質問タイム
「じゃあ、まずは瀬川さん」
と先生が指命したのは瀬川凛さん。
黒髪を腰まで伸ばし、透き通る白い肌、見通されているような澄んだ黒目。
そう、例えるなら日本人形のような子だ。見たことないけど。
そして、先生が質問の前に一言自己紹介してからといっていたけど私、もう全員分おぼえたけどな。
「うちは瀬川凛。なんで、この学校に来ようと思ったん?」
こ、これが関西弁ってやつなのかな? 標準語で話そうとして逆におかしくなってる感じ。笑いをこらえながらも答える。
「義母様の母校だから」
へー。そうなんだ。などと少しざわざわする。
「次は、春山さん」
春山 茜さん。淡い水色の髪に同じ色の瞳。ショートカットで運動してる感じ。珍しいことにブラザーの制服を着ている。
「私は春山茜。よろしくね。で、能力にもう覚醒めたの? 」
めざめた? どういうこと? 異能力にってこと? 異能力は魔法の事を言っているのだからめざめるもなにも。
うーん。なんて答えるべきか。
私が悩んでいると
「成瀬さんはこれ、といった能力はないけどそのうち皆を抜かすよ」
先生がフォローしてくれたのでまあ、よしとしよう。
「他に質問のある人いるかしら? 」
先生の言葉に皆考える。
「はーい、じゃあ俺」
手をあげたのは春山葵君。茜さんと双子でお兄さんだ。茜さんと同じ淡い水色の髪と同じ色の瞳。
私にも双子の姉がいるけど私たちは似てない。お母さんとお父さんの特徴を足して2で割ったような感じでどちらかに偏っているわけではないけど似てない双子。
髪は私はお父さん似。お姉ちゃんがお母さん似。瞳は私がお母さん似。お姉ちゃんはお父さん似。顔は二人とも美形なので私たちはどっちに似ても可愛い。
勿論お母さんとお父さんは私を生んでくれた方だよ。そんなこと考えていたら先生が話しを進めていた。この間コンマ5秒。
「どうぞ春山君」
「えー。俺は春山葵。茜の双子の兄だ。女っぽい名前だけど男だから。質問は兄弟いる? 」
「いるよ! 双子の姉が」
葵君はそうなんだ。って顔をしているけど。茜さんはなんだか仲間を見つけた! みたいな顔をしている。……嫌な予感。
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
この鐘の音はSHR終了の合図かな。
「ああ、一限目が始まってしまいますね。成瀬さんの席は窓際のいちばん後ろ。加賀屋君の左側ですね。それでは」
そう言って去っていった。私は席に着く。隣の加賀屋 千君に挨拶をする。加賀屋君は茶髪に黄色い目で、格好いいよりネコのようで可愛い。
「よろしくね、加賀屋君」
「あ、うん、よろしく。成瀬さん」
教室は縦6列横4列に机が並んでおり、スペースは広いのに机と机の幅は狭い。
クラスの信頼度を高めるためらしい。
因みに、私の前は赤澤晴菜さん。金髪(ストレートヘアだ)に青い瞳。イギリス人とのクォーターらしい。
不真面目そうにみえるが、これが物凄く真面目。
クラス委員長をしているし、ゴミが落ちていれば迷わず拾い、困っている人がいたら放っとかない。でも、気さくで男女ともにモテている。
完璧な感じでとても頼りになるが、簡単に崩れてしまいそうな儚い感じもして、私は頼るきにならない。
でもこう感じてるのは私だけみたい。
一限目が始まった。 数学だった。 ゴールデンウィークの間に予習をしていたから問題はなかった。その後もつつがなく授業が進み、昼休みになった。
食堂に行きかつカレーライスを食べる。かつが硬い。カレーライスはスパイスが効いて美味しいけどかつがなー。でも、凄く美味しい。
「お隣失礼しまーす」
そんなことを考えていたら隣のクラスの有岡ひよちゃんがやって来た。
「いいよ」
薄い紫色の髪をみつあみにしておさげにしている。空のような青い瞳で、キラキラしている。
新聞部に所属しており、寮の部屋が、私のとなりで、私と同じで二人部屋に一人で住んでいる。本人曰く、無限の好奇心の塊のような部屋なので誰にも見せたくないそうだ。
趣味が花を愛でることと世話で、私のお姉ちゃんのようだったのでつい、試験を受けた日に花壇で世話をしているところに声をかけてしまったのだ。それ以来仲良くしている。
私の始めての友達だ。と、私は思っているのだが。ひよちゃんはどう思ってるのかな。
同級生にも、丁寧語で話しているけど、これは私の秘密を知りたければ対価を払えという意らしい。
中二病か!
そんなひよちゃんは情報屋をしている。
目指すは小はテストの結果から、大は校長先生の弱みを握れるような情報屋に。らしい。凄いのかどうなのかよく分からない。
前に読んだ漫画と、とある人の影響だそうです。髪型が同じで名前が似ている凄い情報屋の方に憧れているそうです。
そんなひよちゃんのおかげで私はクラスの子の事を色々と知っているのだった。
あ、そう言えば義母さんの考えていた設定スルーしていたや。まあ、いっか。