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2-61 調査隊の帰還に沸く宿舎のロビーとサリアたち

(略しすぎています)

 魔物に追いかけられる心配のなくなった調査隊はのんびり宿舎に戻ってきた。


「一時はどうなることかと思ったが、無事帰れてよかったぜ…」

「俺たちだけなら無理だっただろうな」

「全くだ。カオリちゃんすげぇよマジで。まじ天使」

「わかるわー」


 調査隊のメンバーは宿舎に戻って来れたことを嬉しく思ったようで、ハグをしたり涙ぐんだりしている。会話の内容で一部よくわからないところがあるが、かえって来れたことに安心したから出てくる言葉なのだろう。かくいう自分もメンバーが無事に帰って来れたことに安堵している。調査隊を編成することを聞いた時には絶対何か起こると思って警戒していたが、まさか魔物の大群に追いかけられるなんて想定外。フラグの神に愛されし銀髪ロリエルフさんで困ってます。自分。


 宿舎のロビーに入っていくと、ギルドメンバーや学生、先生たち等いろんな所属の人が大勢集まって立ち話をしていた。ある人は駆け回って、ある人は情報を周知したりとかなり忙しい状況で自分たちの到着に気づいていない。不安そうにしている人や落ち着きがなく動き回っている人もいる。どちらかと言うと、ロビー全体が暗いムードだ。魔物の脅威が去ったというのになんでこうなんだ?もうちょいハッピーしててもいいんじゃない?

 それはさておき、まずは帰ってきたことを報告しないとだ。モリスさんいるかな?見当たらなかったら会議室にでも向かうか。

 そう思っていると、慌ただしく駆け回っていた人が自分たちの帰還に気づいて声を上げた。


「おい、調査隊が帰ってきたぞ!」

「マジか、あの中で帰ってきたのか!」

「こりゃめでてぇ!」

「「「「「うおおおおおおおお」」」」」


 ロビーにいた全員が湧き上がり、ロビーに漂っていた暗いムードが一気に明るくなった。いろんな人が声をかけてくるので詳細はわからないが、魔物の大群の事よりも自分たち調査隊のことを心配してくれていたみたいだ。自分たちと関係が薄い人たちでも心配してくれて嬉しいよ。優しい世界。

 さてこの後どうするかと思いながら佇んでいると、どこから持ってきたのか調査隊のみんなに缶ジュースを手渡してきた。乾杯でもするのかな?そう思ってロビーを見渡すと、ロビーにいるメンバー全員に行き渡っていた。どうやらあってたみたいだ。っていうか、やりたい放題だなこれ。


 少しだけどうにでもなれ感を出していると、にこやかなモリスさんがやってきた。騒ぎに便乗するのか、ちゃっかり手に缶ジュースを持ってる。あっ、これはさっさと抜けてサリアたちの場所に帰るのは無理そう…。そう思っていると、モリスさんが調査隊の前まで出て話を始めた。


「調査隊の皆。全員無事でよく帰ってきてくれた!聞きたいことは山ほどあるがそれは後だ。まずは帰ってきたことを祝して乾杯といこうじゃないか!それじゃ、乾杯の音頭をカオリちゃん、頼めるか?」

「え?」


 その流れだとモリスさんがやってくれるんじゃないの?自分がやるなんて思ってなかったから何もいい事言えないよ?今すぐ辞退したいところだね!でも、ロビーは静まり返り、皆が自分の言葉を今かと待っている。なんなら、調査隊のメンバーも同様だ。逃げ場はないようなので腹を括るしか他ない状況。オワタ。

 こういうの苦手なんだけど、無事に帰って来れたって言ったらいいよね。長いのも必要なさそうだし。


「ここにいるメンバーのおかげもあり、無事に帰って来れました。調査隊のみんな、ここに居るみんなに乾杯!」


 変なことを言っていないはず!なんとかなれと思っていると、間髪入れずに「乾杯」とロビーにいるメンバーが一斉に声を発する。すると、皆はにこやかな表情で近くにいる人たちとの歓談に移行した。どうやらうまくいったようで安心。ふぃー、緊張したー。

 すると、周りの人たちから声からお祝いの声が上がる。あの中を帰ってくるなんてどんなマジックを使ったのか等の状況を聞きたいのか質問攻めだ。右から左から話が飛んできて頭が混乱してくる。大変だああああ。

 そんな騒がしいロビーに、3人の一際大きい声が上がった。


「「「カオリちゃん!」」」


 すると、自分の周囲に居た人が動き、声の主と自分との間に道が生まれた。その道の先には今にも決壊しそうな涙を溜め込んだサリア、リナ、シルフィアの姿があった。自分とサリアたちの目が合うと、サリアたちは駆け足で自分の前までやってきた。そして、勢いそのままに腕を大の字に広げたサリアたちは自分に飛びついてきた。そんな3人に抵抗できるわけもなく、押し倒されて尻餅をつく。


「カオリちゃあああああああ」

「おかえりだよおおおお」

「無事でよかったです…!」


 涙を決壊させて自分の胸元で泣くモードに突入し、泣きながらも自分が無事に戻ったことを祝ってくれる。転生して異世界に飛ばされて親すらいない自分に帰る場所であると感じさせるサリアたちの抱擁に心が温かくなる。寂しいことも感じていた日々が去来し、サリアたちの優しさが心に広がっていく。こんなときの言葉は考えるまでもない。心の中から湧き出るシンプルな言葉をそのまま口に出す。


「みんな、ただいま」

「「「おかえり!」」」


 調査報告をしなきゃいけないけど、今はこの暖かさを感じていようと思う。

ばちぼこに忙しい1週間で、書く時間がとれませんでした...内容が薄くなってしまって申し訳ない。

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