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天の判決

作者: 孤独な旋律

兵士「彼女は死刑となった」


ハミット「・・・・・」


いきなりの報告に俺は声が出なかった


最愛の彼女の死刑判決


別に彼女は罪を犯してはいない


人見知りはするがおとなしくやさしい、そんな性格をしている彼女の死刑判決に抗議を言おうとしたが何故か言葉が出てこなかった


・・・いや、むしろその報告で声が出なくなっていた


もちろん一時的ではあったが


そのとき俺は・・・・・・・・・

西暦1500年代


俺、ハミット=R=ブライアントの国では他国の人との結婚は法で禁じられていた


他国の人と付き合っているだけで死刑判決が出るほどだ


その時代に俺は残念なことに彼女と会ってしまった


彼女の名はリン=L=グラウカ


貴族の者でもない隣国の普通の一般市民だ


彼女とは国境の町の外れの桜の樹の下で偶然会った


一瞬子供かと思ったが近寄って話してみると歳が同じと言っていた


そこから俺と彼女は友人として付き合いだした


法はいわゆる友達以上恋人未満で抑えろとのことなので異性の親友として付き合っていた


だが、親友での関係がお互い嫌で密かに恋人として付き合っていた


まだ俺と彼女は成人である18になったら二人で他国に行き、そこで結婚しようとお互いで決めていた


俺は夏に生まれたからもう18になったが、彼女は真冬生まれだからまだ17だった


その日が来るまで俺と彼女は桜の樹の下で会っては話などをしていた





もう少しで彼女が18になろうとしたときに・・・


兵士「おい、そこの二人、何してる」


俺の国の兵士が来た


兵士「お前ら、我が国の法のことは知っているよな」


彼女を連れて逃げようと思い彼女の手を握って走ろうとしたが彼女は動こうとはしなかった


リン「はい、知っています」


兵士「お前らは恋人として付き合っているのか?」


ハミット「いや、えっと・・・・」


リン「はい」


ハミット「えっ!、リン・・・」


リン「・・・・・」


ぎゅっと手を握ってきた


兵士「・・・女の方は隣国の者だな」


リン「・・・・・」


リンは黙秘権を使った


兵士「・・・ふん、黙っているつもりか、まぁいい、少し調べたら分かることだ」


そう言って兵士は帰っていった


ハミット「・・・リン」


リン「・・・ごめんね、ハミット」


彼女の「ごめんね」は今は逃げなかったことについてだと思っていた





次の日


兵士「失礼する」


いきなり兵士が俺の家に入ってきた


ハミット「・・・なんですか?」


兵士「昨日桜の樹の下でいたやつだな」


ハミット「・・・昨日の兵士か、何の用?」


兵士「お前と一緒にいた女が自主してきた」


ハミット「えっ!、何だって!?」


兵士「女はお前を庇ったつもりなのか自分だけが悪いと言ってきた」


ハミット「・・・・・」


彼女は何故自主したのか、何故自分だけが悪いと言ったのか、そんな疑問が頭の中で旋回していた


兵士「今日の正午に女の公開処刑を行う、来たければ来い、町の中央の広場で行う」


そう言い残して兵士は出て行った


ハミット「・・・・・」


昨日言った彼女のごめんねがやっと分かった


逃げなかったのもそうだが、一人で死ぬことに対してのごめんねでもあったのだろう


ハミット「・・・バカヤロウ」


もうすぐ正午になろうとしていたので俺は走って広間に向かった





ガヤガヤ、広間には人だかりが出来ていた


あそこが彼女の死刑される場所なのだろう


人だかりを掻き分けて前に進んでいった


一番前に着くと彼女が囚人服を着て手を縛られギロチン台に連れて行かれているところだった


ハミット「・・・リン!」


俺は彼女の名を叫んだ


リン「ハミット・・・」


俺に気づき、申し訳なさそうに下を向いた


彼女がギロチン台の前に着き


兵士「これより、わが国の男を(たぶら)かせたこの女の公開処刑を処す」


ハミット「・・・誑かせた?」


何を言っているんだ?あの兵士


ハミット「・・・まさか」


彼女が俺を無罪にするためにわざと・・・


ハミット「リン!、やめろ!お前だけ死ぬなんて!」


リン「ハミット・・・・」


兵士「この女はわが国の未成人の男を誑かし、男の気持ちを(もてあそ)んだ、これはわが国の兵士となりうる者を潰す行為とみた」


兵士「よって、このものは即刻処刑とすることにした」


ハミット「誑かす・・・弄ぶ・・・」


怒りが頂点に達した


ハミット「俺は、誑かされてもないし、弄ばれてもない!!」


ハミット「俺も、彼女も、お互いに好きになったから付き合ってただけだ!、だから彼女は何も悪くない!」


彼女の国では他国の者との婚約は認められている


罪は俺だけのはず・・・


兵士「そうか、ならお前も処されるがいい」


ハミット「″お前も″、か・・・」


ってことはどちらか片方だけが残るってことはないのか


ハミット「オッケー、いいだろう」


俺は処刑台に向かった


リン「ハミット!」


ダメだと彼女が言っているのを聞かず俺は彼女の横に着いた


リン「ハミット・・・」


ハミット「俺だけが残るのも、リンだけが残るのもごめんだ、だから二人とも残るか死ぬかで、どうせどちらかが死ぬんだったら二人とも死んだ方がいい、そう思っただけさ」


リン「ハミット・・・バカ」


彼女が死刑台に連れて行かれ


兵士「言い残すことはないか?」


リン「・・・一つだけ・・・」


兵士「なら、早くしろ」


リン「ハミット」


ハミット「?」


リン「また何億分の1で、また会えたら今度は必ず・・・」


途中で沈黙したが、彼女が言いたいことは言わずとも分かった


ハミット「・・・当たり前だ」


リン「よかった・・・・」


・・・ズシャッ


鈍い音も混じって彼女の頭と胴体が分かれた


ハミット「・・・・・・」


兵士「次はお前だ」


彼女の胴体がよけられた


兵士「言い残すことはあるか?」


ハミット「あぁ、あるさ」


俺は一呼吸整えて


ハミット「こんな・・・こんな方があり続けるなら、こんな国滅んでしまえ」


・・・ズシャッ、そこで俺の意識はとんだ






その処刑が行われた翌年彼女がいた国と戦争し、その国は完全敗北した



























それから月日は経ち、西暦1990年


青年「ん~、いい天気だな~」


大きい桜の樹、そこは俺だけの秘密の場所


・・・まぁ春だけなんだけどな


青年「仕事までまだ時間はたっぷりあるし、寝るか」


そう言いながら向かうと桜の樹の下には少女がいた


ここは俺以外誰も来たことないのに・・・


少女「?」


俺のことに気づき、俺のほうを向いた


青年「えっと・・・」


少女「あの・・・」


二人そろって若干言葉につまり


二人「はじめまして・・・じゃないですよね」

と言うことで、初めて(?)恋愛小説的なものを書いてみました


まぁこんな感じの夢をついさっき見たから書きたいって気持ちになったんで書いただけですけどww


未だに何だか切ない気持ちです・・;


・・・だって、その夢があまりにもリアルすぎたんだから><


・・・まぁ最後まで(少ないけど)読んでくれてありがとうございました^^

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