第三話 死亡時刻が分かりますよ
「兄が集めたんですよ。久々に顔が見たいと言われましたがね、あれはね僕は嘘だと思ってますよ。弁護士先生が兄の部屋を出て行くところを見たんでね。相続の話でもしてたんでしょう。」
呆れたように緋河 萌路が話した。
「あれはそんなんじゃありませんよ。呼び出されて行ったんですが結局部屋には誰もいなかったのですぐに出ていったんですよ。」
弁護士の鞭吾 真圭琉は慌てて否定した。
「誰もいなかった??それはいつ頃の話かね?」
「えーと…20時丁度に呼び出されたんです。」
「20時か…しかし、死亡推定時刻は18時〜20時の約2時間。君が来る前に殺されていたとしたら犯行場所が他にあると言うことか。」
「移動させたにしては衣服が乱れていませんね。」
金田一が考え込みながら呟いた。
「ということは犯人が遺体をここまで運び、ご丁寧に服まで変えたとそういうわけか…しかしなぜそんな面倒をしたのか。」
老刑事が頭を悩ませて唸っている。
「アリバイ工作でしょうか…」
若い刑事もよく分からないという顔をしている。
「小柄とはいえ大人を運んでいるということは犯人は男でしょうか?」
若い刑事がお伺いを立てる。
「さあ、特別な意味があるとは思えんがね。しかし海麻 紫多世の証言では背はそんなに高くなかったと言っていたが、犯人とは別人の可能性が出てきたな…で、他の方々はその時間何をされていたのかね?」
刑事は1人1人に聞き込みを始めた。
読んでいただきありがとうございます。
はいまたまたおなじみですね。登場人物漏れしてました。しかも結構重要っぽい役。
鞭吾 真圭琉
弁護士です。多分気弱だと思いますが、こんな濃い人たちに負けず頑張ってくれることでしょう。