第七話 第一夜の終わり
「すいません。海麻紫多世さん?ちょっとお話を伺いたいのですが。」
海麻紫多世の部屋のドアを叩く。
部屋の中から「はい」と少し驚いたような声が聞こえ、ドアが恐る恐る開かれた。
「すいません、聞き忘れていたことがありまして。貴方、昨日の夜に庭で人影を見たと言いましたね。それはいつ頃のことか覚えていらっしゃいますか。」
「21時頃ですよ。丁度この部屋の窓から見えたんです。」
「21時....死亡推定時刻が18時から20時、その後に人影が見えたことになる」
金田一は情報整理のため小声で呟いた。
「金田一さん、私ね本当はあそこに誰がいたか知ってるんですよ。皆さんの前だから言えませんでしたけどね。」と小声で話し出した。
「あの男ですよ。あれは…」
海麻紫多世は話し出してすぐ喋るのをやめてしまった。
「出てってください!今すぐ!」
そう言って金田一を追い出すと勢いよくドアを閉めてしまった。
金田一は目を白黒させドアの前に数秒立っていた。
そこへ追いついた天塚は不思議そうな顔をした。
「はは、締め出されてしまいました…」
金田一は困り顔で苦笑していた。
その夜はもう何も得るものがあるとは思えなかった。2人はそれぞれの部屋へ向かった。
読んでいただきありがとうございます。
第一夜が終わりました。投稿主はたばこは飲むものだと最近知りました。
賢くなりましたね。さすが私。