エピローグ
とうとう完結です。
2026年 8月某日 某所
「パパーッ!早く!ママも遅いよ!!」
「ちょっと待ってって」
山の上にある戦後に立てられた神社の参道にある親子の姿があった。6歳ぐらいだろうか、娘とその両親だろう。
「今日は久しぶりなんだから!早く!」
「はぁ・・。えらい、誰に似たんだか・・・イテッ!?」
「黙ってろ・・・・顔はお前似だ・・・・///」
自分で言って照れちゃってるよ、この人。
やっとのことで両親が階段を登りきり鳥居をくぐった時には娘は一人の女性と話していた。
「おぉ。来たかチビ~!」
その女性はその娘の脇を抱えると空高く抱き上げる。
「そっちの二人は歳か?ん?」
と、意地悪な笑いを遅れて上がってきた二人に向けた。
「しょうが無いだろ長門!人間は歳を取るんだ!!」
那奈が対抗する。
「そういや、艦魂って歳取らないんですか?」
「あぁ、とらんな。取ってたら100歳越えるぞ!金剛らへんが」
拓也の問いに答えた長門が、想像したのか。吹き出し大笑いしだした。
「ねぇねぇ!私学校行ってるんだよ!すごいでしょー、今は夏休み!!」
ムフー!と長門の腕の中で胸を張る美希。長門がワシャワシャと頭を撫でると、きゃはは!と笑いながら那奈の元にとたたた、と駆けていった。
「長門姉に褒められた!!」
「よかったな」
そういって拓也が美希の頭を撫でる。
おうおう、お熱いな。と長門があおると二人揃って、普通だッ!!と反撃した。
くかかか、と長門が大笑いする。
神社の端の丁度木陰になってるベンチに長門と拓也が腰をかけ駄弁りながら、那奈と美希が遊んでいるのを眺めていた。
第3次大戦後、日本の掲げた世界統一は思っていたより早く進み着々と平和な世界へと進んでいた。
香川が演説で語ったように世界がまとまっていくにつれ日本はその強大な軍事力を順次解体していった。その過程で海軍ならびに国民の多数の意見により艦魂を祭る社を建てる計画が立ちあがった。その計画で建てられたのが通称艦魂神社だ。その艦とゆかりのある地に立てられることが多い。
艦魂神社には年間を通してかなりの参拝者が訪れている。
今回拓也らが訪れたのはその中の一つである、長門神社だ。
戦艦長門の艦魂である長門を祭った神社である。拓也ら夫妻は建設当時からずっと見守ってきた。
結婚式もここで上げ、那奈が子供を授かった時も最初に伝えに拓也が来た。生まれてからは毎週、毎月のように通った。長門も拓也と那奈の娘である美希を自分の子供のように可愛がってる。
因みに、美希にも艦魂は見えている。遺伝なのかは分からないが、子供のような多感な時期には見やすいのだろう。だが、艦魂の存在を発表してからというもの見える人は激増している。
所々で争いが起きるものの以前と比べると遥かに小規模なものになってきていた。
世界がまとまるのもそう遠くは無いだろう。
――――――――――世界は着実に平和への道を進んでいる――――――――――
完
初投稿のプロローグより丁度一年が経とうとしたところで無事完結です。
最初期からいる人もいらっしゃるかと思います。
ここまで書けたのは、日を増すたびに増える閲覧数と感想と閲覧者様がいてこそでした。本当にありがとうございました。
この9月末に自分は航空自衛隊航空学生を受けます。受かったら来年度からは晴れて念願の自衛隊員です。ですが!小説は書き続けますw
ここまで応援、知識提供、誤字などの指摘をしてくださった方々に心からの感謝の意を述べ、終わりにしたいと思います。
本当にここまで1年間ありがとうございました!!
新章―未来編ー
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