14 魔法学園入学手続きと入学試験1
(略)稚拙な表現等々、目をつぶっていただけると幸いです。
サティーさんの事務所から帰る手段がないので電車?を使って最寄り駅まで行きましたが、そこから家に着くまで3時間歩き続けるはめになりました、銀髪ロリエルフになった者です。ものすごく疲れました。はい。
家というよりmy洋館?に着いてから、最初に結界装置の魔力タンクの補給を行って結界モードの切り替えを行った。これで、魔物による被害が防げて安心した夜を迎えることができる。
その後と言えば、一番眺めの良かった部屋で道中に買った晩御飯を食べ、机に突っ伏して寝てしまった。確認すべきことは多かったように思うけど、色々とイベント盛りだくさんで疲れてたし、しょうがないよね?
そして朝日とともにgooood morningだ。四方を壁に囲まれた安心感抜群の環境の下、外から鳥がさえずる音が聞こえてくる素晴らしい朝だ。洗面台に顔を洗いに行くと、なんと鏡が付き、蛇口を捻ると水が出てくる。感動だ。
さらに、おしっこをしにトイレに向かうと水洗トイレなのだ。もう、大自然に囲まれて枝葉がこすれる音が聞こえてくる中、大放出をしなくても済むのだ。涙が止まらない。文明、最高。トイレ中にコンニチワと魔物と出くわすわけでもなく、おしっこの甘いに誘われた動物たちがやってくるわけでもない。安心安全の完全個室で素晴らしい安心感の中でトイレをすることができる。さらに、水洗なので後片付けをしなくとも匂わない。しかも、レバー1つの操作できれいになる。この感動、あなたにはわからないでしょうねぇっ。えうーん。
文明に触れて精神がだいぶ回復してくれたのでとても気分がいいぞい。今日は何をしようかな? そういえば、今日はサリアと魔法学園入学手続きの予定があるな。集合場所はギルドの中で10時集合だったはず。今は6時くらいなので今から出れば余裕で間に合うだろう。
ちょっと時間もあるし、魔物との戦闘でちょっと傷ついたりしている装備を修繕したりしますか。一回分解して再構築っと...?魔石が編み込まれた糸があるな??お?模様っぽい物が編み込まれて作られている?多分魔防物防関係のものだろうけど、さっぱりわからないな。気になるけど痛んだところだけ直しておくか。
修繕を終え、装備も綺麗になり新品同様の出来栄えである。我ながら満足である。気づくとそろそろ出発の時間だ。
さて出発しよう。と、その前に、結界装置の魔力タンクに魔力を注ぎ込み省エネモードにしておくか。これ面倒だなぁ...。学園に入って学んだ知識で絶対改修しよう。
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家を囲む森の中を爆走した結果、9時にギルド前についてしまった。ちょっと早すぎたので、ギルドの中に入って何か朝ごはんでも食べよう。
ギルド内の食堂で朝ご飯を食べることにした。内容はベーコンエッグサンドと牛乳だ。バランス大事。最初の一口目いただきますか。
おー。レタスシャキシャキだし、塩気のあるベーコンと甘みのあるソースを包むように卵の味がする。これは普通においしい。おいしい物を食べたら笑顔になるのです。にぱー。
周囲からは謎に柔らかな雰囲気が漂ってくるが何だろうか?時折野太い声が天使ちゃんとか呟いているのが聞こえてくる。さては、どこかのアイドルの話題か?ならば気にすることはあるまい。今はベーコンエッグサンドの時間だ。雑念は捨て、今は食事に集中するのだ!。
食べ終えても集合時間までは時間があったので、休憩所の机の上で溶けてサリアを待つことにした。待っている最中は特にすることもなかったので、装備を分解したときに発見した術式を眺めていた。うーん。文字っぽい何かと幾何学模様が組み合わさった何かとしかわからない。ただ、見ていてバランスはいいなーと感じる。左右対称ではないものの、文字と幾何学模様が配置されている場所がよいのでそう感じさせる。ただ、何回見てもよくわからないな。
考えているうちにサリアがやってきたので、思考を止めてサリアに向かって手を振る。
「ごめん、カオリちゃん。待った?」
「いいや、ちょうど朝ごはんを済ませたとこ。」
「そうなの?カオリちゃんがここで朝ごはん食べるなら一緒に食べたらよかったな~。」
無事に合流できたことだし、サリアと雑談しながら魔法学園の入学手続きができる場所に向かうとしよう。
