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58 怪しい4人組について3とちょっとした話

(略しすぎています)

 突っ込みを交えながらも、モリスさんと交えた4人で不審人物について情報交換した。しかし、モリスさんの情報もサリアやミカさんが知り得ている情報とほとんど変わらない事が分かった。自分が予想していた通り、不審な4人組は不思議な経路以外に情報は出ていないようだ。

 また、魔物の異常発生についても意見を交換してみた。モリスさんは魔物の異常発生した地域についてよく知っているとのことだった。何でも、その地域の依頼を頻繁に受けているとの事。

 そのモリスさん曰く、その地域では魔物異常発生の数日前は魔物を見かけなかったらしい。この情報は、自分が感じていた家の周囲の森に住む魔物が居なくなっていた点、キースさんと昨日話していたその地域での魔物の討伐数が0である点と何ら矛盾がない。そのため、問題の地域で魔物の発生が数日間激減していたという点は確定的であると感じている。

 ただ、魔物の異常発生を人為的に引き起こすには前持った大規模な準備が必要だ。魔物が発生するには魔素が必要で、魔物の数が大量ともなれば大量の魔素が必要となる。その大量の魔素が自然発生することはないので、魔法を使いまくって魔素を発生させたり、回収したのを放出したりするなどの何らかの人為的な作業を問題の地域で行っているはずだ。そうなると、その地域に普段出入りしていない人たちが来て何らかのおかしな事を起こしていてもおかしくない。

 そう思ったので、モリスさんに数日の間おかしなことが無かったのか聞いてみると

 

「特にこれと言ったものは思い当たらねぇな。おかしなことではない上に、関係ねぇとは思うが魔物が減少した数日間は大きなリュックを背負った若い衛兵が見回りに来ていたな」


 とのことだった。その人物について詳しく聞いていくと、モリスさんはその人物について


「重い装備に慣れていねぇのか動きがぎこちなかったところを見るに、新人の衛兵だろ。なんかへまをやらかして罰を受けたんだろうな」


 と言っていた。普段は平和な地域なので見回り業務をする新人っぽい衛兵をよく目撃するとのことで、普段からよくある事の様だ。そのため、モリスさんは特に気にしていないらしい。モリスさんの説はなんかそれっぽいので、新人の衛兵君の見回りと魔物の異常発生の件は別件であると一旦結論付けた。

 もし気になるなら衛兵の部隊長?っぽいザックさんとかに話を聞いてもいいかもしれない。あ、でもザックさんは門番方面だから、担当している場所が違うか。


 自分を含めた4人が気になっている話題を一通り話したので井戸端会議はお開きとなった。サリアと自分はモリスさんとミカさんに別れを告げてギルドの外へと出会た。


「例の集団についてミカさんとモリスさんでも新しい情報は何も出てこなかったね。かなり2人は広い情報網を持っているのに出てこないのは単に散策してただけってことかな?カオリちゃんはどう思う?」

「その線はあるかも?異常発生中の魔物の動向を調べるとか?」

「うーん。なんか、それっぽいんだけど情報が無いからそこまでなんだよね」

「わかる。情報なさ過ぎて想像になっちゃうよね。これ以上新しい情報でなさそうだし、自分はもうお手上げかなぁ」

「私もお手上げ~」


 自分が両手を上げてお手上げのポーズをしたらサリアも同時にやってくれた。その時のサリアの表情には少し諦め感があったので、単なるノリではないと思う。同時に、サリアの中で4人組に関する興味も失ったのだろうか、魚の小骨が喉に引っかかっているような雰囲気も消えた。

 サリアには悪いが、自分はこの件を追求しない方がいいと思うぞ。真面目に。

 後方腕組勢の感覚を覚えながら少し頷いていたところ、サリアから声がかかる。


「カオリちゃんはこれからどうするの?」

「学園が普通にやってるのか分からないからとりあえず学園に行くかな~」

「あっそっか、カオリちゃんは戦っている最中だから知らないよね。カオリちゃんがゴブリンと戦っている最中に演習場の外に案内されたんだけどその時に、案内してくれた先生から明後日まで休みって伝えられたの」

「明後日まで休みになったんだね。教えてくれてありがとう。学園に行く用事は無くなったから予定がぽっかり空いちゃったな。サリアはこれからどうするの?」

「私はこれからお昼ご飯食べて家に帰ろうかなって思ってた。それで一緒にお昼ご飯どうかなって」


 お昼ご飯のお誘いで思い出したけど、朝はドタバタして出てきたから何も口にしてなかったな。もし何事もなかったらハムエッグをパンの上に乗せて食べていたのになぁ。なんか食べ物の事を想像してたらなんか、途端にお腹が空いてきた。

 そして腹鳴りが周囲に響き渡った。


 それを聞いてサリアが少し驚いた後、笑うのを我慢しながら言葉を発した。


「カオリちゃん、ぷっ、お腹で返事しないでよっ、ふふふっ」

「ちょ、そこまで笑うことないじゃん!」

「ごめんごめん、ぷっ、真顔なのにタイミングよくお腹の音が鳴るんだもんっ...っぷ、ふふ、あはははは我慢できないいい」

「恥ずかしいからその辺にして~~~~!」


 サリアにぽこぽこして抗議の意を示しておいた。

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