第二十九話 ホープとミカエル
ホープ様がルスリエに出かけている間に、私も少し調べ物のために家を出ていた。
でも、調べ物が思ったより早く終わって、ホープ様より先に帰ってこれたようだ。
落ち着いて、コーヒーを飲んでいた。調べ物は私の思った通りの結果だった。
しばらくすると、ホープ様が帰ってきた。
「ただいまー」
「お帰りなさい」
「ねぇ、聞いて聞いて!」
ホープ様が面白そうなネタを持ってきたみたい。
これほどの嬉しそうな笑顔はなかなかない。よほどのネタを持ってきたのだろう。
私は笑顔になってホープ様に顔を向ける。
「魔王ってね、多分…、痛みが好きみたい。これって地球の言葉でMだったよね」
私にこっそり耳打ちする内容がそれだった。
私は少し考えて笑ってしまった。多分、ホープ様は大きな勘違いをしている気がする。
まあ、魔王のイニシャルもMだし、ほっといても大きなことにはならないかな?
そう思って、ホープ様の勘違いは訂正せずにそっとしておくことにした。
「へぇ、そうなんですね」と私は相槌を打った。
ホープ様は、ルスリエで起きた出来事をありありと楽しそうに話し始めた。
まずは、魔王と悪魔の戦いみたいだ。
私はホープ様のお話に耳を傾け頷きながら、考えていた。
ルミエルはエネルギーを欲しがっていた。だから私は肥えているであろう悪魔をルスリエにと提案した。
その後どうなるかまでは確信は持てなかったが、まず間違いなく戦うのだろうとは思っていた。
そして消費されたエネルギーを吸収し、星のエネルギーにする、ルスリエはそういう仕組みのはずだ。
そして、おそらくその戦いの過程で、魔王は建物が破壊されないように守ったのだと思う。
建物より肉体の方が治りやすいし、それに、そもそもの魔王の防御力を考えたら傷一つつかないかもしれない。
それで、魔王は全ての攻撃を受ける、そんな行動をとった…。
そして、それを見てホープ様はそれが魔王の性癖だと勘違いした。
こんなところだろう。うん。合っている気がする。
私はさらにルスリエの関係性まで少し考えていた。
この魔王の行動は、ルミエルの厳命に違いない…。なるほど。
ルミエルと魔王は、対等な関係かもって思っていたけれど、違うみたいね。
やっぱり、ルミエルが魔王をこき下ろしているように感じる。
なんでこんな上下関係があるのか、まったくもって理解できないのだけれど…。
ルスリエ…、改めて考えると不思議な星ね…。
そんなことを考えながら、ホープ様のお話に静かにうんうんと頷いていた。
ホープ様はそんな私の様子を見て、嬉しそうに続きの悪魔と神様の戦いを話し始めた。
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