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異世界(地球)の中学校に通うことになりました!  作者: 雨森 海音
一年生、5月
43/75

妹同盟VS冬実先輩!(2)

「晴菜ちゃん! 後ろっ!」


「えっ、ひやぁっ」


 パリン。そんな音と共に砕けた晴菜ちゃんのストーン。今、後ろから水球が飛んできた。私の方にも飛んできていて、それの対処に少し手間取り、晴菜ちゃんのフォローは出来なかった。


「ゴメン」


 最後に泣きそうな顔でそう言い、離脱する晴菜ちゃん。ここまで頑張った二人に敬意を払い、私は正面から冬実先輩を倒すことにした。


「冬実先輩! 覚悟!」


走る。走る。走る。真っ直ぐ、ひたすら真っ直ぐに。冬実先輩に向かって。


「行け」


 冬実先輩は私に向かって水球を放つ。私はそれに向かってこう言う。


水球ウォーターボール


 簡単に言えば、冬実先輩の技をそっくりそのまま返しただけ。力比べに勝った私の水球は冬実先輩向かって飛んでいく。


「くっ、守れ!」


 冬実先輩はそれすらも防ぐ。ちょっと意外。私の予想なら、ここで一つストーンを壊す予定だった。私は冬実先輩の評価を一つ上げる。


「ならっ、火炎! 流星弾シューティングスター・ショット


 同じ属性同士より、他の属性の方が……極端な話、相性の悪い属性でも……攻撃が良く通る。魔法の操作が楽とも言う。例えるなら、人混みの中に好奇心旺盛で反抗期まっただ中の保育園児を20人連れていったとする。勿論、自分一人での引率だ。そのとき、人混みを越えたときに、一人も迷子にならずにいれるかと言えば無理だろう。だが、周りに他の人間がおらず、猫だけなら。人混みならぬ猫混みならば。迷子になっても見つけ出せる。そんな感じ。


 私の放った流星弾は冬実先輩の水球より二回り大きい。炎の筋が流星に見えるから流星弾。でも、実はこの技にはもう一つ仕掛けがある。


「分離! 流星群」


「な、守れ! 水壁!」


 二つに別れた流星弾はまた二つに別れ、それがまた二つに別れる。そして、それらは私の思いに沿って大きくなる。なんだっけ、細胞分裂に似てるような気がする。

 冬実先輩は先程防いだように私の技を防ごうとした。だけど、そんなの予想通り。


「破裂! でもって、もういっちょ! 火球ファイアーボール


 ごめんなさい。嘘つきました。仕掛けは一つじゃなくて二つでした。私の流星弾達は、冬実先輩の出した壁にぶつかる前に爆発した。それによって、壁を壊すと共に、余波でストーンが壊れればいいな。なんて思ってたけど、それだけじゃ、無理だから、だめ押しに火球を投げ入れてみた。そしたら、残りの二つとも……まではいかなくて、一つで、残り一つ。


 そして、ずっと走り続けていた私はとうとう辿り着いてしまった。そう、フラッグの元まで。対して、冬実先輩は私からも、私のフラッグからも遠く離れている。


「ごめんなさい。冬実先輩。私の勝ちです」

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