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2-35 戦闘講習会の開催あいさつと乱入者

(略しすぎています)

 どうも、銀髪ロリエルフになったものです。今は火曜日の放課後で、戦闘に関する講習会の関係でサリアたちと共に演習場の一画に来ています。講習会の開催時間にはまだ少し時間があるので、サリアたちと話をしながら時間が来るのを待っています。


 昨日の戦闘演習ではいつも通りにサリアたちの模擬戦などを行いながら、魔素からの魔法発動ができるかやってみた。わざと魔法発動を失敗させて魔素を生み出したけれど、魔素から新たな魔法を発動することはできなかった。なので、魔素は魔力とは完全に異なるものであると確認が取れた。神様からの褒美である情報の裏が取れた形となったわけだが、この情報が役立つ時は来るのだろうか?いや、役立つ時は来ないでほしいね。その時は絶対何かに巻き込まれているから!自分はサリアたちとのんびり縁側でお茶を啜っていたいのよ?

 そして昨日の放課後に今日の講習会に関する打ち合わせをやっていた。その中で議題に上がった1つが、リリーガーデンを崇めてくれる存在というのが長すぎるということだ。確かに長すぎるなと感じたので、略称か別名を使おうとなった。話し合った結果、「フラワーズ」となった。崇めてくれる存在もそれぞれに個性があるので、花に例えると様々な花が当てはまる。そういうところからフラワーズというところだ。中々にいい名前でgoodだ。

 その時はそう感じたのだが、今日になって男子生徒に対してフラワーズという名称はどうなんだ?と思ってしまった。だが、目の前の光景を見るとそんなことは気にならなくなった。


「それにしても思ったよりも多くない?200人くらいいるよ?それに女子生徒ばかりだし」

「そりゃそれだけ人気があるってことだよ。それに私たちは女子グループだから、女の子ばかりになるんじゃないかな」

「学園内では女子生徒を見守る男子生徒とか、その逆とかあるよ!でも、フラワーズのような構図は稀だから女の子だけを惹きつける何かがあるんだろうね」

「でもそれって仲良しって...理由だけじゃないですもんね...?」

「「「「うーん?謎だ」」」」


 全員思い当たる節が全くないのか疑問を浮かべた表情をしている。実際、自分も思い当たる節がない。情報を仕入れるのが得意なリナでさえ思い当たる節がないのだから、ここは本当の謎だ。でもまあいい。むさ苦しいよりは華やかな方がいいもんね。目の保養になるし!いい匂いするし!


「そろそろ時間だし、行こ。カオリちゃん挨拶頑張って。はい、拡声器だよ」


 もうそんな時間か。挨拶するとか緊張するな。でもパーティーリーダーだからやらなきゃだ。それに国王さんに謁見した時に比べたらこの程度何ともですわよ?お喋り申し上げ奉りんちょです!

 雑に緊張しながら、サリアが手渡してくれたハンディータイプのMSDを受け取る。外見はボタンが付いているだけで、魔力注入以外に複雑な操作をしなくてもいい感じのようだ。初めて使うけどこれは助かるな。魔法補助デバイスのMSD万歳と言ったところだ。でも、魔力の注入量だけは注意しておこう。多分流しすぎるとみんなの鼓膜なくなっちゃう...。


「サリア、ありがとう。いい感じにしゃべってくる」

「「任せた!!」」

「あ、でもみんなも一緒に並んでね。みんなでリリーガーデンだし」

「「「え」」」


 え、そうじゃないの?リリーガーデンとしての催しだし、みんなと一緒に並んで話をするものだと思ってたんだけど。


「急にお腹が...」

「急な目眩が...」

「持病の腹鳴りが...」

「もー、そんなこと言ってないで、みんなも来るんだよ!行くよ!」

「「「はーい」」」


 なんかリナは病気の症状ですらなかった。至ってお腹が空いた健康体じゃん。何なんだ...持病の腹鳴りって...。緊張がほぐれて助かるけど、字面が面白くてつい考えちゃうじゃん。持病の右手の疼きが...ってそういう人はそんな言い方しないか。我が血肉をもって封印されし漆黒の帝王が目覚めようとしている...とかそんな感じだろうか...?

