暗躍する者【※多少の暴力表現あり】
第1章はこれで本当にラストです。
少し、伏線っぽい話なので短いです。
そこはとある倉庫。薄暗いその場所で、ふたりの男が話していた。
「なんだとっ! 洞窟の群生地を盗られたというのかっ!? 馬鹿が、なぜもっと早く確保しておかなかった!!」
「しかし旦那様、あそこには恐ろしい魔物がいたということでどうしようも……」
旦那様と呼ばれた男のあまりの言い分にひ弱そうな男が恐々と言うが、それはすぐさま遮られる
「何のために大金を出して冒険者どもを雇ったと思ってるんだっ!? 大体それを何とかするのがお前の役目だろうっ、エドウィンっ!!」
ひ弱な男、エドウィンと呼ばれた人物に向けて旦那は手をあげて殴り、蹴り上げる。
エドウィンはその暴力にさらされながら、ひたすらに耐えている。
「も、申し訳ございませんっ、旦那様! ぐげっ…、うぇっ! 申し訳、申し訳ございません……っ!」
殴られながらも謝り続けるエドウィンに溜飲が少し下がったのか、その手を止める旦那。だがすでにエドウィンはぼろぼろになっていた。
「ちっ、だがこの損害、どうするつもりだ?」
「うぅぐっ…。……は、はい。実は領域を申請したルードスなのですが、どうやら群生地をある雑貨屋に貸出しているそうで…」
「あぁ!? 雑貨屋だ? どういうことだ」
エドウィンを威圧するように睨みつける旦那に、彼は思わず縮こまる。
「は、はい。なんでもルードスのご子息がその店の経営者と友人らしくてその関係だとか…。そ、それでですね、その経営者がどうも魔法使いの小娘だとかで」
エドウィンの発言の中にあった一言に旦那は目を見開いた。
「魔法使い、だと? それは確実なのか?」
「間違いないそうです。なんでもフレイル草を使って上級薬を売るとかいう話だそうです」
「……、はぁーそりゃ使えるなぁ。おい、エドウィン。お前はなんとかその小娘を手に入れろ。そうすりゃ、今回のことは水に流してやる」
魔法使いは貴重な人材だ。上手く使えば群生地なんて比べ物にならないほどの利益を生む。
それを理解している旦那は舌なめずりをしながらエドウィンにそうつきつけた。
「もちろんでございます、旦那様! 必ずやその魔法使いの小娘を手に入れて、旦那様、いえ、偉大なるレビエスト=ラーリオン様の下に差し出してみせます…っ!」
エドウィンはレビエストのの足元に這い蹲るようにして、危険な誓を立てた。
レビエスト=ラーリオン、王都の中でも黒い噂の絶えない大手商会、ラーリオン商会の代表である彼は、にやりと下卑た笑みをその顔にはり付けてこれから先を見ていた。
皆様、第1章をここまでお付き合い頂きまして本当にありがとうございます!
次は第2章に
なるかと思いますが、ちょっとプロットなどを直してたりしますので更新は火曜か水曜あたりになるかもしれません。
その前に番外を少し入れたいなと思ってたりしますが、間に合うか…。
もし宜しければ第2章も引き続き、お付き合い頂けますと幸いです。




