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30 【急募】シルフィアの戦闘方針

(略)稚拙な表現等々、目をつぶっていただけると幸いです。

 どうも、現在サリアたちと相談事をしている銀髪ロリエルフになった者です。

 今は月曜日の学園に登校して間もない時間ですが、シルフィアの件で緊急井戸端会議を行っております。


 というのも、シルフィアの内面的な問題で攻撃魔法を使うことができないという問題があるために、今日から始まる戦闘能力評価の模擬戦で勝ちを得ることや戦闘能力を示すことができないという問題が発生している。


 シルフィアは何も手をこまねいていたわけではなく、短期間ではあるが自分と攻撃魔法を放てるように練習を重ねてききた。そのおかげで、自分相手には攻撃魔法を放つことができるようになっている。

 しかし、サリアやリナが相手となると魔法を放つことができないとのことで、頑張って問題の改善を行ってきたが今日から始まる戦闘能力評価期間までに問題の完全な解決には至っていない。そのため、現在のシルフィアは魔法攻撃主体で戦闘を行うタイプにもかかわらず、攻撃魔法が使えないため攻撃手段が無い事になる。

 これらのことから、シルフィアは模擬戦で評価される戦闘能力を示すことができない上に勝ちを得ることができないという非常に厳しいことになっている。


 その問題に気が付いたのが学園に登校してクラスの椅子で不安げな表情を浮かべるシルフィアを見たからだった。本体であれば先週の半ばあたりに、シルフィアが持つ問題の完全解決がされない場合の対応についてみんなで考えるべきであったが...。気が付いてあげられなくてごめんというところである。

 ここであの時は~と言っても仕方がないため、今からでもシルフィアが模擬戦で少しでも戦闘能力を示すことができる方法を皆で考えようという流れとなっている。


「すみません...私なんかのために」


 当のシルフィアは自分の問題にみんなを巻き込んでしまって申し訳ない気持ちがあるようだ。自分としてはシルフィアの問題解決に協力しているのに気づいてあげられられなくてこちらこそという感じである。


「シルフィアちゃんそこで謝るのは違うよ、友達なんだから!」

「そうそう」

「こういうことは頼って」

「そうですね...リナちゃん、カオリちゃん、サリアちゃん。ありがとうございます」


「それで本題に入るけど、シルフィアは攻撃手段って魔法しかない感じなの?短剣とか使ったこともない感じ?」

「そうですね...。短剣は少し扱ったことはありましたけど...本当に少しだけで。クラスメイトの皆さんの方が扱いがうまいです...」

「シルフィアちゃんが短剣を使っていたところ見たことないよね」


 リナが言う。確かに、シルフィアが短剣を扱う場面を見たことが無い。さらにシルフィアが持つ装備にも短剣らしきものは見たことが無かったので、本当に少しだけ試してみただけなのだろう。


「今から短剣を使った戦闘を身に着けるとなると中々厳しいよね」


 サリアが言う。今から1時間半後くらいには戦闘能力評価の模擬戦が始まるのでその戦闘を身に着けるまでの時間が無い。なので、シルフィアが今現在持っている能力を生かすようなものでないと厳しいものがある。


「でもあれじゃない?今のクラスメイトの戦い方って雑だからシルフィアちゃんだって、相手に近づいて剣を振ったら何とかなるんじゃない?」

「リナちゃんはそういいますけど...私、剣を相手に当てる自信ないです...」

「そこはほら、気合で?何とかなる!たぶん!」


 なるほど?リナの言い分は一理あるな?今のクラスメイトの戦い方は雑であり、戦闘スタイルの確立もなされておらず隙も大きい。相手に接近しやすい上に、接近していればシルフィアの振るう剣でも一撃が入る可能性は十分にあると思う。

 それに、シルフィアには戦況を捉える状況把握力や洞察力があるため、当然シルフィアがその隙に気が付くことも容易だろう。動きのスピードもそれなりに速いし。ん?何かでひらめきそうな気がする?


