きっと言えるよ
翌日。何故か朝早くに目が覚めた。具体的に言うなら、4時半だ。なんとなく着替える。食堂が開くのは六時からなので、まだまだ時間はある。さて、どうしようか。
不意に、部屋のドアの前に誰かが立った気がする。数は二人。多分。私はそっとドアに近より、ドアを開ける。
何となく想像はしていたけれど、予想通りの二人で、ひよちゃんと永山さんだ。
「お、おはようえなち」
視線がうろうろしているひよちゃん。さっと、その後ろに隠れる永山さん。
「おはようございますね。本当に」
少し皮肉をこめて言ってみる。最近は日本語にも馴れてきてこんなこともできるようになったのだ。
「……うーん。本当はもう少し後に来るつもりだったんだよ? 」
そんなことを言って首をかしげても、事実は覆りませんよ?
「まあ、そんなことより、こんな時間にどうしたの? 」
「えっとね……もう、えいたん」
そんなことを言いながら後ろに隠れた永山さんを前に突き出しひよちゃん。
「ちょ、ひーちゃん……」
顔を赤くして、俯く永山さん。こうやってみると、永山さんの方が若干背が低い。
「……? 」
よく分からない展開だけどとりあえず何も言わない。
「……あの、ごめん、なさい……なのよ……」
途切れ途切れにだが、しっかりとした声で私に謝罪の言葉を発する永山さん。
「何か謝られるようなことしたっけ……」
残念ながら全く記憶にない。こちらが謝るのならわかるが。だって、私は永山さんを勝手に調べようとしていたのだから。
「巻き込んで、ごめんなさいなのよ」
「何に……」
私が言葉を発しようとした直後、床が青く光る。
「えっ! 」
「どうなってるのですか! 」
「なんなのよ! これ」
私達のそんな言葉を最後に、私達は意識が途切れた。




