第21話 空中艦隊迎撃作戦
LANCER1
「ランサー1より各機へ、これより敵原子力重巡航航空艦へ急降下爆撃を行う。目標は新型核巡航ミサイル『アニマ』発射口。全機武装ロック解除。JDAM投下準備」
ランサー1の合図で45機中15機の胴体下ウェポンベイが開き、1機につき2発、計30発のJDAMが顔を覗かせる
因みに今作戦の兵装は
F-3『神風』
90式空対空誘導弾2基(側面ウェポンベイ)は全機共通
JDAM2発 99式空対空誘導弾4基(胴体下ウェポンベイ)45機/15機
99式空対空誘導弾6基(胴体下ウェポンベイ)45機/30機
LANCER1
「敵艦直上へ接近。投下後散開し各機自由攻撃。残りの30機は空中艦隊の背後から対空兵装の破壊を頼むよし!俺に付いて来い!」
15機の神風が垂直に降下していく。残りの30機は加速、旋回しつつ降下して艦隊後方に回る
LANCER1
「投下位置!全弾投下!」
アルヴィト 操艦室
レーダー員
「ん?・・・・」
オペレーター
「どうした」
レーダー員
「いえ、一瞬レーダーに影が」
オペレーター
「念の為だ。ゲンドゥルに確認を取れ」
通信員
「はい・・・・・そのようなものは映らなかったそうです」
オペレーター
「そうか」
レーダー員
「レーダーに影ッ!数30!直上!戦闘機?・・・いえ、爆弾です!!」
ズガァァァァァァァァァァァァン
艦長
「なんだ!?被害報告!」
オペレーター
「艦上部のアニマ発射口被弾、10基の内7基やられました。飛行に支障はありません!」
通信員
「後部艦橋から!日本機を目視で確認!新型ステルスです!」
艦長
「クソがっ!!戦闘機隊発艦!・・・日本め、新型機まで配備してやがったか。本土からは遠すぎる。近くに空母がいるはずだ」
通信員
「下部艦橋より、レーダー、光学カメラ、共に艦影捕らえてません!」
艦長
「なんなんだ!もういい!今は戦闘機を落とせ!艦隊防御陣形!」
艦長がそう合図するとフリスト、ゲンドゥルが移動をはじめる
LANCER2
「おいおい!近づきすぎだろ!ぶつかって勝手に落ちるんじゃねぇか?」
LANCER1
「2へ、よそ見してるとこっちが落とされるぞ。さっきから警告音が鳴りっぱなしだ」
ASTER4
「アスター4からランサー1へ。こっちはミサイルは撃ちつくした!艦隊支援はまだですか!?」
LANCER1
「ランサー1了解。確認を取ってみる。・・こちらランサー1、艦隊、今どこにいますか?」
拓也
『こちら北川だ。貴機らの前方50kmの地点だ。まもなく支援を開始する。退避されたし。第二波が向かった。弾薬補給に空母へ帰還しろ。我々の後方10kmに赤城と加賀がいる』
LANCER1
「了解。対空兵装はあらかた削った。支援感謝する。ランサー1より第1次攻撃隊全機へ、艦隊が支援位置についた。退避しろ、下から鉄の矢が飛んでくる」
アルヴィト 操艦室
レーダー員
「日本機が撤退していきます。助かりました」
艦長
「まだだ!油断するな!何かあるはずだ、対空対地見張り強化!」
連合艦隊旗艦長門 艦橋
拓也
「戦艦級へ通達。これより砲撃支援を開始する。電磁防壁及び外部迷彩皮膜解凍。目標敵空中艦隊。各艦、砲撃管制を艦魂へ譲渡」
長門
「了解。砲撃準備、蓄電開始・・・・・・・・完了。射線上に見方機無し。・・・全砲門斉射!」
アルヴィト
ゴォォォォォォォォォン
艦長
「今度はなんだぁ!!ミサイルか!?爆弾か!?」
レーダー員
「どちらも違います!一瞬ですが、反応がありました。極超音速の飛行物体です」
艦長
「レールガンが・・・損傷はッ!」
オペレーター
「下部、左翼に被弾、凹んだだけです。フリスト、ゲンドゥル共に被弾。飛行に障害はありませんが死傷者が数名とのことです。戦闘機隊はソニックウェーブで8割が爆発」
通信員
「下部艦橋より!!前方45kmに日本艦隊、戦艦と思われる反応が6つとその他多数!総勢63の大艦隊です!!!しかし空母は見当たらないとの事です」
艦長
