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異世界(地球)の中学校に通うことになりました!  作者: 雨森 海音
一年生、5月
18/75

恋の予感

2018年1月7日(日)午後0時35分

加筆修正しました。

 その他にもいろいろと出してもらったけれど、特にぴんとくるのは無かった。


「後はねー。何があったかなー?」


 言いながら、ふと、外を見る千君。そこには花壇があった。アヤメ、アネモネ、鈴蘭、ビオラ、チューリップが所狭しと並んでいる。そのせいか、若干萎れている。花のことも考えて植えようよ。

 そんな私を見た千君が、


「園芸部もあるよ。どう?」


「うーん。家でさんざんやったからな。たまに手伝うくらいならまだしもまたやりたいとは思わないかな」


「そうなんだ」


「うん」


 お姉ちゃんもお母さんも花のこととなると厳しいから、その影響か知らないけど、花の世話は苦手なんだよね。それでも、誰もやらなきゃやるけど。


「そういえばさ、成瀬さん趣味とか、興味のあることって何かないの?」


 趣味かー。なにかあるかな? 興味のあること? たくさんあるよ?


「趣味は特に何もないかな? あえていうなら、読書と研究?」


「研究?」


 不思議そうにこっちを見ている千君。ちょっと恥ずかしい。


「そう、気になったことをただ調べていくだけ」


 心のそこから尊敬するような顔でこちらを見ていた。少し胸が痛い。どうしてだろう。


「すごいね。僕にはそんなことできないや」


「そう? 誰でもできるよ」


 噂に聞く自由研究とやらみたいなもんだしね。


「誰でもできたとしても、わざわざやろうと言う人はいないよ。だから、成瀬さんはすごいね」


 え、そこまで言われると照れる。ただでさえ少し紅くなっていた顔が更に紅くなるのを感じる。


「ありがとう」


 そう呟いた声は小さくなってしまったが、聞こえていたようで


「どういたしまして」


 そう答えてくれた。恥ずかしくなって俯いていた私には見えなかったけれど、後ろから見ていたひよちゃんによると、千君も紅くなっていたらしい。


「あはは。可愛いね」


 へ? 待って今なんとおっしゃいました?

 もう、ほんとに顔が見れないよなんて思ったら、千君のお友だちだったようですよ? ちぇっ


「え、何々君ら付き合ってんの? なら、千、僕にぐらい教えろよ。」


 おっと、今度は爆弾発言してくれおりました。日本語変になっちまったでやんす。


「ち、ちがうよ? ね、成瀬さん?」


「え、あ、うん。違うよ? うん」


 あからさまにがっかりした顔で、ため息をついた。って言うか誰だこの人。


「なーんだ、違うのかー。まあ、千の彼女にしては、可愛すぎるよね」


なりたいけどね。


「からかわないの、一真かずま。別に僕だって、成瀬さんぐらい可愛い彼女ができる可能性もあるんだよ?」


「へー。できるの?」


とたんにニヤニヤとしだす、カズマ君。


「出来るからね?」


 不敵に笑って答える千君。さて、皆さん質問です。

 私どうすれば良いの?ヘルプミー


 あ、でも、千君には私以外の彼女はできてほしくないかなー。

ごめんね千君。


「おやおや。これは、えなちをめぐって二人の争いが起きている状況なのですか? 」


 ひよちゃん、あんたずーっと見てたでしょ。白々しいよ。て言うかおもいっきり、笑ってるし。ニヤニヤが止まってないよ。


「あはは、そう見えた? 有岡さん」


「ちがうよ? 有岡さん」


「ずっと見てたくせに」


「え?」


 3人の驚く声が重なる。え? こっちこそ、え? なんだけど。あんな、バレバレなの気づいてなかったの?


「用事だったんじゃなかったの? 」


 信じてたのか。素直な所もいいよね!


「君も気づいてたんだ。」


 あんたはきづいてたんだ。どうでもいい。


「私の尾行を見破るとは……さすがえなち! 昨日のえなちとは別人みたいだね!」


「ちょ、それは、言わない約束でしょ!」


「えー。どうしよっかなー。そうだ!」


 そう言ってニヤニヤし始めるひよちゃん。かなり怖いですね。夢にも出てきそう。

 そして、私は、ひよちゃんを買収することにした。

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