妹同盟VS冬実先輩!(3)
「ごめんなさい。冬実先輩。私の勝ちです」
私がそう言うと、冬実先輩はため息を吐いた。
「そう言えば、これはフラッグ戦だったな。それさえ忘れなければ……いや、どっちにしろ私の負けか」
そう言う冬実先輩に少しの満足感を持ちながらフラッグのボタンを押す。ピーッと音が鳴る。
「勝者、一年生二組赤澤、春山、成瀬」
先生がそう言うと外から歓声が聞こえる。そして、私は一年生二組のいるところに戻る。
「成瀬さん!」
「恵那ちゃん!」
晴菜ちゃんと茜ちゃんが私に抱きついてくる。私もしっかりと受け止める。
「最後の何よ~!」
「あんなんあるんだったら最初から出しなさい!」
おかしい。怒られた。そこは褒めて欲しいなぁ。頑張ったんだからね。
「切り札って奴だよ。それに、結構最初から全力だったよ?」
全力でフラッグに向けて走ってました。結局意味は無かったけどね。
「本当に?」
「嘘ついてないよね?」
「本当だってば!」
嘘つく意味も無いからね。いい加減信じてよ。そんな事考えてたら茜ちゃんと晴菜ちゃんが向き合って、何かを話している。
「茜! 私達もまだまだみたいね」
「そうだよ、晴菜」
「今日から特訓ね!」
「頑張るよ!」
何とも微笑ましい光景ですね。私の語尾がおかしくなる程。ま、頑張ってね。
その後は二組の凛ちゃん、優子ちゃん、凪ちゃんのトリオだったけど、残念ながら負けてしまった。
その次は、氷夏理ちゃん、エイリちゃん、一組の子。善戦して、二つまで破壊したけど、残念ながらこちらも負けてしまった。
いや、なんかさ、三年生のやる気が半端ないね。もう怖いよ。え、今年は一年生がやけに強いから? いや、私は普通だって。
そんなこんなで、三年生との模擬線は幕を閉じたのだった。




