特異性ってなんだよ。
「特異性……他の皆さんは知りませんね」
まあ、知ってるわけないでしょうがね。と苦笑する校長先生。だから、特異性ってなんだよ。
「特異性というと勘違いされるかたもいるでしょうが、体のつくりがおかしいというわけでは……なくもないです」
え、どっちなのよ。はっきりして下さい。
「あなたは、自分の出身地についてこの子達に言ったの? 」
あれ、どっちだっけな……
「聞いてません? 多分、聞いてないです」
「記憶にないですね」
「僕もです」
言ってたところで覚えてないらしいです。はい。あの、警察官? のおじさん達にも最初は信じてもらえなかったしね。皆さんは覚えてるよね?
「恵那さん、教えてあげては? 」
「私の出身地は……異世界です! 」
正式名称なら、ワールド・オブ・ファナザリースと言っても、地球語でだが。……地球語ってなんだ。英語だな。うん。あれ、でもカタカナ表記だしな……
まあ、どっちでも良いか。うん。
皆固まっている。そんなに驚くことだろうか……
私としては、体感的には編入から1ヶ月たっているつもりでも、まだ二週間と経っていないことの方が驚いたのだが……
「ほんとに? 」
あ、ひよちゃん、疑ってるな。いいもん。私嘘ついてないもん。ホントのこと言ってるもん。
「うん。嘘つく必要ないよね。皆のこと、信頼してる」
というか、広めたところで、アホにしか見られない。何て言うんだっけ、中二病? の人に見られるかも知れないね。
「嘘じゃないんだね」
千君まで? 酷くないかな?
「うん。嘘なんて言わないよ」
大事な事なので2回言います。
「そこまで言うなら信じるよ」
良かった。あのまま信じて貰えなかったら、私アホの子にしか見えないよ。
で、なんの話をしてたんだっけ?
「そう言えばなんの話をしてたんだっけ? 」
「うーんと、永山さんの話をしてたんだっけ? 」
あんたもかい、カズマくん。同士だね。
「整理すると……
・永山さんのことを忘れさせるような術を校長先生は皆にかけていた
・しかし、えなちにはかからなかった
・理由はえなちは異世界人だから
でいいですか? 」
流石ひよちゃんやるね。褒めてあげる。ひよちゃんは隣に座っていたので、よしよしと頭を撫でる。
「え、えなち! 恥ずかしいから……」
ひよちゃんは頬を赤く染めて、私の手をどける。嫌がられてしまった。しくしく。
「あ、うん。百合百合しい光景は放っておいて」
百合? 百合って、辞書で調べたら…… ゆり科ゆり属の多年生植物の総称。花弁三枚、同色のがく三枚の、つりがね型の花が夏咲き、笹に似た形の葉をもつ。山野に自生し、観賞用に栽培もする。鱗茎(=俗に「根」と言う)は食用。
ってでてくるこれだよね?
なぜに百合百合しいなんて言われるんだ……って言うかカズマくん若干引いてるでしょ。
「閑話休題」
あ、はい。
「本題に戻ろうか」
百合の説明はwikiからの引用です。




