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異世界(地球)の中学校に通うことになりました!  作者: 雨森 海音
一年生、5月
38/75

鬼ごっこ~そして日常へ~

私は、四時頃にひよちゃん達が来ることを知った。理由は……乙女の秘密です。私の情報力を舐めないでね。


「あ、私の専売特許が……」


まあ、ひよちゃんには負けますよ?流石にね。 だから、落ち込まないでっ!


「あはは、まあ、ドンマイ。それより、そのあとの話を聞かせてくれない? 」


……あれ? 何でだろう。冷や汗がたれる。ほんと、何でだろうね……?


「あ、うん。待ってね」


そう、私は、私は……どうしたんだっけ? あれ? というか、そもそもどこまで話したんだっけ。おかしい、おかしいよ。いくら最近忘れることが多くなったとは言え、こんなのおかしいよ。


「エナちゃん? 」


「どうしたのかしら」


ゼン君と永山さんが聴いてくるけど私は考え込んでいた。

何でだろう。どうして思い出せないのだろう……と。


「君らが知るのはそこまでで良いんだよ。勿論、エナちゃんもね。まだ朝は早い。もう少し眠ってな」


私達の耳に残ったのは少し冷たい声だった。そう、謎仮面Xの声だった。


そして、意識は暗転する。こんな時にどうかと思ったけど、最近こんなこと多いなぁ。って、思ってしまう私は冷静だったのかはたまた現実逃避だったのか。それは永遠にわからないのである。



☆―☆―☆



「えなちー! 朝だよ! 」


「朝かしら、起きるのよ!」


遠くから声がする。でも、物理的にはそこまで離れてはいないと思う。多分。


「起きろ! えなち! 」


ひよちゃんの張り手がとんできて目が覚めた。そして、一言。


「なんで部屋に……」


私の一言に二人は目を合わせて言う。


「起きないから? 」


「お寝坊さんは早めに起こすのよ」


外は明るく、時計を見れば六時で、まだ余裕で間に合う。


「早くない? 」


「誰だったかな~。この前朝ご飯食べ損ねてたの」


ぐはっ。それを言われるとぐうの音もでないよ。

ひよちゃんと永山さん……あ、エイリちゃんはドアのところで待っててくれる。でも、着替えるからそこを閉めて欲しいよ。


「ひーちゃん、閉めた方が良いと思うのよ」


「あ、ゴメン」


私が言う前にエイリちゃんが気付いてくれた。なので、私は着替える。


「そう言えば、今日は午後から異能について授業があるんだよね」


「そうなのよ」


「そう、だっけ? 」


ひよちゃんはクラスが違うから、もしかして伝達ミスがあったのかもしれない。


「そうそう、一年生と三年生の合同授業だって」


「ふーん」


そんなことを話している間に着替え終わる。後は髪を結ぶだけ。


「えーなち! 私が結んであげましょうぞ」


「なにそれ」


ひよちゃんの言い方が面白くてつい笑ってしまう。エイリちゃんも笑いを堪えてる。


「いいから座るの! 」


ひよちゃんに引っ張られ、鏡の前に座る。ひよちゃんは鼻唄を歌いながら私の髪を解いていく。


「これでどうだ! 」


「おおー、なのよ」


なんと言うことでしょう。今日の私はお下げです。ひよちゃんとお揃いですよ。ビックリして、変な口調になっちゃった。


「わ、私もして欲しいこともなかったりしなかったり……」


エイリちゃん、なに言ってるのかわかんないよ。


「はいはい。じゃ、えなち、代わってくれる? 」


「勿論! 」


私にしていた時と同じようにエイリちゃんの髪を結んでいく。器用だなぁ。


「さ、出来たことだし、食堂へ参りますか! 」


「うん! 」


「イエスマムなのよ! 」


……時々エイリちゃんの言うことがよくわからないことがあるよね。日本語って難しい!

補足すると

「幻想世界」という魔法の効果で現実との時間差ができてました。

あちらでは五時間たとうと、こちらでは五分しか経ってない……いや、五分かどうかはわかりませんけどね。


エイリちゃんの言うことがわからないとは、エナはまだまだ勉強しなくちゃね。

一応、イエスマムだけならわかってますよ。変な語尾がついてるからわかってないだけで。

結論は日本語って難しい!

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