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第37話 逆襲のミッドウェー 壱

更新が大変遅れましてすいません!!


お詫びとは言えませんが、長編になってます。(逆に読みにくかったかも(;´Д`))


でわ、どうぞ・・・・

作戦名 MI2


MI2参加戦力


・空母 『赤城、加賀、天城、葛城、信濃、蒼龍、飛龍』

・戦艦 『長門、陸奥、大和、武蔵、金剛、比叡、榛名、霧島、伊勢、日向、扶桑、山城』

・重巡 『古鷹、加古、青葉、衣笠、妙高、那智、足柄、羽黒、高雄、愛宕、摩耶、鳥海、最上、三隈、鈴谷、熊野』

・軽巡 『球磨、多摩、木曽、北上、大井、阿賀野、能代、矢矧、酒匂、川内、神通、那珂、長良、五十鈴、名取、由良、鬼怒、阿武隈、天龍、龍田』

・駆逐 『130隻』

・潜水艦 『伊540型5隻、伊560型3隻、伊600型2隻』

・航空機 『F-3神風700機、対潜・哨戒・救難ヘリ約100機』

・兵士 『37,320人(士官・乗員・飛行要員)』


空母7、戦艦12、重巡16、軽巡20、駆逐130、潜水艦10、固定翼機700、回転翼機約100、人員約40,000からなる、日本最大の各基地統合作戦艦隊となった。人員の9割は空母乗組員である。ほか、戦闘艦艇の乗組員が圧倒的に少ないのは艦魂の存在があるからだが、もう1つ理由がある。まぁ、それは追々分かるだろう。



2018年6月某日、梅雨に入った空は暗く、しきりに水滴を垂らしていた。

「いよいよだな・・・・」

出港30分前にもかかわらず拓也は執務室にいた。

「どうした、赤城にあんだけ言っといて」

拓也を呼びに来た長門は窓際に立ち踵を返す

「・・・・それもそうか」

両手を机に付き重たそうに腰をあげる

「行こうか」


「全乗員点呼終わったか」

『はい!終わりました』

場所を移して旗艦長門艦橋。無線からの応答を確認し静かに息を吸い、吐く。

「これよりMI2作戦を開始する。言いたいことはたくさんあるが、一言に纏める」

全艦艇の全乗員が息を飲んで聞き入る

「我々に喧嘩を売った事を後悔させてやれ」

怒鳴るでも無く、単調でもなく。ドスの効いた低い声で言い放った。

皆の脳裏には核攻撃を受けた祖国の光景、復興支援の際の国民の虚ろな目がフラッシュバックされる。

誰一人声は出さなかったが、各々の目には確かな海軍ならびに大和魂がたぎっていた


早朝、梅雨の土砂降りの雨の中、静かに数百の艦艇が動き出し目的地へ向け確実に進みだしていた。



ーもう引き返せないー



作戦発動から3日。艦隊は横須賀、ミッドウェー島を直線で結んだ丁度中間地点にあった。

アメリカ艦隊に動きがあり次第、全力を持って殲滅する。そうなったいた。今叩くことも出来るが、米飛行場付近での戦闘となると不利を強いられるのは目に見えていたので出来るだけ引き付け叩く。


