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another story1

 リリー・ルーニャとブルーストーンの番外編です。本編で明かされなかった事実またはあかされないであろう話を書いていきます。

「ふぅ」

私はため息、いや、深呼吸をした。これをため息ときめてしまったら、幸せが一つ逃げて行ってしまう。ただ、実際、今はため息をつきたい気分だ。校長に呼び出されてしまったのだから。私は、校長を待たせないためにも、なるべく早くこの広い校内を歩きだした。せっかく、図書室の本と戯れていた……、おっとこれは失言。せっかく本の整頓をしていたのに。

 「コンコン」

私は校長室のドアを軽くノックした。

「失礼いたします」

校長は、このモンペリエ校に勤務するどの先生よりも広い部屋の真ん中のあるソファに腰かけていた。部屋の小物はどれもシックなものでそろえられているが、その一つ一つの値段を考えると、とても落ち着かない。それに、この部屋に入るのは、この学校に初めて来た日以来だ。私は校長とテーブルを挟んで対になるソファに腰を下ろした。

「御用件は何でしょう、クラジウス校長」

「メリクリウス、貴方は今、図書室の管理をしているわね。しかし、それでは貴方の万能さが全く使われていないの」

嫌な予感しかしない。

「先週、昔の三人の偉大な魔法使いが人間界にいることがわかったの。しかも、来年十二歳になる子たち。その子たちをぜひともこのモンペリエ校入学させたいの」

「お言葉ですが、人間界から魔界に移動するのは、不可能なことです」

「来年は、魔界と人間界の空間が一致しやすくなる年なの。だから、なんとか頑張れば移動できる」

そんな年があるのは耳にしてはいたが、本当にあるとは。

「わかりました。引き受けます。それはいつ実行に移すのですか?」

「今すぐよ」

今すぐ?

「メリクリウスのそのまぬけな顔は珍しいものね。そろそろ三学期も中盤だし、その三人はほぼ人間界で育ったようなものなの。だから、魔界の常識を知らない。それを教えるところから始めなくてはいけないの」

「念のため確かめますが、偉大な魔法使いとは、昔ここで勤務していた、あの方たちで間違いないですね?」

「そうね」

「わかりました。粗相のないようにいたします」

「頼んだわよ。」

私は紙きれを渡された。

「ここの孤児院に三人ともいるから」

「はい。」

私はロッドをとりだし、呪文を唱えた。

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