15 入学試験2
(略)稚拙な表現等々、目をつぶっていただけると幸いです。
どうも銀髪ロリエルフになった者です。現在、サリアと一緒に入学試験というより検査?を受けています。次の検査?は面接になっていますがサリアと自分の順番までは時間があるので、昼食を済ませることにしました。まる。
やってきたのは学園内に併設されている食堂である。天井は高く、大理石のような白い石を床に張り、カウンター以外の壁という壁は外が見えるガラス張りになっており、かなりの解放感を感じる空間である。壁際の空間は一段高くなっており、これまた白を基調とした装飾が施された角テーブルと装飾が施された椅子が置かれている。それとは対照的に中央に置かれているテーブルと椅子は白を基調としたものだがどこかシンプルさを感じさせるものになっている。
やはり、お嬢様とかお坊ちゃまとかが入学しているからその関連で区画が分かれているのだろうか?入学後に、ここを利用していたら何か面倒くさいことに巻き込まれそうな予感がとてもしてくる。何なら、食堂に入った瞬間からにでも巻き込まれそうな雰囲気がしなくもない。とはいえ、食堂に響く声はどこか楽しげであるので今のところは大丈夫と思いたい。
「カオリちゃんは何食べるの?」
「自分はこのB軽食かな。サンドイッチ好きだから。サリアは何頼もうか迷ってる感じ?」
「そうそう。色々種類があるから迷っちゃうんだ~。サンドイッチか―。それもいいけど、ヘルシーなC定食もいいよね~。どれにしようかな~。」
「そういう時は考えずに感じたらいいと思うよ。直感はよく当たるし」
「直感ならカオリちゃんと同じB軽食にしようかな。なんかこう~胃にきた感じ。」
「きたのは胃なのね」
サリアと自分は代金を支払ったのち、軽食が乗ったトレイを持って空いている席を探す。食堂は混雑しており席がだいぶ埋まっているようであったが、運が良かったのか空いている席がすぐに見つかったのでそこで昼食をとることができた。
何か問題に巻き込まれるかとひやひやしていたが、食堂内でいざこざが発生しなかったので、事なきことを得た。おかげで、サリアとはおしゃべりに花を咲かせて楽しく昼食をとることができた。
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昼食を済ませたときには入学試験?の面接時間にいい時間となっていたので面接会場へすぐに向かうことになった。面接会場では緊張した面持ちの人々が大勢おり重い空気が漂っていたものの、サリアは面接会場に着いてすぐに係員に呼ばれて面接室4に向かっていったので、緊張の渦に飲み込まれることなく済んだようである。順番的に次は自分の番だろうから、ほどなく呼ばれるだろう。
「403番、カオリさん。面接室5に入室をお願いします。」
程なく呼ばれてしまったので、大気会場から目的の面接室の前まできた。
ギルド長と話したときほどの緊張感は無く、変な想像もすることもない。とてもいい状態だ。とりあえず、深呼吸してからノックしよう。
「403番、カオリです。」
「カオリさん入室してください。」
「失礼します。」
入室の許可が下りたので、部屋に入り用意されている椅子に座る。何のこともないこの動作だけど、緊張してたらできないんだもんなぁ。面接官が1人だけなのもあって、緊張することもないだろう。面接官の手元にはタブレット型の端末があり、自身が記入したものが表示されているようだ。
「それでは、面接を始めます。それでは、最初にこの学園へ入るための理由をお聞かせください。」
「はい、それは自身の戦闘に魔法の戦術を取り入れるためです。自分の魔法属性は無属性であり、魔法の発動が難しく私が満足に扱える魔法は少ないです。そのため、魔物との戦闘の際は物理攻撃主体で行ってきましたが、最近戦術の幅に限界を感じています。そこで、質の高い魔法教育を受けることができるこの学園に入学し、魔法の基礎から学ぶことで、得た知識や技術を自身の戦術に取り入れたいと考えています。」
「おお、12歳だというのにしっかりしている子ですね。では、魔物との戦いの話があったが、普段はどのような戦いを?少々興味が引かれました」
「はい、魔物の中でもゴブリンを相手にしております。ゴブリンは知っての通り力はそこそこありますが動きはそこまで素早くありません。そこで、気づかれる前に突き刺して倒すということをしています。」
「たしかに、気づかれる前ならばそれが定石ですね。気づかれたときはどうしていましたか?」
「間合いで気づかれた場合は、そのまま接近戦に移行しますが、間合いから離れた場合はアイスニードルで対応しています。」
「ありがとうございます。随分と戦い慣れているようですがどの程度の魔物を討伐...!?少なくとも2000ですか!?しかもゴブリンリーダーまで!?」
面接官の視線はタブレット型の端末に吸い込まれていったようで、戦闘経験に書いた討伐数を読んでいるようである。ただ、書かれた討伐数は予想されたものよりも多かったようだ。
「並みの大人が1年かかってもこの数字にはなりませんよ?何をすればこんなに?すみませんカオリさん。この戦闘経験を裏付けるものはお持ちですか?」
サリアの3倍くらいの討伐数を記入しているのだが、この数は多すぎてしまったようだ。面接官はあまりに常識からかけ離れた数字を目の当たりにして疑いの目線を向けてくる。しかし、疑われたとしてもこちらにはギルド証がある。これが目に入らぬか~。
「ギルド証ならあります。これで構いませんか?」
「どれどれ...ランクはブロンズですね。となると討伐数ですが...(白目)。」
面接官はギルド証の裏に記載されている討伐数を確認した瞬間に思考を止めてしまったようだ。この数字を見たからには自身の認識を改めなければならない。記入された戦闘能力以上に戦闘能力があることに。
「HAI。mou daijyoubu desu。十分すぎる戦闘能力を確認できました。面接は以上になります。退出していただいて構いません。お疲れさまでした。」
「それでは失礼します。」
面接官を白目剥かせて思考破壊してしまったように思うが、何事もなく楽に終わったようで何よりだ。面接官の反応を見る限り中々の手ごたえを感じたので問題なく面接もパスすることができるだろう。上々だ。
自分が面接室から退出し待機所で少し待ったら面接が終わったサリアが来た。足取りはどこか軽く、ちょっと誇らしげな顔を見るに手ごたえはばっちりそうだ。これで、二人とも第一魔法学園に入学できそうである。そいつはgooodだ。
入学試験?は面接をもって終了なので、今日やるべきことは終わった。正式な試験結果は明後日公表されるが、サリアも自分も合格したも同然の反応を面接官からもらっているので安心して公表日まで過ごすことができそうだ。
上機嫌なサリアとともに学園を後にする。時間は15時でまだまだこれからである。今日やる事は終わったし、何しようかな?
「カオリちゃん、この後用事なかったらお茶でもしない?」
「この後の予定なくて暇だからぜひとも。」
「やった!」
サリアが微笑みながら小さなジャンプして喜ぶのを見て素直にかわいいなと思う。色々と、異世界のイメージをぶち壊してくれたが、異世界に来たら美少女に囲まれるという定説は裏切らなかった。ありがとう女神様!この縁は大切にします!
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