「ねえ、サリアって今日の戦闘能力評価の時の模擬戦ってどう決着がつくか知ってる?」

「え?カオリちゃん、どうしたの急に」

「ちょっと確認したくて」

「えっとね、相手が戦闘不能になるほかに、いくつかあったはずだよ。相手が降参するか、模擬戦の審判が途中で判定を下すかかな?」

「判定勝ちもあると思う?」

「あるって言ってたよ~。相手が回避不能となる場合とかそうかな」

「回避不能...ねぇ......」

「?カオリちゃん?おーい?」


 シルフィアに攻撃を読んで回避する力があるということは、相手の隙もわかるということであり、相手の懐に潜り込む力もあるということ。さらに、シルフィアは他のクラスメイト達とは一段と素早く動くことができる。模擬戦の相手は素人同然のクラスメイトたちであるので、相手の懐には余裕で潜り込むことができるだろう。

 その後の攻撃をどうするかだが、相手が回避不能と判定されてそこで決着がつくため必ずしも攻撃を相手に当てる必要はない。であれば、短剣を振らずとも決着をつけることができる。

 この2つを組み合わせると、懐に潜り込んだ後に、首に剣を突き付けるなどの回避不能な攻撃?を相手に突き付けると勝ちを得ることができるということになる。これなら大丈夫そうな気がするな。剣も振るうことなく、相手の懐に潜り込んで剣を相手の急所に向けるだけ。これなら剣を振るうことなく勝敗をつけることができる。


「いい感じの作戦思いた」

「わっ!びっくりしたぁ。」

「どうしたのサリア?」

「声かけても反応なかったのに、いきなり動いたと思ったら声出すからびっくりしたよ、もぅ。それで、いい感じの作戦って?」

「ごめんごめん。シルフィアって観察眼すごいから相手の隙がわかると思う。相手が見せた隙に乗じて、自身の素早さを生かして相手の懐に潜り込んで短剣を相手の急所に向けて判定勝ちをもらう感じの作戦。シルフィア、いけそうかな?」


 とシルフィアに向けて案が実行可能そうか聞いてみる。


「どう...ですか...相手の懐に潜り込んだことはないです...けど、潜り込むことは多分できます。その後の短剣を相手の急所に向けるって感じですけど、向けるだけなら私でもなんとかなりそう...ですね...」

「確かにシルフィアちゃんは素早いし相手の懐に入り込めそう!その案なら何とかなりそうだね!」

「判定勝ちを狙う作戦かぁ、なるほどなぁ~」


 なんだかシルフィアはその案が実行できそうな雰囲気を出しているところを見るに、相手の懐に潜り込む自信があるように見える。そいつはgooodだ。それに、リナやサリアの反応を見る限り、シルフィアが案を実行できる可能性を感じている。シルフィアだけでなく他の人から見ても問題なさそうなので大丈夫そうな気がする。


「カオリちゃん、皆さん、ありがとうございます。この案で戦ってみます。でも、どうしましょうか...私、短剣を持ってないです」

「「「あ」」」


 そういえば短剣持ってなかったのを抜きにして考えてたな。4か所くらいで同時に模擬戦が行われるようで、自分の持つMSDを貸してしまうと万が一シルフィアと自分が同時に模擬戦を行うことが発生してしまう。また、自分が戦闘中だからサリアの短剣を使うというのもリーチの問題でシルフィアは混乱してしまうだろう。

 どうしようか考えていたところ、サリアが話し出す。


「そういえば、模擬戦でMSDが壊れちゃった子や忘れた子のために、学園の備品を貸し出してくれてたはずだよ。授業の戦闘演習時間でも同じことがあって先生に相談したら貸し出してくれてたって言ってた。」


 そいつはとてもいい情報だ。なら、先生に早く相談して学園の備品のMSDを借りよう。備品のMSDに書き込まれている魔法が自身の扱う魔法と異なるために満足な戦闘を行えない場合があるが、魔法を使わないのでその問題もない。なので、借りることで生じる問題もなさそうである。


「ナイス、サリアちゃん!多分借りることができるMSDも少ないよね?ちょっと先生に相談してくる~。ほら、シルフィアも一緒に!」

「リナちゃん、ちょっとまって~」


 リナはシルフィアの手を引いて教室を出ていった。行動が速すぎるな?


「リナちゃんの行動力ってすごいよね...」

「本当にね...」


 その行動の速さについていけなかった自分とサリアは2人が出ていった教室の出入り口を呆然と眺めるのであった。

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