定期テスト~二日目~
さて、遂にやって来た定期テスト二日目。今日は実技。
朝から共に戦うチームの仲間が発表された。
「深山里依紗ちゃんと野崎奈乃玻ちゃんとゼンくんとあおやんか……」
りーさちゃん(本人の希望でこう呼んでます)なの(こちらも本人の希望でこう呼んでます)も言っちゃ悪いけど、いつも一人でいるタイプ。
ぼっちと言ったらかなり失礼。個性的過ぎて周りが追い付けないだけだから。
「よろしくぅ。エナぁ」
「よろしく」
妙に間延びした話し方はりーさちゃん。天然パーマがかかった長い髪が素敵。所謂ギャルみたいな感じ? ギャルなんてまともに知らないけどね。
「ふっ! 我が漆黒の力を見せるときが来たようだな!」
「……よろしくね」
よくわからない喋り方をしているのが、なの。明るい茶髪の前髪を垂らしてるけど、前見えてるのかな。
「って言うかぁ。ゼンっちとあおいが揃ってる時点で勝ち確じゃね?」
「私もいるが」
「ナノナノ弱いじゃん? ぶっちゃけ」
「……うぐっ。我が秘められし真の力を今こそ見せるときが」
「頭良いわけじゃないしぃ。りーさよりはいいけどさぁ。トロいしぃ。」
「うぐぐぐぐ……!」
なのとりーさちゃんは仲良し。ちょっと会話に入っていけない。困る。
「りーさだって、頭のネジが星の数程とんでおろう」
「もうそれ、頭の中にネジないよね」
ようやく突っ込めた。女子でボッチになんのは嫌だ。ゼン達の方にいるのは気まずいというか何というか。というか、こんなときこそ友達を増やしたい。
「まじまんじって感じぃ」
まんじ? まんじってなんだ。どういう意味?
「まんじ……それは闇の波動を感じるな……」
うーん。理解不能。闇の波動って何? 痛そう。多分魔法の名前っぽい。
「ナノナノぉ。まんじに意味なんてないしぃ。知らなかったのぉ? ねえエナぁ?」
「知っとるわぼけ! な! エナ」
もうやだ。ついてけないよこのテンション。私に話を振らないで!
「知らないよ! ていうか、テスト始まるよ……」
教室に備え付けのテレビを指す。一戦目が始まっていた。男子二人はそっちに釘付け。
面識のない子達の戦い。両方頑張れ!
「……ホントだしぃ。人の戦い見るとかまじエモいんですけどぉ」
「右手が疼いてくるな。くっ。鎮まれ我が炎!」
「もうワケわかんないんだけど!」
……こうして始まった定期テスト二日目。
先が思いやられるよ。ほんと。
「私達の戦いはこれから……だよ!」
未完ではありますが、打ちきり完結とさせていただきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。




