第14話 堕艦
佐世保海軍基地
司令
「いよいよだ、各艦準備が完了しだい報告」
試験航海参加艦艇
伊勢・日向・翔鶴・天龍・龍田・駆逐艦5隻
2時間後...
東シナ海洋上
旗艦 駆逐艦涼月
通信員
「久米島第54警戒隊から入電。中国本土より南、東シナ海上空に中国国籍と思われる無人機を捕捉。とのことです」
電測員
「こっちのレーダーでも捉えた。監視を続けます」
通信員
「那覇基地より、スクランブルで心神が2機上がりました」
東シナ海上空3000m
Elf1
「レーダーで確認。Elf2呼びかけてみろ」
Elf2
「Elf2了解。こちら日本空軍那覇基地所属第204飛行隊。ただちにこちらの指示に従い、進路を変更してください」
.......応答は無い
Elf1
「ッチ!繰り返す、指示に従い進路を変えなさい。このコースだと日本の領空へ入ります」
Elf2
「管制へ。応答がありません。指示を仰ぎます」
管制塔
「そうか、最終勧告後、応答が無く領空侵犯の恐れがあると判断した場合撃墜を許可する」
Elf2
「Elf2了解。Elf1聞こえたな」
Elf1
「あぁ。最終勧告です。進路を変えなさい。指示に従わない場合、脅威があると判断し撃墜します」
Elf2
「応答ありませんね。管制塔」
管制塔
「許可する」
Elf2
「Elf2了解。Elf1」
Elf1
「敵機ロックオン。90式発射」
Elf2
「ミサイル命中、撃墜を確認。これより帰投します」
中央防衛局 中央作戦司令部
局員
「東シナ海上空で中国国籍と思われる無人機を撃墜」
局長
「はぁ...またうるさくなるな。悪いのはあっちなんだが」
局員
「ん?天照より映像が来てます。モニターに回しますね」
局長
「これは...いよいよいかんな......総理に緊急連絡」
中国大統領
「十数分前、我が軍の無人機が東シナ海上空にて、日本機に撃墜された。中国はこれを日本の我々に対する戦争行為と判断し果断な措置を取り反撃する」
香川総理
「これが中国だ。現に予定していたかのように、東シナ海沿岸部には軍用車両がうじゃうじゃいる。それと確か、佐世保の艦隊が航海に出でいt「中国軍のミサイル発射を探知!佐世保の艦隊が目標だと思われます!数200!」
東シナ海
旗艦 駆逐艦涼月
電測員
「ミサイルアラート!北からです!数およそ200!」
通信員
「中央作戦司令部より、中国がミサイルを発射した。とのことです!」
艦長
「多すぎだろ!?各艦独立してミサイルを迎撃!」
電測員
「ミサイル接近!だめです。間に合いません!」
艦長
「衝撃に備えーー!」
ズドォォォォォォォン
次々とミサイルが着弾し、黒煙が上がる
艦長
「各艦、被害は!!」
通信員
「我が艦・日向・翔鶴・駆逐1隻は無傷です。伊勢が後部艦橋を被弾、後部SPYレーダー機能停止。天龍・龍田・駆逐2隻小破。駆逐1隻大破、ですが航行には問題ないそうです」
電測員
「対艦ミサイル第2波を確認!」
通信員
「伊勢より通信!」
伊勢
「艦長さん!操艦を私達に任せてください!」
艦長
「...分かった。各艦、操艦を艦魂へ譲渡!」
伊勢
「ありがと!艦長さん!皆、翔鶴さんを中心に輪形陣。こんなところで空母を失う訳にはいかない!」
日向
「ミサイルさらに接近...」
伊勢
「対空戦闘!全力で撃てぇぇぇぇぇぇ!!」
数秒後、数キロ先で大爆発が起きる
涼月電測員
「全弾...撃墜...すごい!」
伊勢
「どーだい!すごいでしょ!」
えっへん!と威張る伊勢だったが、この時彼女は1つ、重大なことを忘れていた
日向
「姉さん第3波、どや顔してる場合じゃない...」
伊勢
「わかってるって!ってさっきより数多いじゃん!」
日向
「何か変...アラートが鳴らない」
伊勢
「こっちはビービー鳴ってるよ?」
涼月艦長
「伊勢!飽和攻撃だ!全艦伊勢をカバー!」
日向
「ダメ...数が多すぎる...!!。姉さん5時の方向!」
伊勢
「え...うそ...きゃぁぁぁぁ!」
