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異世界(地球)の中学校に通うことになりました!  作者: 雨森 海音
一年生、5月
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妹同盟VS冬実先輩!(1)

 私達妹同盟は冬実先輩と戦うことになったわけだけど……。

晴菜ちゃんは炎を操り、茜ちゃんも炎を操る。似た妹だね。 私は色々出来るって言ったら驚かれた。


あ、そうだ良いこと思い付いた。


『エウラ!』


『なーにー? ねー、せめて僕を召喚してよー』


 エウラの言うとおり私は召喚せず心の中で話し掛けている。まあ、ぶっちゃけ、エウラを召喚するのは始まってからかな。だから、準備してもらうために先に話をしている。


『なるほどね~わかったよ~適当なタイミングででるよ~』


『ありがとう』


 エウラに話をつけたところで妹同盟の二人に言う。


「私は今回風をメインに使うつもり」


「わかったよ」


「了解よ!」


 晴菜ちゃん、茜ちゃん二人とも了承してくれる。風がどんなのか聞かなくて良かったのかな……。

ま、いっか。


 ところで、さっきの炎騒ぎを見るに、冬実先輩は水か氷。あれほどの使い手だ、きっと防御も出来るのだろう。


 私達の世界では、水属性はある意味最強だった。回復も出来て、攻撃も出来て、防御も出来る。器用貧乏とも言うけどね。


 で、対して私達は炎と風なわけだけど……。相性はよくも悪くもない。 それに対して、炎と水や氷の相性は抜群。お互いに相殺しあう。だから、単純に力比べ。私の見立てだと、二人でも足りないかな。

 私? 勝てるよ? まあ、自重しなきゃね。それはともかく。風は目に見えない。だから、クリスタルを破壊しちゃおうと言うわけだ。


「始めっ!」


 開始の合図とともに私達と冬実先輩が唱える。


幸多き青蒼フォーチュネイト・ブルー


深紅の将軍クリムゾン・ジェネラル


緋色の流星スカーレット・スター


転生する探求者トランスマイグレーション・シーカー


 冬実先輩の頭上に水の球が9つ。晴菜ちゃんの前に火を纏った人が、そして、茜ちゃんから赤 いオーラーが出る。私はいつも通り本が出てくる。


「やっちゃえ!」


「行っくよー!」


「かかってこい!」


 晴菜ちゃんが火を纏った人に指示を出す。具体的な指示は無かったようだけど、くねくねと動きながら冬実先輩に向かって走り出す。

 茜ちゃんは赤いオーラを纏ったまま、真っ直ぐに突き進む。丁度、晴菜ちゃんの作った人と連携するように。


 なるほど。茜ちゃんが真っ直ぐ進んで、晴菜ちゃんの……長いから炎の人が撹乱する。悪くないと思うけど、一歩足りてない。


「じゃあ、まず一つ貰うぞ」


 そう言った冬実先輩が狙うのは晴菜ちゃんのストーン。晴菜ちゃんは避けるけど、そのせいで、炎の人の動きが悪くなる。その隙を突かれ、茜ちゃんのストーンが割れる。なるほど。晴菜ちゃん狙いと見せかけて茜ちゃん狙いだったのか……。冬実先輩に簡単にあしらわれ二人は苦戦している。


 さて、私が今何をしているか疑問に思っている方がいるのではないだろうか。よーく、思い出してほしい。これはフラッグ戦。人数の多いこちらはわざわざ戦わずとも、一部に戦わせて、一人がフラッグを狙うことも簡単なのだ。まあ、一年生にそれほどの力があればね。

 つまり、私は冬実先輩のフラッグの傍に立っているわけだけど。冬実先輩ー。それで大丈夫なの?

 まあ、あの二人は正面から打ち破りたいみたいだし、私も協力しようかな。


「そうだねー。こんなのはどうかな……精霊召喚。出でよエウラ!」


「ヤッホー」


 冬実先輩が私の声に反応する。そして、牽制のように私に水の球を放つ。


風壁ウィンドウォール


 エウラがそう言うと見えない壁にぶつかったように、水球が破裂した。


「なっ……」


「今だー!」


「今よー!」


 水球が破裂した事に驚き、固まった冬実先輩のストーンを私達は狙う。残念ながら、一つしか壊せなかった。思ったよりも冬実先輩の立ち直りが早くて、逆に茜ちゃんのストーンと晴菜ちゃんのストーンが二つずつ壊れた。つまり、茜ちゃんは戦線離脱。私と晴菜ちゃんだけ。私は三つあるけど、晴菜ちゃんは一つしかない。対して先輩は二つ。流石先輩!


 さて、どうしようかな?


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