第二十五話 魔王と悪魔
魔王と悪魔の戦いは、まだ続いている。
といっても魔王は攻撃せず、ずっと悪魔の攻撃を受け止めるだけ。
でも、悪魔が時々攻撃をやめると「まだ攻撃できるだろう」と魔王の恐ろしい攻撃が飛んでくる。
悪魔は、恐怖心で逃げようとするも“魔王からは逃げられない”というセリフとともに回り込まれている。
やっぱり悪魔は魔王に攻撃を続けるしか選択肢はなかった。
単調に悪魔の攻撃を魔王が受け止める光景が続いてきた。
変わらない光景に私は、少しぼんやりしてきて、コンテストの本の星の事を思い出していた。
とても素晴らしい本だったと思っている。
登場人物は皆、一生懸命生きていた。
でも、はじめはそれがうまくいっていなかった。
訪れた精霊が精いっぱい頑張って、皆が満足する世界に作り上げていた。
神様は皆の精一杯を感じ取り、その世界の変化に協力をしていた。
ふと、私は思った。もし、私ならどうしただろうか?
私なら、もっと早い段階で手を出してしまって、こんな世界は作れなかったんじゃないだろうか。
私は、どっちかというと、解決を急ぎすぎているのではないだろうか。
ルスリエや地球にしてもそう。私はもう少し、行動するのを待った方がいいのではないだろうか。
私は、魔王と悪魔の修行をぼうっと眺めながら、今までの自分の行動を振り返っていた。
私は“観察”の神であって“干渉”の神ではない。干渉は最後の最後にするべきではないのか?
今まで多くの星を助けたつもりになっているけれど…、本当にそうなのか?
私は生命に対してきちんと平等・公平・公正な神としてのふるまいができていただろうか。
もっといい方法はあったのではないか?
考え始めるときりが無かった。
魔王と悪魔の戦いは相変わらず続いていた。
悪魔はだいぶ小さくなってきていて、動きが早くなったみたい。
実際の動き、敏捷さだけではなく、おそらく頭の回転も速くなっている。
それに、魔王が動かなくなった。それは、悪魔の命中率が上がった事を意味している。
「だいぶいい動きになってきたではないか」
悪魔は、全弾命中しているにも関わらず、全くダメージが入っていないということに少しイライラしている様子だ。
それにしても魔王はすごい。魔王は魔力を使っていない…。
魔力で軽減するでもなく全ての攻撃を受け止めている。
悪魔が疲れて攻撃をやめた頃、道場に他の気配があることに魔王は気が付いた。
「おや?修行に来たのかね?」
「はい、ぜひ、指導をお願いします!」
普段は天界に住む神様が、こんな宇宙の外れにある小さい星の道場に訪れていた。
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