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ギルドから近い駅まで移動した後に魔動車(電車みたいな奴)に揺られ10分したところで目的地の名を冠した駅に着いた。国立第一魔法学園前駅らしい。漢字が多くて読みにくさがあるな?。ただ、名前を冠するだけあって、本当に目の前に学園が見える場所に駅がある。
この国立第一魔法学園は高台に位置しており、見晴らしがよく街のすべてを見渡せる箇所にある。高台にあるためか、交通機関によるアクセスが発達しており、頻繁に次の魔動車やバスが来る。今日は入学手続きを行う日とあって、かなりの人がバスや魔動車で来ており駅がごった返している。人種の割合としては8割が人族で2割が亜人族といったところだろう。例によってエルフの姿は見ていない。悲しきかな。エルフは自分とサリアだけのようだ。
人の流れに任されたままサリアとともに学園の敷地へと向かう。学園前の道はリムジンで乗り付ける車列ができていた。その中からはお嬢様やお坊ちゃまみたいな人の姿が見えたことからこの人たちもこの学園に入学するのだろう。前世で読んだ小説だと貴族が絡むと何かと問題に絡まれるので避けたいとなと思いつつ、手続き会場へと歩みを進めた。
手続き会場である講堂に着くと大量の手続き用紙と筆記用具が用意されており、机と椅子が所狭しと並んでいる。半数以上が埋まっており、駅のごった返した人々からも予想できるが、入学志願者が多いことが見て取れる。
すでに手続き用紙を記入している人は次の会場に移されるようで、プラカードを持った人が最後尾はこちらですと右往左往している。案内人、ご苦労様です。
「わかってはいたけど、人いっぱいだね~」
「そうだね~人が多いとどうも疲れてしょうがないな~」
「カオリちゃん、あそこで記入しよ?」
「いきましょいきましょ~。」
空いている席に座り、この椅子は固いな?と思いつつ記入用紙を眺める。記入事項はほとんど住所などの個人情報が必須となり、所属したいコースと任意で戦闘経験や自己アピールを記入する欄がある。
所属コースは次の2つある。1つは魔法技師コースで、魔力を駆動源とした車や魔動車などの技術開発について学ぶことができる。2つ目は魔法師コースで、主に魔法を取り入れた戦闘並びに魔道兵器に関連した事項を学ぶようだ。この魔道兵器って何だろうか?とりあえず、技術開発をするわけではないから、魔法師コースを選ぼうかな。多分その方が体も動かすし楽でいいんじゃないかな?知らんけど。
これだけ人数が多いと中々の倍率が予想される。なので、戦闘経験は盛りすぎない程度に埋めておく必要がありそうだ。ギルド証の裏には討伐数がカウントされているので、それで確認すると、ゴブリン系だと、ゴブリン4390体ゴブリンリーダー30体と示されてる。こうして数字で見ると結構狩ってる印象を受ける。多すぎては逆に問題があるような気がするから、とりあえず、”少なくともゴブリン2000体ゴブリンリーダー10体”と記入しておいた。嘘は言っていない。嘘は。過小評価してるだけ。はい。
そういえば、サリアはどれだけの戦闘経験があるのだろうか。初めて会った時の驚き様からすると少なそうではあるが、冒険者としてはそれなりに長そうだ。ちょっと聞いてみるか。
「サリアって戦闘経験はどんな風に書いた?」
「えーっと私はギルド証の討伐数を書いたかな。700体くらい倒したって。あとで面接とかあるみたいだし絶対この項目について聞かれるよね~。」
「だよね~。絶対聞かれそう。」
「カオリちゃんはなんて書いたの?」
「自分はギルド証の裏の討伐数を参考に書いたかな。ゴブリンとゴブリンキングの討伐数とか」
「やっぱり、そうやって個別に書くべきなのかな~」
「「悩ましいよね~」」
一般的にはそんなものなのだろうか?。森の中では人にあったことが少ないのでそれほど積極的に魔物を討伐しているわけではないことが推察される。なので、その魔物との戦闘経験はかなりのアドバンテージを得られそうだ。それを考慮すると、自分はともかくサリアの討伐数もかなりのものと考えられるから2人とも難なく入学できる可能性は高い。そいつはgooooodだ。
用紙の記入が終わったので、お次は魔法関連の測定を行うみたいだ。用紙の情報が記録されたIDカード渡され、魔力を測定する機械にIDカードをかざし、それに魔力量、魔力属性を記録していくようだ。いたってシンプルであったので難なくクリアである。
お次は魔法師コース限定の検査?で魔法の行使の実演が行われる。検査会場は複数存在するが、1人ずつしか入ることができず中で何が起こっているか確認することができない。順番的にはサリアの次が自分であり、今しがた、サリアの次の人が呼ばれたところだ。
