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2-27 家でお泊り会中のお風呂での話

(略しすぎています)

 どうも、銀髪ロリエルフになった者です。ただいま、同級生の女子3人とお風呂に入っており、自分は黙々と髪のケアをしている最中です。こうしていると恥ずかしさを紛らわすことができるから安心です。なぜかというと元男子高校生だったころの自分はまだまだ健在で、女子とお風呂に入るということが恥ずかしくて堪らないからです!というかそれが普通なはずです!


 買い込んだ食材を使ってみんなで晩御飯を作って食べた後、自分の部屋に寝具を運び入れて寝る準備を整えた。その後にお風呂に入ることになった。恥ずかしく感じることは魔物狩り演習の時に体験していたので別々に入ろうと提案したのだが、サリアたちはみんなで入りたいお風呂族のようで却下された。それどころか、有無を言わさぬ無言の圧力や逃げようものなら両脇からホールドしてお風呂場へ連行する始末だ。つい最近もこんな事あったよな...。そうして全てを諦めた結果、今に至る。

 自分が黙々と体を洗ったり髪の手入れをしている間に、サリアたちは既に体を洗い終わって湯船でくつろいでいた。


「カオリちゃん念入りだね~。いつも髪がサラサラなのも納得」

「だね!私もそうしてみようかな?」

「リナちゃんは3日でやめそうですね...」

「それはやってみないとわかんないじゃん?」

「あの丁寧さでトリートメント2回目だよ?私はなかなかできそうにないよ~」


 サリアごめん。普段はここまでしていないし1回で終わってます...。恥ずかしいのでやり続けているだけです。


「それに、あの真剣さ...髪への並々ならぬこだわりを感じます...」


 シルフィアごめん。普段は鼻歌歌いながら雑にしちゃってます...。


「みんなごめん、3日もちそうにないかも!」


 そして、最大の被害者リナ、ごめん。


「こうしてみるとほんと体のラインも綺麗だよね~」

「もっとこうストンと落ちているかと思ったら、綺麗にくびれてるもんね」

「それに背筋がすっと通ってるのが見えて...何だかうっとりしちゃいます...」

「「わかる~」」


 そんなに見られるとまだまだトリートメントしまくっちゃうよ?逆に髪傷みそうで怖いんだけど、恥ずかしくてちょっとやめたくないのが勝ってるし!


「もーみんなマジマジと見ないでよー」

「えーだって、カオリちゃんが綺麗なのが悪いよ」

「「そうだそうだ」」

「解せぬ...」


 とりあえずこのままだとお風呂から永遠に上がれそうにないので、程よいところでトリートメントを優しく洗い流していく。腰ほどまである銀髪なので超大変だ。でも忘れてはいけないのがコンディショナーだ。これからコンディショナーやるぞい!まだまだ髪のケアは終わらない!心の安寧はまだ続く!やったね!


「私と食生活違わないのに肌艶もいいし、どこが違うんだろう?」

「特別な石鹸を使っているわけでも...ないですよね...」

「多分、あれじゃない?寝具!めっちゃ凝ってたもん」

「ああ、睡眠ね!それはあるかも」

「確かに...よく眠れた日は肌の調子がいい気がします」


 確かに、めっちゃ寝具はこだわっている。こだわるあまり、自身の能力を使った様々な試作を経て完成した自作寝具で寝ている程だ。その過程で出た、試作ベッドやマットレス、毛布などなどは物置部屋に詰め込んで保管していた。保管といえば聞こえはいいけど、実際のところは処分するのが面倒で、そんなのよりも試作だよね!と後回しにする結果だったりもする。今日はそのおかげでサリアたちの寝具が不足する事態には至らなかったので、面倒くさがりの自分グッジョブだ。これからもそれでいこう。ってダメか...さすがに部屋が試作品で埋まってはダニの温床になる。そうなったら嫌すぎる。後で厳選しておくとするか。


