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第32話 対抗策

今回から書き方を変えてみました。

読みにくかったりしたらご指摘ドンドンください!


では、どうぞ~





先日の真珠湾威力偵察によって明らかになった米新型戦艦の性能は驚くべきものだった

これにより日本は計画変更を余儀なくされ、さらには既存艦艇、既存の兵器では太刀打ち出来ない事をその身をもって証明してしまった。


その数日後、対策会議が開かれた

その会議には、総理、三軍総司令のみが収集された。


「さぁ、皆さん。ここにお集まりしてもらった理由はお分かりでしょうが、もう一度概要を説明します。先の海軍によって、真珠湾に停泊中の米新型戦艦への威力偵察が実行された。結果、敵戦艦のおおまかな性能は掴めたものの、その内容は芳しくない物であった。しかし、これはこちらが情報を得ただけではなく、米国にもある事実を露呈する形となってしまった」

「既存艦艇では、あの新型には無力・・・・」


拓也自ら指揮を執った事なだけに、この結果が悔やまれる


「そうです。この偵察で行った砲撃、ミサイル攻撃、航空攻撃は敵に被害を微塵も与えることは出来なかった。当然、このことは米国も知っている、近いうちに攻勢に出るだろう。現に、ミッドウェーに戦力を集結させている。由々しき事態だ」


ここで沈黙が部屋を包む


「こ、こちらで分かっている事をあげます」


沈黙を破ったのは拓也だ


「米戦艦に搭載されているレーザーCIWSですが、この兵器の前には航空機、ミサイル、音速を超えた砲弾までもが無力でした。言葉の通り手も足も出ません。それに加え、あのレーザー戦艦が戦闘海域、地域、空域付近にいる場合、我が日本軍は制空権は皆無と考えた方が良いでしょう」


ここで空軍総司令の皆川俊也(みながわとしや)が割って入る


「提案ですが、飽和攻撃は有効ではないのですか」

「さきの、偵察の攻撃の際、スペックギリギリのほぼ全力で攻撃しました。しかし、全弾迎撃されています。これを鑑みるに現保有戦力は無力でしょう。飽和攻撃など弾の無駄です。これが4基3隻で計12基・・・・とんだバケモノですよ」

「バケモノ・・と言いますと半年以上前になりますが、海軍の戦艦日向が暴走した時に中国からは鬼神のようだった。などと聞きましたが」


懐かしい事を持ち出したのは、陸軍総司令の浅野晃司(あさのこうじ)

バケモノではない!と気を荒げた拓也だったが、すいません、と話し始める


「日向の件ですが。あれは艦魂の間で『堕艦』と言われている状態で、艦魂にも個性や性格、感情といったものが人間と同じように存在します。その堕艦の状態ではそれらを制御できず暴走します。これに戦術的価値は見出せません」


その後も、ちらほらと案は出たものの決定的なものは出ず、会議は終わり各自持ち場へ戻り日は落ちた。



―――――――――――――――


戦艦三笠

日本海海戦においてロシアバルチック艦隊を破った戦艦だ。だが、今ここで言う三笠はそれとは違う。その全長は大和型を越え350mを誇り、まさに巨艦という言葉がしっくりくるような物だった。


―――――――――――――――


この地下にある工廠は、J計画の際に建造された関東ジオフロントの端、東京湾海底直下に作られたものだ。使用用途は戦艦三笠の建造及び整備。要するに三笠専用ドックといったところだ。



ここに拓也と一人の女性の姿があった。


「どうですか、新しい艦体(からだ)は」

「所々に本体の素材を入れてくれたらしいじゃない。気遣い感謝するわ!お陰様で結構良い憑き心地よ」


拓也の隣に居るこの女性。この日本の軍拡、戦争状態への突入のきっかけとなったといってもいい出来事が起きたときに、総理、もとい香川へ説教を説いた戦艦三笠の艦魂だ。もうあれから数年が経つ。


「長い間お待たせしました」

「ほんとによ!まぁ、いい物が出来そうだから気にしないわ」


完成まで1年と半年を費やし、いやそれでも早い方なのだが、ようやく完成形が見えてきた。それを散々待たされた三笠は少々ご立腹だった


「この戦艦三笠には艦魂専用の部屋が用意されました。もちろん神棚もあります。一様、三笠型戦艦1番艦として資料には記載されていますが姉妹艦は・・・」


ここで言葉が詰まる


「どうしたの」

「その、余計な心配でしたら申し訳ないんですが、現在就役中の艦艇は姉妹艦全てが復活しましたが、三笠さんは・・その・・」

「そうね、姉さん達も長門達、第2次世界大戦組と同じように海に沈んだわ。私と敷島姉さんを除いてね。でも復活しなかった、だだそれだけの事よ。」


普通に言葉を返したが三笠の顔は少し寂しそうだった


「男でしょ!シャキッとしなさい!シャキッと!」


その後、紛らわすように拓也の肩を叩き、じゃね!と言って艦尾の方へ歩いていった



―――――――――――――――



三笠の下見も終え拓也は横須賀に帰ってきていた

拓也が居るのは総司令執務室だ。そこは本来司令が職務を行う時や日中を過ごす場所だ。だがそこに2人の女性がいた。


「なんで君らはここに居るんですか」

「今日の訓練は終わった」

「整備も終わったし、本が読みたい」


必要最低限の文章で返された

そう、2人の女性とは、那奈と長門だ。那奈は、なにやら参考書のようなものを広げ熱心に勉強している。自分の兵舎でも出来るんじゃないですか?と聞いたが、ここのソファが一番柔らかいそうで勉強が捗るそうだ。一方の長門はというと、執務室にある拓也の趣味で集めた小説を読み漁っている。どうも興味を持ったらしい。整備が終わるとここへ来て読み出す。


長門だけの時は特に気にしてなかったんだけどな~。などと考えていると、昨日の会議室での会話を思い出す。


『提案ですが、飽和攻撃は有効ではないのですか』

『海軍の戦艦日向が暴走した時に中国からは鬼神のようだった。などと聞きましたが』


皆川と浅野が言った言葉だ

そこで一つの考えが頭をよぎる。


「長門、ちょっといいか」

「ん、どうした」


読んでいた小説にしおりを挟み拓也の方を見る


「日向が落ちた事があったよな」

「あったな、もう結構前になるが」

「そのことなんだけど・・・・」


一拍おいて切り出す


「あの時の日向はスペック以上どころか、限界を越えた性能を出した。そこで一つ提案がある」

「なんだ」

「あの状態に意識、理性を保ったままなれないか」


拓也の提案に長門は固まる


「無理を言っているのは分かる。だが日本はそれぐらい追い込まれているんだ。長門も見ただろう、アメリカの新型戦艦の性能を」


確かに・・見たが・・・。と動揺を隠せず目の焦点が合ってない

その長門の様子を見てさすがに心が痛んだ拓也は、すまん、忘れてくれ。と言った。が長門が遮る


「取り乱してすまない・・・。そんなことは考えたことが無くて少し戸惑っただけだ」


大丈夫。と言って話を続ける


「出来ないことは無い・・と思うが確証もない。だが、挑戦する価値あると私は思う」

「そうか、ありがとう・・・だが、試している時間はないだろう。アメリカがミッドウェーに戦力を集中させている。近い内にに出撃になると思う」

「大丈夫だ!私は長門型戦艦1番艦長門だ!不可能など無ぁい!ぶっつけ本番でもやってみせるさ!」


頼もしいな、と笑いあう。だが恐らく那奈が不機嫌そうなのはどちらも気付いて無いだろう




ご意見、ご感想お待ちしております。


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