「どどどどうしよう緊張してきたたた。」
「サリア落ち着いて、こういう時はジャガイモを人に書いて飲み込みまくるんだよ???」
「ぷっ、何それ」
サリアの緊張が移ってか自分もよくわからない仕草を教えてしまった気がするが、笑って緊張がほぐれたようで何よりである。
「次、402番サリアさん」
「はい。それじゃあ、カオリちゃん。行ってくるね」
「いってらっしゃい」
サリアが行ってしまった。サリアの魔法は光りを灯す魔法しか見ていないが、きっと大丈夫だろう。だってサリアが入った部屋から爆音が聞こえてくるもの。派手な魔法でも使っているんだろうな~。
さて、自分が扱う魔法はどうしようか。と言っても、自分は無属性であり魔法を扱うことが難しいため、アイスニードルしか使うことができない設定だ。なので、アイスニードルしかできないのであるが、問題は見せ方だ。アイスニードル1つでも連射ができるか、その速度を調整することができるかなどやりようはいくらでもある。個人的には、連射と行きたいところであるが、如何せんMSDを使ったアイスニードルの連射スピードはお察しだ。うーん。どうしようか。MSDを使ったアイスニードルで最高効率の最高速度で最高精度をお届けするか。
「次、403番カオリさん」
「はい」
とりあえずやる事は決まったので入室する。すると、中は細長い部屋で奥には的があり壁には何やら色々な装置が張り付けられている。検査員が2人おり、パソコンみたいなものの前に座っている。
「カオリさんですね。それでは、お好きなタイミングで得意魔法を3回行使してください。放射系魔法の場合は的に向かって放ってください。」
「わかりました」
よくわからないけれど、アイスニードルを放つとしよう。これまで魔物ぽこぽこ祭りで多少鍛えられたMSDを使ったアイスニードルをお届け!。とりあえず、アイスニードルのイメージを行う。魔力を細長い氷柱に変換し、MSDが可能な限り発動が迅速で、発射が速く、的の中心を性格に貫くイメージ。そして、リングタイプのMSDに向かって魔力を流し込みMSDの核が光る。それとほぼ同時に細長い氷柱が生成され音もなく的に向かって飛翔し的を穿った。そのあと、氷柱は轟音とともに壁に刺さり、霧散した。
「発動した魔法はアイスニードルか。初級だが...この数値を見てくれ」
「発動スピード、飛翔スピードがほぼ理論値に近い。この子すごいな。さらにかなり正確だ」
「何かありましたか?」
「「いいえ、問題はありませんので魔法の行使を続けてください。」」
なにやらほめてくれているような気がするな?。だが、これのほかには芸がないので同じ魔法を的に向かって放った。放たれた氷柱は的に空いた穴を通り抜けて盛大な音とともに壁に突き刺さる。先ほどよりも壁に埋まっているけれども大丈夫なのだろうか?
「てっきり、的には刺さるくらいかと思ったら的に穴が空くとは。貫通力もかなりある。」
「ああ、しかも耐魔法壁に突き刺さる程度だ。これは相当だぞ」
「あの~。続けて問題なさそうですか?」
「「もう大丈夫です!壁が壊れちゃうので!」」
仲がいいな?
とりあえずは魔法の行使については問題なく終了したのでよかった。外ではサリアが待ってくれていた。
「サリア、待っててくれてありがとう。」
「カオリちゃんが心配なんだもん。でも、聞こえてきた音の感じからすると大丈夫そうだね」
「ああ、あの音ね...的に当たったはいいけど的を貫通しちゃって...」
「貫通した?的を?何の魔法使ったの?」
「アイスニードルだよ。初級の。」
「アイスニードルってそこまで強くなるんだ...。多分私のアイスニードルだと的に刺さるくらいだよ。何が違うのかな~?」
「何だろうか。自分もよくはわかっていない感じ。この魔法だけで魔物と戦闘してきたからそのせい?」
「え?アイスニードルだけで?私も同じ魔法ばかり使っていたら強くなれるのかなぁ」
こればかりは自身の能力が魔法の構成を行うおかげで魔法を放つには何が必要で何が必要でないか全くわからない。サリアには申し訳ないが、コツをつかんでもらうしかないだろう。
サリアとともに、魔法検査会場を後にする。次に行うのは面接であるが、サリアと自分の順番まではかなり時間がある。なので、面接が始まるまでに食事でも済ませておくことにした。腹が減ってはなにもできぬのだ。
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