第1波の被弾時に後部のSPYレーダーを失っていたため、後方の索敵がおろそかになっていたのだ。ミサイル迎撃能力を失った伊勢の周りに、次々とミサイルが着弾する
水しぶきと黒煙が伊勢の巨大な艦体を包んで様子がうかがえない
日向
「伊勢...姉..さん...?」
涼月通信員
「伊勢被弾!損害不明!日向対空砲火沈黙!」
涼月艦長
「日向!どうした!」
涼月電測員
「残りのミサイル、日向に目標変更!接近中です!」
日向
「ね...んを....せ...。ねえ...をか..せ...」
涼月艦長
「なんだって!?日向しっかりしろ!」
涼月電測員
「さらにミサイル、日向に接近!迎撃、間に合いません!被弾しますっ!」
ズドォォォォォォォォン
涼月電測員
「日向..被弾。戦艦2隻を...」
日向
「姉さんを...返せっ!!」
スパァァァァァァァン
あたり一面に衝撃波が走る、それと同時に日向を包んでいた煙が吹き飛び姿を現す
涼月観測員
「日向健在!損傷見うけられません!ですが...いたるところが赤く発光しています...」
日向通信員
『こちら日向。内部構造が変化して、う、うわぁぁぁぁぁ!.........』
涼月通信員
「通信...途切れました....」
涼月艦長
「何が起きている.....?」
艦長がそういった時、涼月にスピーカーからドスの効いた低い声が聞こえる
日向
「セッティングオールクリア。全武装開放。敵の息の根を止めてやる...」
涼月通信員
「日向、VLS開放、こんな識別番号のミサイル搭載されてなんていません!ミサイル連続発射!数およそ100!続けて主砲発射!秒間10発、スペックをオーバーしています!」
涼月艦長
「日向に何が起きている!そ、総司令に緊急連絡」
横須賀海軍基地 司令執務室
拓也
「――そうか、なにかわかったら連絡する。持ちこたえろ!」
長門
「日向が...堕ちたか...」
拓也
「堕ちた?どうゆうことだ、長門」
長門
「一応、我々は人と同じような感情があるだろ?それで、自分や自分と親しい艦に危機が迫ると我を失って、暴走状態になるんだ。その際、艦の形状、内部構造、武装が大きく変化する。実際、過去に山城が堕ちかけた事があった。堕ちる前に沈んでしまったがな。まだ分からないことが多い」
拓也
「どうすれば...治る...」
長門
「それは、日向しだいだ。戻るまで脅威と判断したものを破壊し尽す。この場合、中国が更地になるまでとまらんな」
拓也
「そんな...他に!他に方法は無いのか!」
長門
「すまない...」
東シナ海洋上
旗艦 駆逐艦涼月
電測員
「中国本土東シナ海沿岸部のミサイル発射基地、日向のミサイル及び主砲により全滅...続けて海軍基地も殆どが壊滅状態です...」
艦隊のすべての人間は戦艦日向の鬼神の如き姿に、恐れ慄いていた。だれも動けない
日向
「よくも..姉さんを、よくもっ!!」
伊勢
「私がなんだって?日向」
日向
「え...?姉さん?」
伊勢
「ってて。さっきのは流石に焦ったねー」
日向
「姉さん、無事なの...?」
伊勢
「お姉ちゃんは、あれぐらいでは沈まないよー、なんたって日向のお姉ちゃんだからね!」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
日向の艦体から蒸気が噴出し。発光はおさまり外観、内部ともに元の姿に戻っていく
涼月通信員
「日向、沈黙。攻撃停止」
伊勢
「日向..私のために怒ってくれたんだね...あなたみたいな妹を持てて、お姉ちゃんは幸せ者だね」
そう言って頬に涙を流す
涼月艦長
「総司令より、佐世保への帰投命令が出た。日向の曳航準備。伊勢さん、日向さんを頼みます」
この後、伊勢が日向を曳航し佐世保へ無事帰還した。
日向の内部を見ると、そこにはドス黒い赤で染まった艦内があった...
タイトルの“堕艦”ですが、今回の話の内容を踏まえ自分で考えついた言葉だったんですが、検索してみるとR18の艦これの2次創作作品のタイトルになっててがっかりしています。そちらとは一切関係ないんであしからず。




