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魔法使いの雑貨屋  作者: 狸寝入り
《第二章 王女様とレイビィトの霊薬》
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湿地帯

 すみません、本日更新が遅れました…。

「よしっ、全員揃ったな! それではこれより塔に上がる。朝に伝えたとおり、21層の湿地帯が目的地だ。遅れるなよっ」


 カイオールの号令が広場に響き、騎士たちは歩き出す。

 フィリアもそれに続いて塔の内部に入った。


「気を抜くな」


 ネイトが隣からいつも通りに声をかけてくる。その心配そうな声にフィリアは思わずクスっと笑みを零した。


「塔に入るときは当たり前だよ、ネイト。……あ、それと昨日はありがとね」

「ああ、あれか。気にするな、とは言わないが次からは酒はやめておいた方がいいぞ」


 何故か視線を逸す彼にフィリアはそうします、と笑う。

 そうしてそのまま昨日と同じように転移陣を利用して21層まで上がる。

 眩い光が収まるとフィリアの前には静かな湿地帯が広がっていた。

 虫の声が草場から、遠くで鳥の鳴き声が聞こえる。

 もしかしらそれは魔物の声かもしれないが、あたりの薄暗さからどこか不気味な雰囲気を醸し出してた。


「朝なのに…、暗いですね」

「ここは闇に潜む魔物も多く生息しています。警戒は渓谷以上に厳しくしていきましょう」


 レミアータが厳しい顔のまま腰の剣に手をかける。


「ここはさすがに分かれて進むには厄介な魔物が多すぎる。手間はかかるが、まとまって探すぞ」


 今回の方針を決めてカイオールが指示を出す。騎士たちも了解とすぐさま隊列を組み直した。

 ここは渓谷のように狭い道ではないので、割と広く場所をとれることだけはマシな方か。


「フィーはここの魔物はどれくらい知っている?」

「えと、湿気が多いからフィオ系とかあとはスキニス種、罠を張る植物系とかは知ってるけど」

「なるほどな。あとは虫系と蛇系だが、これが結構面倒な相手が多いんだ」


 フィリアの隣に並んだネイトがあたりに目を光らせつつ魔物についての注意点を挙げる。


「この辺は毒を持っている相手が大半だ。解毒薬は持っているだろ?」

「あ、うん。下級と中級は持ってきてるよ。上位はさすがにまだ用意してなかったから」

「それだけあれば十分だ」


 あいも変わらず準備のいい彼女にネイトは口の端に笑みを浮かべて頷く。

 何度か相棒として実習などをこなして来た人間として、彼女のその準備の良さに何度も救われているのでその有り難みは誰よりも知っているつもりだ。


「おふたり共、進みますよ」


 すでに前を歩いていたレミアータが手を軽く振りながらふたりを呼んだ。


「今いきますっ」


 フィリアはもう一度ネイトの方を向いてから、慌ててレミアータたちの方へ駆けた。

 

 守護結界から足を踏み出すと、地面に足を取られるような嫌な感触が伝わってくる。

 湿地帯ということで仕方がないことだが、これは戦闘では注意しないとまずいだろうなとフィリアは感じていた。


(最悪、魔法で足場を固めちゃうことも考えておいた方がいいかも)


 熱の魔法を使って足場を瞬間的に乾燥させれば多少はマシになるはずと自身の役割をシミュレートする。

 特に今回の本丸はグランレイフィオという新種だ。

 そのあたりは実際に相手を見てみないことにはなんとも判断できないが、足場がしっかりしていた方がこちらにはとっては戦いやすいだろう。


「観察することも考えて一度撤退、みたいなこともあるかもしれないけどね」


 小さく呟いたフィリアの思考はすでに警戒モードだ。シミュレートを繰り返しながらもあたりに魔力マナを広がらせて警戒にあたっている。

 ときどき何かが探査網に引っかかるが、こちらを警戒しているようで近寄ってこないので問題ないとフィリアは判断する。

 しかし湿地帯の暗さは一向に明るくなる気配はなく、フィリアたちに精神的な意味での負担を多く与えていた。

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