鬼ごっこ~裏話~
今から時間は遡り、昨日の放課後のこと。
私は、謎の仮面を被った人に話しかけられた。凄く怪しかったけど、よく考えたら、もとの世界では案外こう言うのいたよね。とか思い、気にしないことにした。そういえば、数世代前の賢者も謎な仮面を被っていたからね。
「はじめまして。エナさん。僕のことは謎仮面Xとでも呼んでね」
「ふーん。何の用? 」
優雅に礼をするけど、そちら方面は興味ないのだよね……。
「君の友達のことについてさ」
私の友達? ひよちゃんかな? それとも……。
「永山エイリさん関係で彼等は一度変わったんだ」
私は何も言ってないのに喋りだす。どれだけ聞いてほしかったのかな。あれだよね。聞いてもないことをベラベラ喋る、秘密を守れないタイプなんだろうね。
「そう、彼等は小さな頃から家も近く、保育園も同じだったこともあって、一緒にいることが多かったんだ」
こちらでは、そのような関係を幼馴染みと呼ぶらしいね。まあ、私達の方でもその言葉は使うけれど、死亡率が高いし、一ヶ所で定住なんてする人も少し前まではいない、と言っても過言ではなかったからね。だから、あまり長い関係って少ないんだ。
「その日も、彼等はいつものように公園へ行ったのさ。しかし、そこで事件が起きた」
事件ね。勿体ぶらずに早く教えなさい。その腕を組む態度が腹立つよ。
「わかったよ。だから、蹴らないで。悲劇の発端は永山さんの能力の暴走さ」
ん? なんだかおかしくない?
「ねえ、それって、いつのこと? 」
「一昨年の夏かな」
この世界では、魔法……能力はそこまでメジャーではないはず。ここが特殊なだけで、能力を使える人は殆どいないはず。一昨年なら、小学校だろう。まだ、力が使えるはずがない。
「最初は何が起こったのか全くわからなかったよ。いきなり永山さんを除く三人が倒れたのだから」




