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魔法使いの雑貨屋  作者: 狸寝入り
《第二章 王女様とレイビィトの霊薬》
65/124

馬車の中で

 申し訳ありません。

2時間以上経っても投稿したPCが結果を反映していなかったため、同じ物を複数投稿することになってしまいました。

 現在、投稿予定場所として置いてあります。

  市民で賑わう王都。昼時でちょうど人気ひとけが多くなる頃合だ。

 そんな王都に任務を終えた騎士たちが馬と馬車を引き連れて帰還した。先頭はカイオールだが、その後ろには王子の姿がない。

 出発時は早朝ということもあり、人目が少なかったから良いが、今は時間帯が悪い。

 ここまで多くの市民がいる中を王子が堂々と馬に跨っていれば、いらぬ騒ぎを起こすことにもなりかねない。

 そのため王子とついでにフィリアはレミアータを護衛につけて、一緒に馬車の中で姿を隠していた。


「すまないことだけれど、このまま王宮へと来てもらうことになる。家に帰りたいとは思うのだが、もうしばらく辛抱して欲しい」

「いえ、ジルオニクス様が謝られることではありませんっ。わたしもそうなるだろうとは考えておりましたから」


 眉尻を下げてすまなそうに声を落とすジルオニクスの姿にフィリアは慌てる。


「ありがとう。ところで、此度のことで恐らく陛下からネイト殿とフィリア嬢には報奨が出るだろうから何か考えておいてくれないかな?」


 王太子とは思えないほどあっさりと礼を述べるジルオニクスが、続いてフィリア自身すら忘れ去っていた爆弾を投下した。

 報奨と聞いてフィリアはあからさまに顔色を青くする。


「フィリア嬢…? どうかしたか?」

「ほ、報奨…、報奨って何がいいんでしょうか? え、それより報奨って自分で選ぶものなのですか…っ?」

「フィリアさん、落ち着いて下さい。確かに陛下がお決めになって贈られる物もありますが、今回はそれに含まれない物なのでしょう」


 狼狽するフィリアをレミアータが冷静な声で落ち着けようとしている様子にジルオニクスは思わず笑いを零す。


「くくっ…。そうだよ、今回は君たちが選んでも構わない物だ。王女の命を救うために動いて、そして任されたことを確かに全うしたんだ。あまり高い物とかは難しいけれど、大抵の事は大丈夫だよ」

「でも、まだ王女殿下のご容態は安定していないはずです…。それなのに報奨を頂くなんて…」

「それでも、だよ。命が助かるかどうかはあとは別の人間の仕事で、王女自身の気力の問題でもある。君たちは助けるために全力を尽くし、そして結果を出した。それは私がよく分かっている。だから報奨はきちんと受け取りなさい」


 諭すようで、しかし力強く訴えるジルオニクスは、やはりこの人は王子なのだと確かに感じさせるものがあった。

 そもそも報奨は、国に貢献した者に報いるための褒美である。それなのに結果を出したにも関わらず、報奨を貰えない者が出たとなるとそれこそ王家の威信に関わる。

 それを含めてジルオニクスはフィリアに報奨を受け取るように促したのだ。


「……はい、分かりました。それでは何か考えておきます」


 しばらくの間、彼の言葉を反芻していたフィリアだったが、完全に納得はできなくても静かに頷いた。


「そうしてくれ」


 ふたりの話がひとまず片付いたのをレミアータが横で僅かに微笑みながら眺めていた。



(でも、報奨でしょ? どんなのがいいんだろう…? 前例とかあれば分かりやすいんだけど、今から聞くのも…)


 考えておくといった手前、報奨について思案することにしたフィリア。

 その脳内ではあれは駄目、これはどうだろうと色々と案が浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返していた。


(無難なところだとお金…、だけどなんかそれってやだなぁ。お金のために依頼を受けたわけじゃないし…。だとすると新しい商売道具? あーでも、そういうのはやっぱり自分で揃えた方が愛着が、ごにょごにょ)


 なるべく早く決めなければ、すでにここは王都の中だ。もうしばらくすれば王宮について、そのままろくに考える余裕もなく謁見になるだろう。そのまま王女殿下の容態の話にもなるかもしれない。

 ちゃんと決めてからでなければその場で慌てふためいて、変なことを言う自信がフィリアにはあった。

 そんなことになったらと想像して今から顔色を悪くするフィリアだったが、そこで心配そうにこちらを見ているレミアータと目が合う。

 そうして彼女を安心させるように笑って軽く手を振ったときに、良い案が思いついた。

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