「45km!?そんな近距離にいて何故探知できんのだ!クソ・・・ここでこの空中艦隊を失う訳にはいかん。アニマはまだ撃てるか・・・」
オペレーター
「はい、発射口3つ健在です。し、しかし核を容易には・・・・・・」
艦長
「うるさいっ!黙れ!日本なんかに負けてたまるか!3発発射後ハワイへ撤退する!」
オペレーター
「り、了解・・・」
第2次攻撃隊 LEVIN1
「レヴィン1より旗艦長門へ。敵艦が反転を開始。撤退していく模様です。・・・・・待ってください!、あれは・・・・・アニマ発射口が生きてます!開放を確認!は、発射されました!!」
連合艦隊旗艦長門 艦橋
拓也
「アニマの発射を許した!長門迎撃出来るか!?」
長門
「砲身冷却が間に合わない!だが捕捉した!速いぞ、音速はゆうに超えている。私ら戦艦は無理だ、重巡なら!那智!迎撃頼む!」
那智を含む8隻の重巡洋艦の主砲が稼動しレールガンを放つ
長門
「二発撃墜!一発逃がした!」
全艦ミサイル迎撃能力は持っているが、弾道弾及び巡航ミサイル迎撃能力を保有するのは戦艦及び重巡のみだ。しかし重巡の迎撃能力は戦艦のそれに劣る。意外なところで日本海軍の弱点が露呈した。
だが、敵はその事を知らない
拓也
「こちら連合艦隊!核巡航ミサイルが本土へ向かった!」
基地司令
『こちら富士基地司令だ。了解した。迎撃準備に入る。航空機を高度2千以下に下げておいてくれ』
拓也
「りょ、了解」
富士基地
基地司令
「ミサイルが飛んで来るぞ、それも核だ」
司令補佐
「わかりましたから、ほのぼのしてないで命令を!」
富士基地司令は60後半の温厚なおじ様だ
その司令を補佐しているのが30代の女性だ
基地司令
「そう怒らんでくれ。んんっ・・・えーこれより発射実験及び巡航ミサイル迎撃に移る。補佐殿後は頼んだ」
司令補佐
「んもぉ。しっかりしてくださいね!加速器始動。荷電粒子の加速開始」
オペレーター
「稼動状態良好。加速率70%」
レーダー員
「ミサイルさらに接近」
司令補佐
「発射はいつ出来る?」
オペレーター
「加速率100%、可能ですが、もう20%上げさせてください」
司令補佐
「なぜです?」
オペレーター
「はい、簡単に言いますと射程、威力ともに跳ね上がるからです」
司令補佐
「しかし、ミサイル迎撃だけですよ?そこまで・・・・ってまさか!?」
オペレーター
「そう、そのまさかです。空中艦隊の1隻程度なら落とせます」
司令補佐
「そう・・・じゃあお願いするわ」
オペレーター
「了解です。加速率もう20%上昇。第4砲塔に全出力を回せ。司令、発射許可を」
基地司令
「・・・ん?あぁ、いいよ。撃って撃って~」
オペレーター
「・・・はっ!!り、了解!(唖然としてしまった)射角修正。発射まで5・・4・・3・・2・・1・・発射!!」
富士山の中腹から金色に輝く光の束が水平線の彼方へ伸びていく
レーダー員
「ミサイル蒸発。荷電粒子ビーム、連合艦隊上空を通過。空中艦隊へ接近中」
司令補佐
「意外と遅いのね。もっとこう・・・バシューンと一瞬なのかと思ったわ」
オペレーター
「亜音速ですし、しかもあの距離ですからね」
レーダー員
「命中します」
ハワイ基地より20km高度3000m 空中艦隊
アルヴィド
レーダー員
「アニマ全弾撃墜されました・・・・」
艦長
「くそ!まぁいい、この艦隊が健在なんだ、大丈夫だろう」
ゴォォォォォォォォォォォォォォ
全幅1キロ近くあるアルヴィドが大きく振動する
フリスト1オペレーター
『こちらフリスト1!左翼が消えた!落ちる、落ちるぅぅ!・・・・ピーーー』
ゲンドゥル2オペレーター
『こっちもだ!!右翼が消し飛んだ!うわぁぁぁ・・・ピーーーーー』
通信員
「フリスト1及びゲンドゥル2、爆沈・・・・・・」
艦長
「クソッタレッ!!」
迎撃作戦は日本側の完勝となった。
それと同時に富士基地の荷電粒子ビーム砲も正常に稼動し、さらに稼動初日で大きな戦果まで出した。
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