってくるのやめて~!」

「「「やった~!」」」


 恐怖を感じている自分を他所に、サリアたち3人はハイタッチをした。

 放課後のお買い物で起こる事を考えると(男)心が持たないかもしれないな?だけども、和気あいあいとした雰囲気に包まれるのは居心地がいい。

 そう思いながら、サリアたち3人と一緒に笑うのであった。

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