特異性
「あなたたち、良く来てくれたね。さあ、座って」
校長室に来てすぐに言われた言葉はそれだった。この様子だと何かをやらかして怒られると言うわけではない?
「早速本題に入るけどいいかしら」
「はい」
私達を代表して千君が答える。私にしてみれば、長々とした挨拶は嫌いだ。校長先生は私達にお茶を出してくれる。
ちなみに、校長室の中には校長先生しかいないが、職員室からこちらをうかがっている人がいる。他の3人はきづいてないみたいだが、校長先生は知ってるらしい。まあ、多分スルーしてもいい感じだろう。
「今日、あなたたちが気になっていたことについてよ」
情報早いな。と言うことは永山さんについてかな。
「そう、あなた達を呼んだのは、今日のカツカレー定食についてよ」
「カツカレー定食?」
校長先生から出た言葉は意外すぎた。カズマ君以外声が出ない。
「そう、どうだった?」
「普通に美味しかったですよ」
校長先生からの問いかけにカズマ君が答える。だってカズマ君以外カツカレー定食を食べてないから。
「そう。他の3人は?」
「いえ、食べてないので……」
こればっかりは嘘のつきようがない。と、言うか本当の本題はこれじゃない気がする。
「まあ、本当の本題に入りましょうか」
ほらね。私の言った通りだ。あれ、他の3人もわかってたみたいな顔してる……あれー?
「察しはついてるだろうけど、永山さんのことよ」
やはり、そうだった。いや、本当に情報早いな。
「これまでは、あの子の事情で私の力を使って記憶に残らないようにしていたのだけどね……」
何らかの理由で私達の記憶が戻ってしまった? いや、私は会ったことないからわかんないかな。うん。
「さっき、と、言っても朝に加賀谷君にかけた術が解けたのよ。接点はなかったようで、助かったけどね」
もしかして、私があんなことを聞いたから? いや、私は悪くないよ。あからさまにあんな一席なかったら誰かいつか気づくでしょ? だから、私は悪くないっ!
「まあ、いっかと、ほーちしとこうかと思ったのだけどもそこの二人のも解けてしまいこれはいけないとなって、呼んだわけですよ」
「そうだったんですか」
なるほど。そうだったのか~。私関係なくない?
「私無関係……」
「いいえ、どうして、解けたのかと言うところであなたは関係大有りですから」
関係大有りですか……そうですか……なんで?
「どう言うことですか?」
あ、ひよちゃんに台詞とられた……。別に構わないけど……
「それは、あなたの特異性にあります」
とくいせい? なにそれ。よく分からないが私はそれのせいで呼ばれたらしい。




