第三十話 ホープの悩み
「どうしたんですか、ホープ様。最近、少し元気がないんじゃないですか」
ミカエルの言葉に、私は考え事をしていたことに気付き、現実に戻ってきた。
確かに私は最近ぼんやりしている。
「うん。少しね。考えちゃって」
私は、今の胸のうちを、このもやもやを少しミカエルに伝えてみることにした。
「変わった星コンテストの優秀賞の星あったじゃない。
少し、あの星を見て考え事していたの。
もし、私なら、もう少し前に行動しちゃうなって。
でもあの星の神様は、しっかり星の意思がまとまるまで待ってから行動していた。
私は、今まで星に干渉しすぎたのかなって思っちゃって。
ほら、私は、“観察”の神じゃない?
“干渉”の神じゃなくて、“観察”の神なのよ」
ミカエルは、少し笑って答えた。
「平等・公平って難しいですよね。どこまでが平等でどこまでが公平なのか。
考え出すときりがない。
本来、神様は全ての生命体に対して平等・公平であるべきですよね。
確かにその通りです」
ミカエルは、モニターに地球の様子を映し出して、さらに話しかけた。
「ちょっと、見てくださいよ。この星の様子を。外国人観光客ものすごい多いと思いません?」
ミカエルの言う通り、今の地球は外国人観光客だらけだった。
この多さは少し不思議だなって思っていた。
「でも、もう少し、よく見てくださいよ…」
ミカエルの言葉の通り、モニターをよく見てみた。私は、違和感に気付き、あっと声を上げる。
「おかしいですよね。どこもかしこも、神様ばっかりですよ。
ほら、ここも。こっちにも。ここなんか、集団で神様が旅行してますよ」
そう言って、ミカエルはモニターを指をさして説明し始めた。
「平等・公平・公正を語る神様が、笑っちゃいますよね。今は地球旅行がブームみたいです」
なんか、最近、外国人多いなあって思っていたけれど…、そういうことだったのか。どおりで。
「でも、私が言いたいのは、それだけじゃないんです」
ミカエルは、少し表情を変えて続きを話し始めた。
「優秀賞を取った星の話、確かにとても魅力的に見えました。
でも、あの話は創作なのです」
「えっ?」私は、ミカエルが何を言っているのかよくわからなかった。
それぐらい、あの話はよくできている作品だと思っていた。
「少し、あのお話、おかしいと思いませんでした?」
私が、それでもわからないという顔をすると、ミカエルは少し慎重な言葉で語り始めた。
「人は、とても寿命が短くて、それに弱すぎるんですよ」
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