「天照、通信傍受どうだ」

「良好です」

インカムから、無機質な女性の声が聞こえる。

「我々の存在は捕らえられたか」

「いえ、対衛星外部迷彩皮膜及び索敵距離の関係で正確な位置は掴まれていません。ですが、近くに来ていることは察しているようです」

「それも当然か。引き続き監視頼む」

「了解」


一時的かつ限定的ではあるが全乗組員に交代交代に休息が与えられた。トランプをする者、空母や戦艦の甲板をジョギングする者、潜水艦乗りは釣りが多かった。


「加賀さん、赤城さん。大丈夫ですか?」

拓也は艦魂らを長門艦内食堂に集めていた。呼んでないが那奈の姿もあった。

「えぇ。もう大丈夫です。ご心配お掛けしました」

「私としたことが。申し訳ありませんでした」

「赤城さんも加賀さんも顔を上げてください!謝ることなんてありませんよ」

そうだぞ。と長門が言うと他の戦艦、空母からも声がかかる。2人は少し気恥ずかしいのか、身じろぎした。


さて、と拓也が立ち上がろうとした時、けたたましい警報音が艦隊全体に響く。

慌てて拓也は食堂端にある受話器を取った。

「どうした!?」

長門CICの通信士が応答する

『天照より。ミッドウェーに動きあり。とのことです!』

「わかった!全艦へ通達!休息撤回、2分で警戒態勢へ!航行準備!」

食堂にいた乗員は警報を聞いた時点で確信したのか、すでにその姿はそこにはなかった。

『もう一つ!』

「なんだ!」

『これも天照より。敵戦艦が2隻しか見当たらないそうです』

「なに?・・・・・」

この時、拓也の脳裏には様々な憶測が飛び交った。一つ言えるとしたら巨大な違和感とでもいうのか。

「気になるが・・まぁいい!敵艦隊との会合点、会合時刻の算出始め。終わり次第報告」

『了解!』

振り返り長門ら艦魂とアイコンタクトを取り各々の艦体へ飛んでいった。


米艦隊作戦行動開始より2時間後。ミッドウェー諸島より約500km。

当初の作戦通り、米艦隊を引きつける為日本艦隊は光学迷彩を解かずにいた。

「米艦隊、当艦隊より方位124、距離約900kmを日本へ向け直進中」

「距離600kmで外部迷彩皮膜解凍後第1次攻撃隊発艦。その後空母は後方待機。艦隊始動、第三戦速へ」

拓也の指示の元、100を越える艦艇がスピードを上げあっという間に第三戦速、すなわち35ノットまで増速した。


世界最強最大の空母機動艦隊同士の2度目の海戦の幕が上がった。


敵戦力は空母5、戦艦2、ミサイル巡洋艦10、ミサイル駆逐艦120、潜水艦多数、揚陸艦(多種)約500、その他支援艦艇100のこちらもえげつない数の規模だ。大国アメリカの威信のかかった戦いになるのは目に見えているので当たり前だろう。


「攻撃機発艦地点到達。発艦開始せよ」

第一航空戦隊司令の合図で、第1次攻撃隊150機が次々打ち出され空を覆う。

その中に1機、図体のでかい機体があった。

「ネメシスより赤城へ。第1次攻撃隊全機発艦確認。高度7000まで上昇し敵艦隊へ向う」

那奈だ。声のトーンからして少しこわばっているのが分かる。それも当たり前だ。威力偵察の際一瞬で半数を失ったのだ。今からそこに突っ込むのだから正気の沙汰じゃない。


ぐんぐん高度を上げる攻撃隊を敬礼で見送った拓也は、空母へ後退の指示を出し、来る艦隊決戦を見据えていた。するとCICから音声が来た。

『米空母より艦載機の発艦を探知。会敵まで2分』

「航空戦で負けはしないだろう。問題はレーザーだ。アレをどう攻略すればいい」

「やって見るしかないさ。我々も全力で行く。もう誰も沈ませない。そう言ったのは拓也だろう?」

長門は堕ちかけた際の拓也の言葉を言ってみせた。

「攻撃隊会敵します」



「レーダーに機影。数約100を認む。増槽投下。データ共有開始。マルチロックシステム始動。99式発射ぁ!!」

神風の持つ高性能フェイズドアレイレーダーで捕らえた敵機の情報を、統合戦術データリンクシステムにより攻撃隊全機で共有し、那奈の合図で下部ウェポンベイから投下された99式空対空誘導弾は間を空けて、その固体燃料ロケットに点火。空に数百の白煙を残しながら目標へ向う。

索敵距離は神風の方が上で、先に攻撃を受けたが、敵もただ回避するだけではないのは当たり前だ。ミサイルを短距離ミサイルで迎撃後、反撃に移った。この時点で米国側の被撃墜数は数十機に及んだ。

