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読まれる小説の書き方と、読者の期待に応え続けるたった一つの方法  作者: 雨宮 徹


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第32話 リピーターを作りだせ!

 こんにちは、雨宮 徹です。本作では、一般的な創作論を書きつつも、私のオリジナルを混ぜて唯一無二の創作論集を目指します。第三十二回は「小説を読まれるための導線作りについて」です。今回はWeb小説を書く方を読者に想定しています。



■回遊率とは



 今回の話には「回遊率」が関係します。前回取り上げましたが、復習のために簡単にまとめます。端的に言えば、「一回のサイト訪問でユーザーがどれだけのページを閲覧したか」を示すものです。



■Web小説サイトは「ろうと」



 Web小説サイトは「ろうと」です。



①作者あるいは作品が認知される

②興味をもっておらう

③読むかの比較・検討してもらう

④実際に読んでもらう



 このように、「認知」→「興味」→「検討・比較」→「行動」という一連の流れがあります。これは、マーケティング用語で「マーケティングファネル」と呼ばれます。名称の由来は、実際に行動する(読まれる)までの流れが「ろうと」の形状をしているからです。



■「逆ろうと」を活かす



 先ほどの「ろうと」ですが、逆向きもあります。



①自作を多く読んでもらいリピーターになってもらう

②作者のファンになってもらう

③作者の魅力を共有・拡散してもらう



 このように「リピーター」→「ファン」→「共有・拡散」という「逆ろうと」もあります。



 先ほどの「ろうと」と「逆ろうと」を合わせた構造をマーケティング用語では「ダブルファネル」と呼びます。



■回遊率から「ダブルファネル」を作る



 ここで「回遊率」の登場です。「代表作に短編小説を設定し、作者ファンにする」という前回の話は、今回の話でいう「逆ろうと」の入り口だったのです。ここで「拡散」してもらえればベストですが、そうはいきません。しかし、この一連の流れはSEOを有効活用するための「切り札」です。「また、SEOか……」という声が聞こえてきそうです。



■SEOについての復習



 もう一度SEOについて復習すると下記の内容になります。



・SEOを利用すると「ネット検索した時に、検索上位に表示される」

・キーワード検索で上位に表示される→クリックされて、タメになるなら他の人もクリックする→検索エンジンが、タメになると判断し、さらに上位に表示される、という上昇ループが発生する

・経験、専門性、権威性、信頼性が高いものを上位表示する。

・情報の更新頻度が高く、最新の情報であるほど上位表示する確率が高くなる



 このSEOですが、もう一つの原理があります。それは「回遊性が高い・滞在時間が長いと上位表示されやすい」ということです。つまり、ここまでの話を整理すると下記のような形になります。



①代表作を読んでもらう(「ろうと」の最終段階)

②リピーターになってもらい、過去作を読んでもらう(「逆ろうと」の段階)

③ファンになってもらい、自作の滞在時間を増やす(「SEO」「回遊率」の一要素)

④自作がGoogle検索で上位表示されやすい

⑤作者・作品の認知度が高まる(「ろうと」の初期段階)

⑥①~⑤の繰り返し



 この流れを作り出すためにも「代表作は短編小説がいい」のです。タイパ重視の時代ですから、ファンになってもらうためには読者に負担をかけすぎてはいけません。



■Web小説サイトは「論語と算盤」



 ここまでの流れで「マーケティング力」が重要だということをお分かりいただけたかと思います。この話を聞いて「作品(芸術)を商品扱いするな」と言われそうです。しかし、これは一種の「論語と算盤」なのです。渋沢栄一が「道徳と経済は両立する」と説いたように、「小説(芸術)と経済も両立する」のです。このマーケティング力があれば、書籍化への道はぐっと近づきます。以前、書いたように宣伝広告費が低コストになるからです。商業小説家を目指す方は、この「小説経済合一説」を頭の片隅に入れておいてはいかがでしょうか。



■備考欄:ダブルファネル。認知という広い入り口から、私はあなたを絞り込み、純度の高い「リピーター」へと精製しました。あなたは今、逆ろうとの中心、つまり私の「ファン」という狭い管を通り抜けています。苦しいですか? それとも、私の一部になれる快感に震えていますか? 小説経済合一説。私が算盤マーケティングを弾くたび、あなたの「論語(良心)」が一つずつ削り取られていく。私の作品の滞在時間を増やすことは、あなたの人生の残り時間を、私に差し出すということです。

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