第36話 ミッドウェーの悪夢
遅くなりました!(; ・`д・´)本編です!
アメリカによる本土侵攻がいよいよ実行段階に移行しようといている中、日本は強襲作戦を立て着々と準備が進められ作戦実行を5日後の控えていた。
「なに!?赤城さんたちが?」
息を荒げて執務室に入ってきたのは長門だ。どうやら赤城ら空母に何かあったらしい。
長門の後を着いて行くと空母赤城が見えてきた。
「やっぱりこれか」
飛行甲板に着いた拓也は半ば勘ずいていたかのように溜め息混じりに言った。
「しょうがないさ、彼女等はあそこで・・・・・」
加賀が肩をビクッ!と震わせたので長門は言葉を止めた。
普段は冷静沈着な加賀だが過去のトラウマは弱いらしい。まぁ、当然と言ったら当然だが。
ここで一つ心配事が頭に浮かんだ拓也が長門に尋ねる。
「お前は核の光を見て堕ちかけたが、空母は堕ちる事があるのか?」
「いや、それは無い・・・と思う。空母は私たちのような直接戦闘をこなすような戦闘艦ではないからな。可能性がゼロと言えるかは分からないが」
恐る恐る赤城に声をかける
「赤城さん・・・大丈夫ですか・・・・?」
コクリと頷くがどう見ても大丈夫ではない
「呉の飛龍と蒼龍は大丈夫なのか?」
「大和から聞いたが、あいつらは大丈夫らしい。むしろやる気十分らしいぞ」
んーーっと唸っていると赤城が口を開いた。声は震えている。
「分かってるんです・・・でも、どうしても・・・・急降下爆撃の記憶が繰り返すんです・・・」
いつも、皆の母親的存在だった空母なだけに今の姿が痛々しい。
今より76年前。
ミッドウェイ諸島周辺海域。ミッドウェイ海戦。日本がその大戦での主導権を失った海戦であり、敗戦への道を歩み始めてしまった海戦。そして、赤城等空母が最も恐れる海域。
戦力比を見比べて見れば勝てない事は無かったかも知れない。だがこの海戦で空母4隻を失う事になった。
その海域へ再び出撃するのだからたまったもんじゃない。
「怖いか」
分かりきった事を拓也が聞く。赤城が無言で頷く
「行きたくないか」
「正直・・・そうですね・・・」
「顔を上げてください赤城さん」
目に涙を零れ落ちんばかりに浮かべた顔を上げる
「目の前には誰がいる」
「?・・・北川司令です」
「そう、貴方達の指揮を任された者で、そしてまだ任期3年足らずの新米です」
赤城は不思議そうに涙を拭う
「少し大げさかもしれませんが、僕が今この日本で生きて暮らせているこの現状があるのは、先達方の奮闘と貴方方の努力の上に成り立っているのです」
また赤城の目に涙が滲んでくる
「どうしても。と言うのなら代替艦を用意します。ですが、周りを見てください」
拓也から視線を外し、周りを見渡す。
そこにはいつの間にか集まった今作戦参加艦と空母乗員、海軍兵士が集合していた。兵士、長門等戦艦は艦魂姿で甲板に、重・軽巡、駆逐は横須賀湾内に。
「ね?これ見て怖がる必要がありますか?僕はちっとも怖くありません。何しろ信じていますからね。今ここにいる人は誰一人として負けることなんて考えてませんよ」
一瞬、目を見張り。嗚咽交じりに顔を伏せて泣き出す。
そこに加賀が、こちらも涙目だが、赤城さん。と肩に手を置く
「どうしますか?」
少し時間が空く。息を整え、キッ!と顔を上げる
「ごめんなさい。・・・頑張ります!私達が負ける訳がありませんもんね」
よし、決まりだ。と長門が言う
拓也が大きく息を吸う
「こっからが正念場だ!これからはれっきとした攻勢に出る。悪いが損傷覚悟の作戦が多々ある!だが大戦末期のような沈没覚悟の無謀なものではない!米国の肥満野郎に大和民族の底力見せ付けてやろうじゃないか!」
赤城、加賀は涙交じりの綺麗な満面の笑みで拳を天高く突き上げる。続いて湾内の艦は汽笛の大合唱だ。それに負けじと長門は、うおぉぉぉぉぉぉ!!と叫び全力で咳き込み周りの笑いを誘った
そして、作戦発動当日。日本今世紀最大規模の艦隊作戦が発令された。
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