恋の予感
2018年1月7日(日)午後0時35分
加筆修正しました。
その他にもいろいろと出してもらったけれど、特にぴんとくるのは無かった。
「後はねー。何があったかなー?」
言いながら、ふと、外を見る千君。そこには花壇があった。アヤメ、アネモネ、鈴蘭、ビオラ、チューリップが所狭しと並んでいる。そのせいか、若干萎れている。花のことも考えて植えようよ。
そんな私を見た千君が、
「園芸部もあるよ。どう?」
「うーん。家でさんざんやったからな。たまに手伝うくらいならまだしもまたやりたいとは思わないかな」
「そうなんだ」
「うん」
お姉ちゃんもお母さんも花のこととなると厳しいから、その影響か知らないけど、花の世話は苦手なんだよね。それでも、誰もやらなきゃやるけど。
「そういえばさ、成瀬さん趣味とか、興味のあることって何かないの?」
趣味かー。なにかあるかな? 興味のあること? たくさんあるよ?
「趣味は特に何もないかな? あえていうなら、読書と研究?」
「研究?」
不思議そうにこっちを見ている千君。ちょっと恥ずかしい。
「そう、気になったことをただ調べていくだけ」
心のそこから尊敬するような顔でこちらを見ていた。少し胸が痛い。どうしてだろう。
「すごいね。僕にはそんなことできないや」
「そう? 誰でもできるよ」
噂に聞く自由研究とやらみたいなもんだしね。
「誰でもできたとしても、わざわざやろうと言う人はいないよ。だから、成瀬さんはすごいね」
え、そこまで言われると照れる。ただでさえ少し紅くなっていた顔が更に紅くなるのを感じる。
「ありがとう」
そう呟いた声は小さくなってしまったが、聞こえていたようで
「どういたしまして」
そう答えてくれた。恥ずかしくなって俯いていた私には見えなかったけれど、後ろから見ていたひよちゃんによると、千君も紅くなっていたらしい。
「あはは。可愛いね」
へ? 待って今なんとおっしゃいました?
もう、ほんとに顔が見れないよなんて思ったら、千君のお友だちだったようですよ? ちぇっ
「え、何々君ら付き合ってんの? なら、千、僕にぐらい教えろよ。」
おっと、今度は爆弾発言してくれおりました。日本語変になっちまったでやんす。
「ち、ちがうよ? ね、成瀬さん?」
「え、あ、うん。違うよ? うん」
あからさまにがっかりした顔で、ため息をついた。って言うか誰だこの人。
「なーんだ、違うのかー。まあ、千の彼女にしては、可愛すぎるよね」
なりたいけどね。
「からかわないの、一真。別に僕だって、成瀬さんぐらい可愛い彼女ができる可能性もあるんだよ?」
「へー。できるの?」
とたんにニヤニヤとしだす、カズマ君。
「出来るからね?」
不敵に笑って答える千君。さて、皆さん質問です。
私どうすれば良いの?ヘルプミー
あ、でも、千君には私以外の彼女はできてほしくないかなー。
ごめんね千君。
「おやおや。これは、えなちをめぐって二人の争いが起きている状況なのですか? 」
ひよちゃん、あんたずーっと見てたでしょ。白々しいよ。て言うかおもいっきり、笑ってるし。ニヤニヤが止まってないよ。
「あはは、そう見えた? 有岡さん」
「ちがうよ? 有岡さん」
「ずっと見てたくせに」
「え?」
3人の驚く声が重なる。え? こっちこそ、え? なんだけど。あんな、バレバレなの気づいてなかったの?
「用事だったんじゃなかったの? 」
信じてたのか。素直な所もいいよね!
「君も気づいてたんだ。」
あんたはきづいてたんだ。どうでもいい。
「私の尾行を見破るとは……さすがえなち! 昨日のえなちとは別人みたいだね!」
「ちょ、それは、言わない約束でしょ!」
「えー。どうしよっかなー。そうだ!」
そう言ってニヤニヤし始めるひよちゃん。かなり怖いですね。夢にも出てきそう。
そして、私は、ひよちゃんを買収することにした。




