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異世界(地球)の中学校に通うことになりました!  作者: 雨森 海音
一年生、5月
37/75

鬼ごっこ~裏話2~

なるほど。事故だったのね。それにしても、何がどうしてそうなったのかな? よほど強く何かを願ったのかな。


「今でも、どうして能力に目覚めたのかは不明さ」


うん。私にもわかりませんよ? その場にいたのならともかくね。


「能力に目覚め、三人が倒れたから、永山さんは急いで周りの大人に頼った。そして、彼等は回復した。けれど、謎の症状で倒れたことは、周りを不安にさせた。そこからは地獄のようだったそうだよ」


人間、不安を感じれば、どこかにぶちまけて少しでも発散するしかないからね。


「人間の性とは言え、子供に……」


「周りと言っても大人だけで、子供はそうではなかったよ。友達だったからだろうね」


子供は純粋な分、悪いことでも簡単に信じてしまうからね。大人が不安になっても仲間のことだったから、不安よりも心配が勝ったのかも知れないね。


「そして、周りの大人……特にネットがうるさくなってきたので、三人にも白羽の矢が立った。取材とかね」


良い感じの記事が出来そうだからね。人の不幸は蜜の味って、ことだもんね。


「マスコミの追求が激しくなったときに、彼女達に起こったことに心当たりのあった、ここの校長先生と他有志が集まって、彼等の記憶を消した……。いや、正確に言えば、消えたという方が良いのだろうね。そのつもりだったとは言え、予期してなかったことだからね」


どういうこと? もしかして、事故で消えてしまった。ってこと?


「さあね? 彼等の話がもう少し詳しく聞けて、詳しそうな君の知識があれば、少しは解決するかもね」


謎仮面Xは肩を竦めて言う。それが狙いなのね。ふむ。なら、私の魔法で、彼等の思い出を読みと……いや、それはやめとこう。


「事件の起こった公園の資料……ううん。そこに案内して」


「いいけど。理由を聞いても良い? 」


私は頷いて、軽く説明する。


彼等に完璧に思い出して貰うこと。そのために、前情報なしで、あの公園に来て貰うこと。


今現在、エイリさんは三人のことを思い出している。ひよちゃんもエイリさんを思い出してはいるみたいだけど……全員に完璧に思い出して貰うつもりだから、二人とは他のアプローチをしよう。エイリさんは下手を打つと精神を壊してしまうから、三人を優先すること。


「なんだか、試練みたいだね」


なんとなく、そう思っただけ。だけど、彼の琴線に触れたらしい。


「そうだね。じゃあさ、記憶の試練メモリーズトライアルという作戦名なんてどうかな? 」

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