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プロローグその2

誤字報告など、宜しくお願いします。


 ここはユドラルの森。


 森の中心にユドラルという巨大な世界樹が生えている森だ。ユドラルは世界樹の名に相応しく、その樹の直径は1㎞を軽く越えている。樹の天辺にいたっては、雲に隠れてしまって見えない。

 その姿は、地平線に沈むまで見えるほど、とも噂されている。

 だが、意外にも森自体の規模はあまり大きい訳ではない。

 とはいえそれは世界樹の割合から見て、というだけであって森自体の面積は小国と同じくらいの大きさだ。


 さて、時間は大神 玲が、空から降ってくる少し前に遡る。


 1人の少女が、箒に乗りながら空中を移動している。少女の名前は、フェル。軽いウェーブのかかった金髪に、少し鋭い碧い瞳。

幼さを僅かに残した顔立ちからみるに大体15〜17歳の間だろう。

 頭には先っぽの折れた、黒い三角帽子を被り、服は黒尽くめのマントを羽織っている。一目見るだけで魔女ということが分かる。いや、この場合は魔女ッ子と言うべきだろうか。


 さて、その魔女ッ子ことフェルは今、趣味である植物採集を終えて帰路についている途中だ。


 「それにしても良かったぁ……今日は魔物に会わなくて。」


 このユドラルの森には比較的気性が穏やかな魔物が多く生息する事が有名だ。

 勿論、凶暴で手が付けられない様な魔物もいるが、そういった魔物は森の中心部の方に生息しているので姿を目撃する事など、まず無いのだ。

 だが最近では、なぜか凶暴で危険な魔物が姿を見せるようになっているのだ。


 まだ目撃情報だけで実害は出ていないが、やはり凶暴な魔物は傍にいるというだけで不安を煽るらしい。現に、森の近隣の民はビクビクしながら生活している。


 「……なんか不気味な感じだな、いやな予感がする」


 フェルは不気味さを感じ、いつもより高度を高くして帰ろうと思い、箒の柄を上に向け高度を上げる。そして大体地上からの高度が50mに達したとき、フェルは信じられないものを目にする。


 黒髪の青年、玲が空から降ってきたのだ。


 それは読んで字のごとく、完全なる落下だ。重力加速度によりグングン落下速度が上がっている。


 フェルは目を疑った。 

 なにせ、どれだけ落下速度が増そうとも、飛行魔法はおろか、浮遊魔法すら展開させる気配が無いのだ。


 そして


――バキバキバキバキ――ドズン――


 と、木々の枝を盛大に巻き込みながら地面に落下した。その周囲にいた野鳥たちは慌てて逃げ出す。


 ……結局、最後の最後まで魔法を使う気配は無かった。その無様な落下を見たフェルは……


 「……あれは……死んだんじゃ…」


 顔が青ざめていた。あんな速度で落下して、生きている訳がない。

 ……でも、もしかしたら森の木がクッションになったとすれば?

 それで万が一、瀕死で生きているかもしれなかったら?もし生きていた場合、あのまま放っておくと魔物の餌食になりかねない。


 「(……助けなきゃ!)」


 フェルはもしもの時の為に常備しているポーションを鞄から取り出しながら、出来る限りの速度で玲が落下したところに向かった。









 そして青年が地面と熱烈なキスをした数十秒後。

 フェルは魔力全快で箒をぶっ飛ばして玲の姿を探しだした。


 「はぁ……はぁ……んっ。さっき落ちてた人! 大丈……夫?」


 ……さて、息を切らしながら青年の落下したところに辿り着いたフェルが見たのは全く予想外の光景だった。

 彼女はあの高さから落ちたのを目撃している。 だからいくら運が良かったとしても内臓の破壊や骨折はしていると思っていた。


 「……ッッツくうぁぁ……」


 しかし、実際に目に入ってきたのは背中を押さえ転げ回っている、青年の姿だった。


 玲は、空中で姿勢を保てず背中から地面におちたのだ。

 本来なら脊椎が砕け、また脳を打ち付けているのが当たり前の高さからおちたのだが、玲は無傷だ。

 それはおそらく、彼の肉体が強化された事と神の加護を与えられたからだろう。


 とはいえ、それでも一応ダメージはあったようで……玲は今痛みに悶絶しているようだ。


 「無事で無傷なのが一番なのに……なんだろう、この気持ち……」


 フェルは思っていた事をそのまま口に出した。

 どうやらもそれが聞こえていたらしい、青年がこっちを振り返った。














短くてすみません

本編からは長くしていきますのでご了承ください

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