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第15話 対中殲滅戦


拓也

「佐世保に伊勢達が無事到着したそうだ。なぁ、長門。今回の日向の件だが詳しく教えてくれないか?」


長門

「あぁ。それはかまわないのだが。実を言うと我々もよくわかってない部分が多い。何故発光するのか。何故変形するのか。何故スペックを越えた性能が出るのか。ただ、確実なのは我々艦魂には人間と同じように意思があり、感情がある、とゆうことだ」


拓也

「そんなこと分かっている。何が言いたい」


長門

「簡単なことだ。人間だって怒るだろ?そしてその勢いで人に暴力を振るったり、人を殺めてしまったりしてしまう。それと同じだ。急激な感情の変化は容易にコントロール出来る物ではない。今回の日向がそうだ。奴は普段、物静かで落ち着いた奴だった。それがあそこまで凶暴化してしまう。正直驚きを隠せない」


拓也

「・・・感情を持った兵器・・か・・・・」


スパァァァァン


長門が拓也の頬を叩く



拓也

「!!・・・」


長門

「見損なったぞ、拓也。お前は・・・お前は違うと思っていたのに!貴様まで私達を消耗品である兵器扱いするのか!70年前、私は多くの仲間を失った。皆がそうとゆうわけでは無いが、海軍の偉いさん等は私達をただの消耗品としてしか見てなかった!沖縄特攻や呉で浮き砲台になった奴なんかいい例だ。少なくとも私達は意思があった!人間扱いをしてくれとまでは言わん。ただ大事にして欲しかった・・・。兵器として作られた私がこんなことを言うのはおかしいかもしれない!だが!無理を強いられ、勝ち目の無い戦場に出て行く奴らを・・私はもう・・・見たくない・・・・・。信じられるか?笑っていたんだ・・・沈むのが分かっていながら・・・もう・・・・あんな顔を見たくないし、させたくないんだよ・・・・」



最初は怒鳴り散らしていた長門だが、次第に目に涙が溢れる。執務室の床に突っ伏せ、言葉を一つひとつ搾り出し訴える。その姿に拓也は動けないでいた


そのとき、執務室の電話がなる。拓也は我に返り電話に出る。


拓也

「ど、どうした・・・」


「中国陸・空軍が反撃に出た!尖閣方面へ侵攻中!」


そこで、気配を察知し拓也は振り返る。


長門

「・・・我々がやる。人間様の言うとおり兵器として。貴様らの手は借りん」


拓也

「待て!長門!!」


執務室のドアがゆっくり閉まる


「どうした拓也!長門が何だって!?」


拓也

「やばい・・本気だ・・」


「は?」


拓也

「さっき長門と喧嘩した。俺は彼女等を兵器としてしか見てなかったんだ・・・」


「話が読めないんだが・・・」


拓也

「すまん切るぞ!」


電話を切ると、拓也は総理へ電話をかけた


拓也

「もしもし、総理ですか?」


香川総理

「あぁ、そうだが」


拓也

「突然ですが、中国政府に連絡を取ってください」


香川総理

「なんだと!?仮にも今は戦時だ!そんな事出来る訳・・・」


拓也

「お願いします・・・・・」


香川総理

「・・・・わかった。何と伝えればいい」


拓也

「ご理解感謝します。内容は。直ちに尖閣方面への侵攻を中止。それと都市部、軍事施設付近から出来るだけ遠ざかってくれ。と。でなければ・・・・世界人口が10億人減ることになる」


