第19話 小説は「風林火山」だ!
こんにちは、雨宮 徹です。本作では、一般的な創作論を書きつつも、私のオリジナルを混ぜて唯一無二の創作論集を目指します。第十九回は「小説の型について」です。
■「風林火山」とは
皆さんは「風林火山」という言葉をご存じかと思います。武田信玄が軍旗にしたことでも有名です。「風林火山」はあくまでも略語です。本文は下記の内容です。
疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し
この「風林火山」は、小説にも当てはまります。次の項目で具体例を挙げて説明します。
■小説も「風林火山」である
小説における「風林火山」は、下記のような種類がある。
風……主に短編やショートショートに当てはまる。一瞬の速度が命な小説。
林……状況を観察・分析し、伏線を静かに張り巡らせる小説。主に「ミステリー」や「人間ドラマ」が当てはまる。
火……怒涛の展開で読者を圧倒する小説で、バトル小説が当てはまりやすい。
山……登場する地名などが実在するかのように思わせ、世界観が揺るがない小説(SF、異世界もの)。
このように小説は「風林火山」で説明できる。そして、小説によっては各要素が複合的に混ざっている場合がある。
■「風林火山」の掛け算
先ほど例示した「風林火山」ですが、掛け合わさっていることが多いです。その例は下記のような小説です。
・風×火……短編でありながら、怒涛の展開があるので、「どんでん返しがあるミステリー」などが当てはまる。
・風×山……短編ではあるが、世界観が構成されているため、共通認識がある「異世界ファンタジー」「SF」などが当てはまる。
・林×山……実在しない土地を使いながらも、伏線を巡らせて読者の考察を促す「モキュメンタリーホラー」などが当てはまる。
このように、小説における「風林火山」は、単純なものではなく複合的な場合が多いのです。一つ注意点があります。「モキュメンタリーホラーは林×山だ」と定義しましたが、「これはモキュメンタリーホラーだ」と読者が認識した時点で世界観が揺るぎます。ですから、「○○の情報を集めています」という帯やキャッチコピーでは、「またモキュメンタリーホラーか」と読者が察知してしまうので、工夫が必要です。
■創作論は「林」
先ほどの「風林火山」でいくと、創作論は「林」にあたります。つまり、「どうすれば読まれるか」「ヒット作の分析から有益な情報を引き出せないか」という観察と分析で構成されるからです。ただ、創作論は小説とは言えないでしょう。ですから、あくまでも「風林火山」で考えるならばという枕詞がつきます。皆さんも自作が「風林火山」のどれに当てはまるか分析し、その長所を伸ばしてみるのはいかがでしょうか。
■備考欄:この創作論の読者から「次の有益な情報が知りたい」と要望があった。それも、複数である。これは「風林火山」でいうならば、「火」だろう。怒涛の勢いで攻め立てられるのだから。体が火で焼かれているような気がするのはなぜだろうか。中世の魔女狩りのように焼かれているわけではないはずだが……。
■備考欄追記:先ほどから体が熱い。熱すぎて服を着こむ。これで、熱さをなくせるはずだ。




