第8話 J計画始動
これは、2015年8月15日の日本国第100代内閣総理大臣香川敦彦による大演説の内容である。
補佐官
「総理。演説の準備が整いました」
香川総理
「ん、わかった」
総理補佐の言葉に短く返すと、膝に手をつき立ち上がる。そしてマイクの前に立つ。
香川総理
「んん、全世界の皆様どうも日本国第100代総理香川敦彦です。この度はこのような場を用意してくださり、誠に恐縮です。早速ですが、本題に移らせてもらいます...戦後まもない頃、我々日本国民はアメリカ統治の下、何とか国を建て直し復興。そして、非戦争国として終戦から70年、この日まで世界有数の経済大国としてアメリカのお膝元でせっせと働き、出来る範囲での防衛力強化、他国への経済的支援、そして何より平和憲法を謳い大国のいいようにされてきた。しかし、皆様もご存知であろう、今年6月に日本に先代の魂が戻ってきた。大日本帝国の誇る連合艦隊である。それを機に日本に変革が訪れた。日本国民の心に、大和魂。愛国心が戻ろうとしている。この日本に愛着を持ち忠誠を誓う心。第2次世界大戦当時の日本にあった物だ。しかし、あの頃に戻るわけではない。確かに先代日本は偉大だ。だが欠点も多かった。日本は変わる。その象徴としてある計画を実行に移す」
香川の背後の巨大スクリーンに明かりが灯る。
『J計画』
「日本再建計画。J計画は略称だ。内容を今から説明する。内容はおおまかに4つにわけられる。1つは、国が進める計画。その他は陸海空各軍による3つだ。ここから皆様には映像にて説明します。スクリーンにご注目してください」
スクリーンの文字がJ計画から様々な計画名へと変わる。
国家企画として、
『ジオフロント計画』
来る大戦に備え、各地方に巨大核シェルターの建造。
『富士防衛基地建設計画』
日本の絶対的防衛の要としての基地建設。
『天照計画』
日本の優位を確定付けるもの。
陸軍
『第5世代戦車開発計画』
第4世代の10式を超える戦車の開発。
『絶対防衛兵器開発計画』
「富士防衛基地建設計画」と同調。
海軍
『新生連合艦隊計画』
既存の艦艇を凌駕する艦隊の設立、及び海兵隊の編成。
空軍
『十勝・那覇空軍基地建設計画』
戦略空軍の設立、及び戦略爆撃機「富嶽」の開発。
『第6世代戦闘機開発計画』
空軍次期主力戦闘機の開発。
「今見てもらったのが、J計画の中身だ。なお計画の殆どが実行済みである。この計画の発表は、変な反感を買わない為のものだ。各国!対応を見させてもらいますよ。こそこそなどしない!堂々とここに宣言する。これから大きな変革が起きる。それは日本に留まらず...以上で演説を終了します。ここまでお付き合い感謝します。」
この演説は、良くも悪くも世界に新生日本を強く意識させた。
副総理
「ほんとに発表してよかったのでしょうか、総理」
香川総理
「もう演説は終わった。それにあれは大雑把にまとめただけのものだ、ものすごく具体的だったろ」
そう言い、大声で笑いながら香川は帰宅の途についた。
今回は長年の妄想をふんだんに盛り込みました!
次回からは計画の本格的説明です
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