99式発射後さらに高度を上げていた攻撃隊はマッハ2でアメリカ機との距離をグッと縮めていた。後方下から来るミサイルにチャフ、フレアを撒き回避運動に入る。所詮は子供騙しのような妨害手段の為、日本側も数十機落とされた。

ロックアラートの警報音が消えた機から、米軍機より斜め上方より襲い掛かった。

現代の航空戦では考えられていなかった戦闘機同士の有視界戦闘、すなわちドックファイトが行われた。

「相手はF-18とF-35の混成だ。F-18を先にやれ!電子ポッドをつんだ奴がいる!」

那奈が指示した通りF-18のみがバタバタと落とされていく。

この時戦力差は日本が6、米国が4といったところだろう。双方に甚大な被害をもたらしていた。


ーだたー


ただ、1つ重大なミスを犯していた。

那奈率いる攻撃隊はドックファイトをこなすうちに米艦隊のいる空域に誘い込まれていたのだ。

気付いた時には目の前をあの光が横切る。

しまった!時既に遅し。狙い澄ましたかのように米軍機の合間を縫って日本機のみを落としていく。

「全機撤退!」

那奈が叫ぶも、攻撃隊はその9割を失ったいた。

「拓也!!しくじった!米艦隊付近に誘い込まれ、9割撃墜された!撤退する!」

『了解。一か八かだが、海面すれすれを飛べなるべく早く水平線に消えるんだ!』

司令。拓也と通信しているうちにも次々と落とされ、150機いた攻撃隊は10機程度にまで数を減らしていた。

続けてミサイルにロックされたことを知らす警報音がなり、舌打ちしつつ、ベルトで固定された体を捻り敵機の姿を目で捉えようと周囲に目をやる。

対象はすぐに見つかった。しかも4機。

おかしい。何か変だ。4機の内1機は完全に攻撃態勢をとり後方上にぴったりと着いて来ている。しかし、他の3機はと言うと。永瀬機を包囲するかのように左右前方に機体を置いていた。

あぁ・・・。結論はすぐに出た。少し考えれば分かることだった。


時は1940年代

中国・太平洋戦線で猛威を振るった零戦。だが後々、機体の軽量化に伴うの耐久性の低下、防弾性能の皆無など、弱点の露呈とエンジンの馬力不足で劣勢を強いられる事になる。

その零戦の敗北のきっかけとなったといってもいい出来事が1942年7月に起きた。

アクタン・ゼロ。ほぼ無傷のままの零戦がアメリカの手に渡ったのだ。

アメリカは、その零戦を分析し零戦への対抗策を作り上げた。


鹵獲。

那奈の頭によぎったのはこの2文字だった。

その思考を察知したかのようなタイミングで日本機との周波数とは異なる周波数で通信が入った。横目で右を飛ぶF-35のコックピットを見る。ヘルメットでお互いの顔は見えないが、目が合った気がした。目を合わせたまま、味方の周波数を開いた。

「拓也」

『那奈か!?逃げ延びたか!他の機は?』

「包囲された」

『・・・・・・何?残存機全てか?・・・・』

動揺を隠しきれてない、震えた声が返ってくる。

「いや、私だけだ。後の連中は上手く撤退できているようだ」

ぁ・・・・あぁ・・・。と声にならない声が聞こえてくる。

「どうやら鹵獲目的のようだ。さっきから口うるさく通信が入っている」

『逃れられないのか・・・・・・』

ダメだ。と短く返すと。黙りこくってしまった。もう一言、すまん。と言って拓也との通信を切る。

自分の呼吸音がやたら大きく聞こえる。気付くと手も震えていた。情けないなぁ。さて、ここからどうするか。。。。









次回は早く上げたいんですが、いかんせん土日、10・11と部活の試合でして。

また遅れるかも知れません!毎回楽しみにして待っていてくださる読者の皆様本当に申し訳ありません。

ですが、頑張ります(`・ω・´)

ご意見、ご指摘、ご感想等お待ちしております!


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