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クズと死神と女神のモノガタリ。  作者: オロチ丸W0632A
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第7話:黒菱自動車編6:5,000万没収

 「さて、阿久井(あくい)から(かね)(うば)ってきますか!水鳥(みどり)、俺が留守している間、“家”を頼むぞ!」

 「ええ、留守は任せてください。今日の夜は、何にしましょうか?」

 「そうだな……。チャーハンを頼む。じゃぁ、行って来るわ」

 「行ってらっしゃ〜い」

 

 そして、“死神”は出陣した。

 

 

 

 俺は、ビル街を飛び回り、黒菱自動車本社を目指す。

 夜のネオンが、(むな)しい(かがや)きを(はな)っていた。

 「今の時間、阿久井(ヤツ)は副部長室にいるはずだ。ククッ、後、3分程度で着く。それまで、せいぜい、残り(わず)かな平穏を楽しむんだな」

 俺の独り言を聞くものは、何も無かった。

 

 

 

 「うう、何故だか悪寒がするな。風邪でも引いたか?早く仕事を済ませて、今日は早めに寝るとするか」

 俺は、仕事を再開した。

 それにしても、今日はいつもよりも仕事が多いのは、何故だ?

 

 ふと、何気なく俺は、今いる部屋を見渡した。

 「この部屋とも、もうすぐお別れだな」

 そして、思わず笑みが出る。

 「とうとう、俺も部長かぁ。ククク、これでもっと遊べるぞ」

 行きつけのキャバクラの中で、一番のお気に入りの()を思い出すと、顔がにやけてくる。

 しかし、ここが会社だという事を思い出し、慌てて顔を引き締める。

 幸い、“誰もいなかった”ので、ホッとする。

 

 しかし、次の瞬間(しゅんかん)、異変に気付く。

 「なんで、秘書の松田君までいなくなっているんだ?」

 その質問に答えたのは、見知らぬ声。

 まるで、機械で合成したかのような、声だった。

 「俺ガ、外ニ呼ンダノサ。オ前ト2人ッキリニナリタカッタカラナ」

 背筋に、いや全身に、鳥肌が立った。

 「だ、誰だ!」

 と、怒鳴(どな)りながら声のする方を向く。

 「……ロボット?」

 それが、俺の抱いた印象だった。

 

 

 

 「……ロボット?」

 ヤツの(つぶや)きに対し、俺はこう答える。

 「イイヤ、俺ハレッキトシタ人間サ。声ハ変エテアルシ、特殊ナ服ヲ着テイルケドナ」

 「何のようだ?」

 そう問いながら、机の下に手をやる。

 恐らく、警備の者を呼ぶつもりなのだろう。

 「無駄ダヨ、警備室ノ人間ニハ、眠ッテモラッテイル。素直ニ、俺ノ言ウ事ヲ聞イタホウガ良イゾ?死ニタク無ケレバナ」

 そう言いながら、右腕から出したワイヤーでヤツを縛り上げる。

 「な、何者だ!」

 真っ青な顔をするヤツに、俺は告げる。

 「俺ハ、“死神”ダ。オ前ノ命ヲ(ウバ)イニ来タ。タダシ、オ前ガ助カル方法ガ、タッタ一ツダケアル。聞キタイカ?」

 

 当然ながら、聞きたいと言ったヤツに、俺は条件を突きつける。

 仮に飲んだとしても、殺される事に代わりの無い、空しい条件を。

 それでも、ヤツは飲むしかない。有りもしない可能性にかけて。

 「5,000万ダ。5,000万ノ金ヲ出セバ、命ダケハ助ケテヤロウ」

 「そ、そんな大金、有る訳が……!」

 俺は、止めを刺す。

 「5,000万出サナイノデアレバ、死ンデモラウシカナイナ。……楽ニ死ネルトハ、思ウナヨ?」

 そう言いながら、今度は左腕から出したワイヤーで、ヤツの(のど)(つつ)く。

 「わ、分かった!5,000万出す!だから今日は一旦帰ってくれ!」

 「ソウ言ッテオイテ、後デココノ警備ヲ(キビ)シクスルツモリナンダロウ?ソノ手ニハ乗ラナイヨ」

 「じゃあ、どうしろって言うんだ!」

 「ククク、俺ノ言ウ通リニスルンダナ」

 脂汗まみれのヤツは、分かった、と小さく呟いた。

企画の投稿期限に、間に合うのだろうか(滝汗)

ギリギリまで頑張ります!

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