「カオリちゃんって何時間くらい寝てるの?」

「ん?8時間くらいかな?」

「私は7時間くらいだからあんまり変わらないね。みんなは?」

「私は...8時間くらいです」

「私もそのくらいかな!」

「となると...お肌の秘訣は寝具にあるのね」

「「!」」

「私も...カオリちゃんみたいなモチモチな肌に...!」

「それなら私でも続けられるかも!」

「そうと決まれば徹底的に調査しよ!」

「「さんせーい!」」


 そういうとサリアたちは背後で湯船から立ち上がった。みんな長いこと浸かっていたし、そろそろ上がる頃か。でも髪のケアを急ぎもしないし、振り返ることもしない。

 どうしてかと言われれば、そこにはサリアたちの上気した肌と隠すものがない体があるからだ。見てしまうと自分も恥ずかしくなってくるのでそうしたくない。とは言え、サリアとリナのたゆんたゆんがすごかったな...。魔物狩り演習の時にも不可抗力で見たけど自分と比べてめちゃ大きいし...ハッ、冷静になれ...このままだと恥ずかしさを感じて自爆してしまうぞ!ここは深呼吸だ...すーはー。

 サリアたちが湯船から上がり自分の横へ差し掛かる時、サリアが声をかけてきた。それに目を瞑ったまま、大騒ぎな内心を隠して返答する。


「私たち先に上がってるね~」

「わ、わかった。冷蔵庫にある飲み物は自由に飲んでいいからね。部屋でくつろいでて」

「ありがとう!」

「あ、でも部屋の中は漁らないでね!恥ずかしいから!」

「「「わかったー」」」


 そう言うとサリアたちはお風呂場から出て脱衣場へと向かった。

 でも、どうしてそんなに不満そうな声なんです?あ、さては自分の部屋を漁る気満々だったな?でも残念、漁っても変なものは出てこないよ!この世界には前の世界の漫画もアニメもないのだ。もちろん黒歴史的なものもこの世界には連れてきていない!つまり完全なる白!驚きの白さだ!某洗剤のコマーシャルに使えるね!


 よし、コンディショナーも馴染んでいい感じだ。流して、お風呂に入るとしよう。みんなが居ない今、何も恥ずかしがることはない。今日は色々あって疲れたから身に沁みるだろうな~。髪を頭でまとめてっと...。

 みんなは脱衣所で体を拭いて着替えの真っ最中だろう。あ、肌ケアの化粧水等々も言ってなかったな。それに、ドライヤーの使い方も教えてなかった気がする。まあ...いいか。今はお風呂を楽しむとしよう。

 お風呂場の椅子から立ち上がり、湯船へゆっくり浸かっていく。

 今日の湯加減は...ちょっとぬるめだね。これもまた良し!


「あー、生き返るー」

「カオリちゃんこれはどう使うの」


 気を抜いた瞬間にサリアがドアを開けて浴室まで入ってきたから、気が動転してしまった。サリアはバスタオルを巻いていたが、対する自分は湯船に半分身を沈めているとはいえ裸だ。故意では無いとはいえ、自分の裸を見られて超絶恥ずかしいと思った瞬間に言葉が出てしまった。


「って、きゃー!えっち!」


 両腕を使って体を隠し、さらに体を隠すために湯船深くまで体を沈める。まさか、えっちなんて単語を言う日が来るとは思ってなかったよ...。しかも悲鳴付きで。ぶくぶくぶく...。


「ご、ごめん!ってなんで私謝ってるの...?え、えっち?私たち同性だよね?」


 困惑するサリアの背後に何事かとシルフィアやリナがやってきた。2人ともバスタオルを巻いて不思議そうにサリアと自分へ視線を交互に向けた。


「どうかしましたか...?」

「え、なになに?サリアちゃん、カオリちゃんの胸でも揉んだ?」

「してないしてない。ただ、ドライヤーの使い方聞こうと入っただけだよ」

「そうなんですね...すごい悲鳴が聞こえたので何か事件でも起こしたのかと...」


 少し冷静さを取り戻してきたので、疑問符を浮かべているサリアに言葉を返す。


「サリアごめん、急だったから恥ずかしくて」

「いいのいいの。カオリちゃん恥ずかしがり屋さんだもんね。でも、さっきのきゃーえっちって言いながらお風呂に沈んでいくの可愛すぎだよ!反則!」

「えーそれ見たかった」

「もう一回できますか...?」

「やらないよっ!」

「「えー」」


 シルフィアとリナは露骨に不満そうな声を出した。そんな態度取られたって自分はしませんよ!というか、何でこんなことになったんだっけ?たしか、サリアが入ってきた時に何か言ってたような?


