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日常の異變 ~故的非日常茶飯事~  作者: ゅぇ
【第一章 2010年秋 親父入院編】
5/21

2010/10/3 携帯電話の執念

 いやはやなんとも言えない日々……

 なんて楽なんだろうか。

 実家ってイイね♪

 仕事もせずにまったりとテレビを見る。

 妹とや母との会話。

 空いた時間でゲーム。

 なんでもっと早くこうしなかったのか?


 ……ん?

 仕事?

 仕事って何?

 それっておいしいの?


 ……。

 分かってるよ!

 働けって言うんだろう!

 ちょっと位のんびりしてもいいじゃん!



 数日前の首絞め痣事件のおかげで――


 ――せいで、ちょっとお休みもらってますが……

 サボってるわけじゃないんだから!

 コレってちゃんとした休養なんだから!

 文句言われる筋合いなんてないもん!!


 というわけで今日もゴロゴロしてます(笑)



 妹と一緒に親父のお見舞いは行ってきやした。

 その帰りにアニメをレンタルしたんで……

 今から妹と耐久アニメ鑑賞大会なのだ!!



 ブブブッ、ブブブッ……



「携帯なってるけど、とらんでいいの?」


「いいのいいの、お休みなんだから」



 ブブブッ、ブブブッ、ブブブッ……



「兄貴、仕事の電話じゃない?」


「やだ。出たら戻ってこいとか言われるやん」



ブブブッ、ブブブッ、ブブブッ、ブブブッ、ブブブッ……



「留守電にしたら?」


「メッセージ残るでしょ!? 気が付かないフリできなくなるでしょ!?」


「……気がちってアニメに集中できないんだけど」


「マナーモードにしてる――」


「――どうにかして」


「……分かったって……」



 ふぅ。

 この手段だけは使いたくはなかったんだが……



 必殺☆携帯電源落とし!!!



 まさかこの技を使う日が来るとは……

 世の中も狂ってるぜ……



 ブブブッ、ブブブッ、ブブブッ……



 へっ?

 なんで?


「兄貴? 今電源切らなかった?」


「切ったけど……携帯壊れてるんかな?」


 電源を落とした携帯が鳴ってる。

 気のせいではなく、間違いなく鳴っている。


 しか~しっ!!

 動揺はするコトありませぬ!!

 二度目はありえぬわ!!



 必殺☆念入りに携帯電源落としスペシャル!!!



 くっくっくっく……

 これでもはやこいつは死んだも――



 ――ブブブッ、ブブブッ、ブブブッ……



 ぎゃぁぁあぁっ!!

 電話が切れません(恐)

 何コレ!?

 故障にしては嫌がらせすぎる!?


「あのさ……もう電池パック抜いたら?」


 なんと!?

 我が妹ながら天才すぎる……

 恐ろしい子……



 最終奥義☆電池パックをパカッとグッバイボンバー!!!



 はぁはぁはぁ……

 死力を使った戦いだったが……

 勝者は我々――



 ――ブブブッ、ブブブッ、ブブブッ……



 ぎょぎょっ!?

 電池パック抜いた電話が……

 まだ鳴ってます♪



「その携帯も……兄貴も、当分近づかないでね」



 妹に見捨てられたっ!?

 うわぁあぁあぁ~ん(泣)




 その後ちゃんと仕事の電話は出ました……

 反省。

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