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異世界(地球)の中学校に通うことになりました!  作者: 雨森 海音
一年生、5月
48/75

説明よりも早く

 皆に説明するのかぁ。面倒だなぁ。皆どこまで知ってるんだっけ。わからないや。まあ、とりあえず……。


「先にご飯にしない……?」


 私お腹を押さえて、お腹が空いているアピールをする。


「そうね。お腹が空いたわ。……良い臭いね」


「きつねうどん定食がお勧めだよ」


「茜……」


 オススメのメニューを言う茜ちゃんに晴菜ちゃんが呆れている。どうしてだろう。気になるけど、いいや。


「……?」


 どうかしたのかな。お姉ちゃん。私を見つめて考え込んでいる。


「どうかした? お姉ちゃん」


「ううん。別に……。あ、そうだ、エナ。エナのオススメのメニューは何?」


「私? 私はね、カツカレー定食かなぁ」


「えなちは何だかんだでカツカレー定食ばかりですからね」


 だって、美味しいんだもん! それに、調理士さんが栄養を考えて定食を作っているはずだから、栄養バランスだっていいと思うよ?


「かつかれー?」


「カツがカレーの上に乗っている料理です」


「カレーは辛くて美味しいよ」


 お姉ちゃんは理解するのを諦めたようです。私は詳しく説明するよりも、一口食べてみてほしい。そうすればわかるから。えっと、百聞は一見にしかずだっけ? そんなことばもあるぐらいだし、長々と説明するよりも食べた方が早い!


「私は昨日もカレーだったので、きつねうどんにしますね」


「僕は、たぬきうどんにするよ」


「じゃあ、僕は塩ラーメンかな」


 カズマくんだけ話の流れをスルー。なぜラーメン。


「伊勢うどん……?」


 ふと、私は食堂のメニューの書かれた札達の中にそんな名前を見つけた。


「あれ、そんなメニューあったんだ」


「私も知らなかったよ……ひよさんは?」


 晴菜ちゃんと茜ちゃんがそう言う。


「私も知りませんでした。えーたんは?」


「知らなかったのよ。ゼンは?」


「僕も……でも、伊勢うどんって言うからにはうどんなんだろうね」


「そうだと思うよ……あ」


 ゼン君が言った言葉に頷く。そこで、私は大事なことに気がついてしまった。


「品切中だって」


 次のときに皆で頼もうと決めた。今回はきつねうどん。油揚げが甘くて、タレがよく染み込んでいる。麺はこしがあって、食べごたえがある。ちゅるちゅるとは太さ的にいかないけど、箸が止まらなかった。


 皆、無言で食べ続ける。ちょっとホラー。タレを飲む。このちょっぴりしょっぱい感じが良い。

 一気に全て飲めるわけではないから、二三回に分けて飲む――そして、飲み干す。


「ご馳走さまでした」


 一番最初に食べ終えた茜ちゃんに引き続き、皆食べ終わる。


「たまにはきつねうどんもいいわね」


「そうでしょ~」


 茜ちゃんはとても誇らしげだ。茜ちゃんのきつねうどんへの愛情がわかる。私のカツカレーへの思いに当てはめればわからないこともない。


 食器を所定の場所に帰す。そして、席について、また話始める。あれ? なんの話してたっけな。

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