 そんな緊張が解けた自分とは対照的に、少し緊張したサリアたちを引き連れてフラワーズたちの前に出る。そして、サリアたちが横一列に並ぶと、自分は一歩前に出て拡声器用のMSDに魔力をほんの少し流した。


「えー、それでは始めたいと思います」


 その声はちょうどいい音量で演習場内に広がり、騒めいていた場内が静かになった。そして、フラワーズは自分の方に注意を向けた。みんな素直でいい子だなー。


「みなさん、今日は来ていただいてありがとうございます。リリーガーデンリーダーのカオリです。今日はリリーガーデンによる戦闘講習会ということで、みなさんには戦闘面に関するノウハウを体験を通じて学んでいただけたらと思います。ですが、本題に入る前に少しお時間をいただきたいと思います」


 さて、問題はここからだ。色々言わなくちゃいけないからな。この場にいる人は受け入れてくれるだろうか。


「この講習会を開いた目的として、リリーガーデンとしての活動に支障をきたさないようにするというのがあります。みなさんをフラワーズと呼ばさせていただきますが、フラワーズの皆さんにはこの時間を有効活用していただいて、日々のリリーガーデンは遠くから見守ってもらいたいと思っています」


 そういうと、会場にわずかながらに動揺が生まれて会場が少しだけ騒めいた。まあ、そういう反応にはなるだろう。実質的に困るから構ってくるなと言われているようなものだ。でも、これを言わないと今後が困る。


「それでもいいと思う方はこの会場に残ってくれたらと思います」


 ざわめきは収まり、会場から出て行こうとする人は皆無だ。もしかすると、出て行きたくても行けない雰囲気なのかもしれないが、一応受け入れられたというところでいいだろう。助かった...。


「この戦闘講習会では実践的な内容を学んでいただきます。しかし、それは力を持つということであり、責任が生まれます。誰かを暴力で排斥することは綺麗なものとは言えません。フラワーズのみなさんには違いを暴力で排斥するのではなく、話し合いを通じて違いを受け入れることをお願いします。前置きが長くなりましたが、本題に戻します」


 会場にいるフラワーズのみんなは納得した表情で頷いてくれた。ほんと聞き分けのいい人たちで助かるよ。


「では、メンバーの自己紹介です。みなさんは知っているかもしれませんが、念の為。自分は前衛で魔力刀とアイスニードルを使った戦闘を行っています。よろしくお願いします」

「私はサリアと言います。中衛で遠距離魔法と短剣で戦います。みなさん、よろしくお願いします」

「リナです!前衛で大剣を使った戦いが得意です。みなさん、よろしく!」

「私はシルフィアと言います...。後衛で遠距離魔法を使って...みんなの補助をしています。よろしくお願いします」

「このメンバーで戦闘面のノウハウを伝えていきたいと思います。今日のメニューは...」


 そう言いかけたところで演習場の入り口のドアが勢いよく開かれた。

 何やつ?とうとう問題を起こしそうな人がやってきたか?視線の先には人だかりで見えないが、嫌な予感しかしないぞ。どう様子を表現するか迷うが、会場内にいるフラワーズは動揺してるように感じる。どうようだけに。

 予想された事態なので余裕綽々に構えていると、ドアの方から怒鳴るような女性の声が聞こえてきた。


「どういう要件でこの演習場を使っているのですか!今すぐここから退去してくださいまし!」


 どこぞの変態言動男子生徒のように気持ち悪いことは言ってない。言動だけ聞くと、それなりに身分がある人のようだ。多分学生だろう。だけど、退去?そんなはずはないぞ?演習場の中でもここはそもそも自由に入れる場所ではなく、戦闘能力評価のトーナメント優勝者特権で利用できる専用スペースだ。なので自分以外の人が利用することは不可能だ。なので主張そもそもがおかしいですわよ?


「ここを仕切っている人はどこですか?いますぐ出て来なさい!」


 この調子だと自分が対応しないと事態の収拾できそうもないな。しゃあなし、行くしかないか。この後の講習会の内容はサリアたちに任せるとしよう。


「みんなごめん、ちょっと行って話してくる」

「カオリちゃんが謝ることないよ」

「ここは専用スペースでしょ?向こうがおかしいって」

「何か嫌な予感がしますので...気をつけて」

「わかった。みんなありがとう。あ、これ拡声器。今日の講習内容はみんなが適当に決めて進めておいていいからね~」

「「「ラジャー」」」


 とりあえず、乱入してきた学生のお嬢様っぽい人のところへ向かうとしよう。どうか、話のわかる人であってくれ...。

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