「えっと、サリアは何の用だっけ?」

「あっ、そうそう。ドライヤーの事を聞こうとしてたの。可愛すぎて何を聞こうか飛んじゃった」


 おいおい、サリアさんしっかりしてくださいな。


「そのドライヤーはMSDになってて、持ち手に魔力を流したら使えるよ。流す量で温度調節できるからコツを掴むまでゆっくり流してあげるのがいいかも」

「わかった、そうしてみるね。カオリちゃんありがとう」


 ふう、こうしてみんなの用は済んだから落ち着いてお風呂に入れる。でも、みんなはまだ自分を見てる。流石にバスタオルを巻いているとはいえお風呂上がりの女子3人が目の前にいる状況で視線はどこに置けばいいんだ?天上のシミでも数える?

 というか、サリアたちはなんで自分を見ているんだ?自分はまだ湯船に深く潜って顔だけ出しているけど、この状況に何か不思議なことがあるのだろうか?


「みんなどうしたの?」

「普段からは見られない姿で可愛いなーって」

「これはこれでいいです...」

「しかも直視してない感じがまたいい!」

「「「むふふ」」」

「もー!そんなことならこっち見ないで!」

「「「ごゆっくり~にひひ」」」


 そう言うと、ニヤニヤしたサリアたちは再び脱衣場へと戻った。そんな姿を見て実はサリアたちの中身はおっさんなんじゃないかと思ってしまう。気のせいだと思いたいところだ。

 そういえば、この湯船...。サリアたちが入っていたんだよな...。3人の出汁が取れた湯船...。つまりは、3人が湯船に溶け込んで自分に密着してきていると言っても過言ではない!いや過言か!というか冷静になると、その発想からして自分も大概おっさんだな。でも実際出汁って取れるのかな?大体は塩分だよね?でも概念的には出汁は取れてることになるよな...。

 いやいや、それを考えると自爆するから...そうだ、サリアたちの寝巻きとして自分の寝巻きを貸している。サイズはかなり大きめだから合うと思うけど大丈夫かな?

 そんなふとしたことを考えて盛大に自爆しつつ、ゆっくりとお風呂を満喫した。ふぃー。

_______________

 体を拭いてパンツを履いて純白のワンピースを着る。そして、髪を乾かしたり肌ケアをする。それがいつもの流れだ。だけど、今日はワンピースがどこかで見た寝巻きに変わってるんだけど!白に近い薄いブルーの生地でできたフリフリMAXのネグリジェ!どこから見つけてきた!?って、下着用バスケットの上に置いたままだった!そりゃサリアたちならそうするよね!やられた!


「しょうがないにゃ...噛んだ...」


 渋々それを着て、髪を乾かしたり肌ケアをしたりする。バスタオルを巻いて自室に戻ったりすると両腕をホールドされて強制お着替えタイムが始まりそうな気がするからね...。そうなるよりも自分で着た方が精神的ダメージが少ないからしょうがなく着ているだけ!というか、着心地がいい上に見た目がいいのがずるいな!可愛さ抜群だ!


 妙な気分になりながら風呂上がりのケアを済ました後、キッチンへと向かい冷蔵庫から冷えた牛乳を取り出して一気に飲む。

 そして、リフレッシュした気分で自室へ戻ると、白いワンピースを着たサリアたちが自分のベッドの上で顔を突き詰めて何やら確かめ合っていた。さっき言ってた寝具の違いを確かめていたのかな?一応なにしてたのか聞いておくか。


「あの...どうしてみんな自分のベッドの上にいるんです?」


 そう言うと、サリアたちは肩をビクッとさせながらゆっくりと、自分の方へ視線を向けた。そうして、サリアたちは自分と目が合うと気が抜けた声を出した。


「「「a」」」

「いや違うの!これはその」

「そう!寝心地!寝心地を確かめたくて!」

「少しずつ違いますし...!違いを確認してたんです...!」

「怪しい...」


 ジト目を向けて観察すると、みんな汗かいてない?まずいと何かを誤魔化す表情が張り付いてるよ?もう一回お風呂入ってくる?それに、状況的にサリアたちが自分の寝巻きをすり替えたと言うのに、それに対する言葉がない。さては何かを隠しているな?


「さ、さぁ寝る準備しよー!」

「カオリちゃんも来たことですし...!」

「お泊まり会だー!」

「「「えいえいおー!」」」

「おー?」


 なんか流れに押し切られたけど、まあいいか。

 今日は色々あったし、サリアたちも急に巻き込まれて怖い思いをしているはずだ。だから少しテンションが変なのかもしれない。でも、この結界の中だと安全だ。それに、この試作寝具と言えど我ながらレベルが高いものだ。この夜はみんな安心してぐっすり眠れることだろう。美肌効果も期待しててよね!でも、自分はサリアたちと一緒だからドキドキして眠れないかも!

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