香川総理

「なっ!?・・・・わかった伝えてみよう」



戦艦長門 甲板上


長門

「聞こえるか、大和、金剛、伊勢」


大和

『聞こえるよ長門。急にどーしたの?』


長門

「この時代の人間も昔と変わらん」


金剛

『ど-ゆう事だい?長門」


長門

「気にするな。伊勢大丈夫か?」


伊勢

『何とかねー。今、中国が攻めてきてるんでしょ?出ようか?』


長門

「無理はするな。大和、金剛。出れるな?」


大和・金剛『OK!』


長門

「よし。各基地に最低限の戦力を残し全力出撃。尖閣諸島へ向かえ」


金剛

『でも、命令は出てないけど・・・』


長門

「いいから行け!!」



呉海軍基地


基地副司令

「総理の呼びかけもむなしく、中国軍現在も侵攻中」


基地司令

「総司令はなにを考えているんだ・・・」


考え込んでいると、執務室の扉が勢いよく開き水兵が駆け込んでくる


水兵

「大和、武蔵以下、重巡1、軽巡3、駆逐20が、勝手に港を出ました!」


基地司令

「なんだと!?」


基地副指令

「―――はい、そうですか。わかりました。でわ失礼します」


基地司令

「誰からだ?」


基地副指令

「総司令からです。この件はこちらで対処する。とのことです」




2時間後、大和等は舞鶴の金剛・比叡・榛名以下、重巡2、軽巡2、駆逐15と対馬近海で合流。尖閣を目指し50ノットの快速で航行を続けた。



これの2時間後、尖閣に中国軍が上陸。着々と島の防衛を固めていた。


長門

「大和。主砲の射程に入り次第、陸の部隊に艦砲射撃。各揚陸艇、航空機へミサイル攻撃。一瞬で仕留めろ」


大和

『了解!でもいいの?』


長門

「構わん、やれ」


その30分後、大和・武蔵の46cm3連装電磁投射砲の射程に中国軍がすっぽり入った


大和

「第1、第2主砲・・・撃てぇぇぇぇぇ!!続けてVLS開放。ありったけぶち込めー!」



尖閣諸島 魚釣島


仮設レーダー

レーダー兵

「ん?今何か映っt・・・


ズドォォォォォォォォォン


大和・武蔵の放ったレールガンの着弾だ

中国の、しかも仮設のレーダーでマッハ6の飛翔体は捕らえれない


地面は波打ち、地形が変わる。着弾の衝撃ですべてが放射状に吹き飛ぶ。装甲車は原型を留めず、人に至っては文字通り跡形も無く消し飛んだ


続けてミサイルが着弾し始める



一瞬にして尖閣侵攻部隊は全滅した



大和

『長門、殲滅完了したよー。次は?」


長門

「ん・・・中国本土だ」


拓也

「待てっ!!」


長門が振り返ると、ここまで走ってきたんだろう。膝に手を当て、息を切らす拓也と陸奥がいた


長門

「なんだ、総司令殿」


拓也

「ほんっとにすまなかった!」


そういい戦艦長門の甲板に額をなすり付け土下座する


陸奥

「ね?長門さん。許してあげて、こうして謝ってくれてるんですし。司令も顔を上げてください」


長門

「陸奥・・・何故お前はそう易々と許せる・・・」


陸奥

「なんでって・・・。司令も人間よ、間違いを犯す事だってあるわ。それに少し前までは私達とは違う、無機質で無感情な兵器しか知らなかったの。無理も無い話よ。今回もそんな意味で言ったんじゃないと私は思うけど」


拓也

「ごめん、長門。そんなつもりじゃなかったんだ。この通りだ。もう70年前のようなことにはさせない!絶対にだ!・・・・許してくれとは言わないし言える立場でもないのは分かってるつもりだ・・・・・」


長門

「・・・・・・・・・・・・」


しばらく、数分だろうか、長門は考え込んだ



長門

「顔を上げてくれ。拓也。こちらこそすまない、取り乱してしまった。あ、そーいえば、頬をはたいてしまったな、大丈夫だったか!?は、腫れているではないか!すまないことをした。すぐい、医務室に!陸奥行くぞ!」


陸奥

「あらあら、長門さんったら。はいはい」


長門は拓也の頬のはれを見て慌て、薄っすら涙を浮かべながらおろおろしている

それを見た拓也も慌てだし、陸奥は笑いつつも二人を歩かせた



その後、大和等の中国本土攻撃は回避され、中国も尖閣の一件もあり今は大人しくしている。ただし戦闘が終わったわけではなく両者の睨み合いは続いたままだ




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