第26話 ベーリング海海戦
ベーリング海 アッツ島近海
第5艦隊旗艦 『扶桑』
拓也
『篤、あっちこっち飛んでもらってすまん・・・』
篤
「いいさ、この海戦の重要度を考えれば当然さ。丁度退屈してたしな。演習以来の出撃だ!気合入れていくぜ」
拓也
『ありがとう・・・。ただ演習とは違う、実戦だ。健闘を祈る』
篤
「さっ!扶桑さん聞こえますか?」
扶桑
「ええ、聞こえますよ篤さん」
篤
「山城さんも大丈夫ですか?」
山城
「おう!ばっちりだ」
篤
「よ~し。目標はロシア北方艦隊。旗艦は空母アドミラル。こちらにも空母はいるが軽空母な上、艦載機は神風ではなくF-35だ。あまり空からの援護は期待できない。扶桑さん、山城さん。あなた方が頼りです。ロシアはアメリカのイージスシステムに対応する手段として、飽和攻撃を取った。米国のイージスより日本のアマテラスシステムの方が性能は上だが、飽和攻撃は十分厄介だ。伊勢の件もあるからな。対空見張りは常時最大で行く」
扶桑
「了解です。そろそろ島の影から出ますよ」
電測員
「CICより!方位042、距離500kmにロシア北方艦隊を捕捉」
篤
「よし、総員戦闘準備!扶桑さん、主砲の射程圏内ですね?」
扶桑
「もちろん!」
篤
「主砲発射準備。火器管制を艦魂へ譲渡。恐らく向こうも気付いている、気をつけてください」
山城
「わかってるっつーの!!斉射用意!目標捕捉、撃てぇぇぇ!」
第5艦隊より500kmの地点
ロシア北方艦隊 旗艦アドミラル・クズネツォフ
レーダー員
「お出迎えだ。日本艦隊捕捉、アッツ島に隠れてました」
艦長
「やはり来たか。対応が早くて困ったのは初めてだ。攻撃準備。続いて艦載機発艦準備」
オペレーター
「攻撃準備、攻撃準備。グラニート連続発射、カウントダウン、6・・5・・4・・」
レーダー員
「アッツ島近海で大電力の放電を確認!艦長!レールガンです!」
艦長
「来たか。ミサイル発射中止!全艦、艦間距離に注意しつつ回避運動!」
直後、十数本の水柱が上がる
オペレーター
「我が艦は損害ゼロ。ですが水雷艇アドミラル・ウシャコーフが直撃弾で爆沈。ピョートル・ヴェリーキイは、艦橋へ直撃、指揮及び操艦に支障が出ている模様」
艦長
「たった1度でこれか。そりゃハワイを落とせる訳だ。反撃開始」
オペレーター
「グラニート飽和攻撃レベルで連続発射。各艦対艦ミサイル全力発射用意」
数秒後、数種類の対艦ミサイルが次々と発射され音速を超え第5艦隊へ向う
第5艦隊旗艦 『扶桑』
電惻員
「命中3発。さすがにこの距離だと無理があります」
扶桑
「ちゃんと狙ったんですけどね~」
山城
「のんびりしてる暇は無いみたいだぜ・・・ミサイル多数接近。対空ミサイル、15cm単装電磁投射砲迎撃開始!!」
電測員
「3分の1撃破。さらに接近!」
山城
「20mm起動!ばら撒けぇぇぇぇぇ!」
篤
「だめだ!各艦電磁防壁展開!」
艦隊正面からロシアの大型対艦ミサイルが音速で突っ込んでくる
山城
「っぶねぇ。・・・・くそ!駆逐艦が1隻やられた!」
篤
「日本海軍初の沈没か・・・・くそが・・・・」
電測員
「敵空母より艦載機の発艦を確認、数10」
篤
「よし、こっちもだ。鳳翔、龍驤よりF-35を発艦。続いて発艦完了しだい、高速機動戦へ移る。空母と護衛は待機」
MIST1
「ミスト1発艦完了。敵艦載機迎撃へ向う」
ベーリング海 上空2500m
MIST1
「敵機捕捉。全機散開!!」
MIST4
「MIST1、数が多いぞ・・・あれはT-50だ!艦載機に改造したのか!?」
MIST1
「全機警戒!Su-33の中にT-50が混ざってる!」
MIST3
「くそ!後ろを取られた!でかい割にちょこまかとっ!」
ビーーッビーーッビーーッ
MIST3
「フ、フレア!!!」
ボッボッボッ、とF-35の機体後部から火球が飛び出す。が、無情にもフレアの合間を縫うように飛び、ミサイルは命中した
MIST1
「気をつけろ!かなりの手練だ」
第5艦隊旗艦 『扶桑』
電測員
「航空隊が交戦開始。1機撃墜された模様、加えロシア艦載機にT-50が混じっていたとのことです」
篤
「ロシアめ・・。まぁここで空母を沈めれば脅威は消える。空母とその護衛以外へ、高速機動戦開始。一気に勝負を付ける」
扶桑、山城以下、青葉、駆逐艦5隻は増速し、あっという間に55ノットに到達した
篤
「対艦ミサイル発射!!」
8隻から計25発のミサイルがロシア艦隊へ向う
ロシア北方艦隊 旗艦アドミラル・クズネツォフ
オペレーター
「航空隊、会敵」
レーダー員
「艦長!国籍不明の艦隊を・・・・・いえ!これは・・・・日本艦隊の別動艦隊を捕捉。信じられない速度です!続けてミサイル発射!」
オペレーター
「ミサイル迎撃開始。コールチク及びAK-630起動!」
この時、ロシア艦隊はミサイルに気を取られ日本艦隊の位置を見ていなかった
篤
「よし!ロシア艦の横っ腹に大穴空けてやれぇぇぇ!」
山城
「主砲!てぇぇぇぇぇぇ!!」
戦艦2隻20門、重巡1隻16門、駆逐5隻10門。計46門の大小のレールガンが一斉に火を噴いた
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ロシア北方艦隊はミサイル迎撃に気を取られ、日本艦隊が真西150kmに来ていたことを知らなかった
反撃、いやレールガンの発射にも気付かずにロシア艦隊はベーリング海に没した
後日、第5艦隊は空母と合流し駆逐艦1隻を除いて、帰還の途に着いていた
そこに、拓也から連絡が入る
拓也
「篤!!」
篤
「拓也か!ロシア艦隊は仕留めたぞ。俺の考えた高速き」
拓也
「それは、分かってる!それより、アメリカが動いた!増速し、急ぎ帰還せよ!!」
篤
「り、了解!なにがあった!」
拓也
「とにかくはやく帰ってこい!以上!通信終了!!」
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