第三十一話 ミカエルの語り
ミカエルの言葉が、私の胸に残っている。
「物語の本当の真実はこうです」
ミカエルはそう言って、星の物語の続きを話し始めた。
城を星へと上昇させた後の、神様と精霊の会話のようだ。
――よく頑張りましたね。
神様の声が聞こえる。
――だいぶ疲れたでしょう。早くこちらへおいでなさい。
「でも私、もう一つやることがあるの」
――ダメ!早く戻ってきなさい!私は……。
神様の言葉の先を知り、私は神様の言葉を制した。
「神様が、そんな言葉を使ってはダメ。
これが私のやりたいことなんだから。いつも通り見守っていて」
私は笑顔で話すと、少女のもとに急ぐ。
少女は既に起きて、踊り始めている。
私が作った周囲の生命たちも楽しそうに踊り、星が明るく輝き始めた。
星の気温が見る見るうちに上昇し、結果として、少女の肌が少し焦げ始めている。
私はもちろん知っている。太陽に比べて、人はとても脆く、人の命はとても儚い。
急ぐ必要がある…。
私もこの少女に…、いいえ、私はこの星が好きだった。
星の生命は皆、精一杯生きていた。私はそんな皆を見守りたかった。
少女は空気も薄く、さらにこの熱さの中で、星のために踊り続けている。
でも、もう大丈夫。すぐに楽にしてあげる…。
もう少し体力が残っていたら、他の方法もあったかもしれない。
でも私には残された体力はもう残っていない。
星の生成、生命の生成に使い果たしていた。
もう私にできることは、これしかない…、私はそう思った。
この残りの命を、この少女に注ぎ込むことにした。
私はそっと少女の背後から抱きしめて、この命を授けた。
少女は精霊の命を授けられ、長寿と炎への耐性を手に入れた。
それからずっと皆と一緒に踊り、星を明るく照らし続けたという。
「神様が言いたかった言葉、わかりますか?」
ミカエルが強い語調で言った。
本には、仲の良い神様と精霊の描写があった。
私はルミエルやメモリナを思い浮かべる。
神様の言葉の続きは、もちろん私にも想像ができた。
――私は、星なんかより、精霊がずっと一緒にいてほしかった…。
「この神様は、悲しみの末、物語の最後を書き換えたのです」
「結局、何が正しいかなんて誰にもわからないのです。だから、その時、正しいと思えることをするしかないのですよ」
「それにホープ様の行動がそこまで偏っていたとは思いませんよ。
ホープ様はいつだって、しっかり星を観察しています」
そう言い残して、ミカエルは自室に向かっていった。
ミカエルは私をそっとしてくれた。私だけで考える時間をくれた。
取り残された執務室で私は、地球を映したモニターをずっと眺めていた。
ふと、外国人となって買い物している神様が目に映る。
たどたどしい現地の言葉、全く現地の風習を理解していない。
「神様なんだから、現地の言葉や慣習を理解してから旅行しなさいよ」
私は、なんとなくつぶやいていた。
初めのうちは何となくイラっとしていたが、でも、少しずつ滑稽に思えてきた。
結局、何が正しいかわからない、その時正しいと思えることをするしかない…、か。
みんな、同じなのかもしれない。神様だって何が正しいかわからない…。
「地球の言葉や慣習、文化、すべてを神々に教えてあげないといけないわね」
ぼんやりと自分の心に元気が出てくるのを感じた。
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