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手紙おやすみ~東京地下未来編~

作者: すみいちろ

夜半

未明…





首都

東京メトロまで



たどり着けなかったが…



なんとか



生きている…






死んでなくて


よかったよ…






やっと


君を


見つけたんだ…









同い年だって…?



未来の


君の年齢が


いくつかなんて


想像できない…






まあ…


生きててくれて


よかったよ…







東京の地下都市は


多人種が


居住権を求め


ひしめき合っている


おまけに


最近では


人工生命体が


コロニーを形成しはじめている…






日々は


忙しく


体の調子も悪い…







けれど…


なんていえば


いいのか…


分からないけど…


それは…


君にとって…





ごめん…







2090年…



誰しもが


体の中に


「コア」をもつ時代…



それは


人工物と


生命をつなぐ


部品のようなもの…


解釈を


ひろげれば


人は


誰しもが


人工生命体…


ともいえる…






「コア」の


さらに


奥深くにある…


『心』


は…


影響をうけやすい…





新たに人類が獲得した体は


不具合を生じさせやすい…





君は…


壊れやすい…





君の体と『心』は…


傷つきすぎて


機械化が


進んでいる…





それにより


君の体と


『心』


を維持するには…


薬物の投与が


欠かせない…



人の手による


人工的支援が


絶え間なく


必要なのだ…



人の手なくして


もはや


君は


生きていられない…



あの時以来…


君は


感情をなくした…



『心』



をなくした…





地上の争いで


君を維持するために


必要な


薬を


届けられなかった…





君は


機械になった…




生きてはいるが…




答えない…




君は


生命を


維持し続けるための


機械…



それは


本当に


君の


命なのか…?




君は


どこに…?





そんな風に…


この地下世界では


動かなくなったものたちが


数多く横たわり


放置されている…





今日も薬


届けにきたよ…




動かなくなった君に


話しかける…



いつものように


薬を入れる…




君の声…


きけて


よかったよ…



思い出の中で


目の前の


君に


話しかける…




答えない君は…


まだ体温を


残していた…





今でも


確かな


その


ぬくもりを


置いていくことは


できなかった…




君は


人工生命体…


壊れる前の


君そのもの…





だから…



一緒に帰ろう…



はやく…


君を


休ませたい…



きれいに


体をふいて


僕の布団に


寝かせてあげたい…





未来へと続く…


これからも…




今日は


一緒に


寝よう…


おやすみ…



僕も


一緒に


眠るね…



おやすみ…


おやすみ…




今日も


君に


話しかける…



君は


答えてくれないけど


ぬくもりで


答えてくれる


たぶん


君は


僕よりも


たくさん


話しかけてくれているのだろう…


その


ぬくもりで…







































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― 新着の感想 ―
[良い点] 近未来SFテイストが良かったです。
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