さみしいね
翌朝、普段通りに起きて、用意をする。ただ一つ違うことがあるとするなら、ひよちゃんが迎えに来てくれないことだろうか。私は一人で登校した。教室についた私は、自分の席についた。隣の席が空いていることに気づいていながらあえて気にしなかった。
本鈴が鳴り、先生が入ってくる。
「きりーつ、気を付けー。れーい」
少し間延びした声で号令をかけるのは晴菜さん。彼女は室長をしている。
「お願いしまーす」
なんだか間延びした感じになった。特に気にしない。それぞれで勝手に席につく。先生の話が始まる。
「今日は加賀谷くんはお休みです」
そう先生が言う。やっぱり千くんは休みだった。昨日のことが関係しているのかな。少しざわざわとする教室。しかし、先生の手を叩く音で皆自然と静かになる。
「胃腸風邪みたいですね。皆さんも風邪を引かないように手洗いやうがいはきちんとしましょうね」
西谷秋帆先生。通称アッキーの言葉で、締め括られた。それと同時に、ショートホームルーム終了のチャイムが鳴る。今日は一限目が理科だ。
特に何事もなく進んでいく。移動教室の時に、カズマくんや、ひよちゃんの姿が見れないことを残念に思いながら。
時は進み、昼休みになって食堂に昼御飯を食べに来ていた。今日はカツ丼だ。聞いたところによると、ひよちゃんもカズマくんも休みだそうだ。
いつもと違い、今日は一人だ。心だけでなくお腹も空っぽで、カツ丼はおいしくいただきました。
5限目が終わり、放課後となる。その日は結局何事もなく終わってしまった。




