第5話 行き詰ったら、真逆を書け!
こんにちは、雨宮 徹です。本作では、一般的な創作論を書きつつも、私のオリジナルを混ぜて唯一無二の創作論集を目指します。第五回は「行き詰った際の打開策について」です。
■行き詰まるとは
皆さん、こんな経験はありませんか。「新作のアイデアが出ない……」「筆が止まってしまった……」。小説家あるあるかと思います。これは「行き詰った状態」です。新作のアイデアが出てこないのは一時的かもしれませんが、筆が止まってしまうのは致命的です。そのまま未完、つまり、エタる可能性が出てくるからです。では、この状況を打開する方法はないのでしょうか。
■真逆を書いてみる
筆が止まり困った時の解決策の一つに「真逆を書く」というものがあります。つまり、シリアスな作品を書いている時は、コメディ作品を短編でいいので書いてみるということです。逆も同じです。さらに言うならば、やわらかい文体が得意なら、江戸時代の本のように堅苦しい言葉で書いてみる。このような行動が停滞を打開できるかもしれない方法の一つです。
これをすると「シリアスは苦労していたのに、コメディだとスラスラ書ける」
「キャラクターの掛け合いが自然に浮かんでくる」といった発見があるかもしれません。
コメディの中にシリアスの種がある場合もあります。「やっぱり本当はシリアスが書きたいんだよな……」。そう思ったら、コメディを書いたうえで、どこを削ればシリアスになるかを見てみましょう。
・ノリやギャグを削ってみる
・セリフのテンポや言葉の軽さを見直す
・コメディの裏にある「本音」や「悲しみ」に注目する
これによって、“何を変えればトーンが変わるのか”がクリアになります。つまり、意図的に「面白さ」と「重み」のバランスを調整できるようになるのです。
このようにして得た「真逆」は、新たな武器になります。創作の幅が広がるだけでなく、結果的に「自分だけの作風」を発見することにもつながります。
・シリアス×ギャグの融合
・笑わせて泣かせる
・軽く始まって、重く終わる展開
私の場合はコメディが得意です。コメディと言っても「ブラックユーモア」の類です。そこで、行き詰ったので、あえて読むのが苦手なホラーを書きました。結果から言うと成功でした。つまり、ホラーの基礎知識がないからこそ、自由な発想で書くことができました。また、苦手だからこそ、「こんな展開は嫌だ」という視点を持てました。ガチガチのホラー好きの方の場合は、どうしても怖がらせようと無意識のうちに型にはまって、結果うまくいかないこともあるかもしれません。
ホラーを書いて気づいたのは、「起承転結」の例外があるということです。つまり、「起承結」のように「転」がないパターンです。具体的に書くとこうです。
・起……怪奇現象が発生した
・承……調べていくと、さらに怪奇現象が発生する
・結……怪奇現象の正体は○○だった
この場合、「転」があると「怪奇現象は○○だった」となり、「結」で「無事に怪奇現象の回避策が浮かんだ」などの展開になりネタバレになります。あくまでも作品によりますが、このような手法を頭の片隅に入れておいて損はないでしょう。
■備考欄:「転」を抜くホラーは「車の急ブレーキを踏み、読者をフロントガラスから吹き飛ばす」という表現をした作家仲間がいた……はず。だが、なぜか名前を思い出せない。年なのか? それとも、封印しておきたい記憶があるのか? それとも――。




