第二十四話 魔王道場
魔王道場ってどこだろうって思っていたら、何のことは無い。ルスリエに戻ってきた。
ルスリエの地下に道場があった。軽く観察しただけだったから、見逃したのかしら…。
魔王は、悪魔を道場の中央に置いた。
悪魔はまだ動かない、どころか、横になって寝始めた。
本当に怠惰な悪魔のようだ…。
魔王が、重い一撃をお見舞いした。悪魔が痛がっている。
もし私だったら、厚い肉壁に阻まれて、痛みまでは届かないだろう。魔王の一撃が強烈だった。
悪魔は少し怒ったようだ。腕を振り回し周囲に気を放出した。
悪魔の気によって床が傷つかないように、魔王は悪魔を下からひょいっと持ち上げた。
「悪くはないが、道場を傷つけないでくれよ」
悪魔から放出された気で、道場の床が傷つかないようにしたみたい。
悪魔はまた少し怒ったようだ。下にいる魔王に腕で殴り掛かる。
魔王はその腕の攻撃を軽々と受け止めて、悪魔を優しく下ろし、悪魔から離れて行った。
悪魔の怒りが収まらない。エネルギー弾を魔王に投げつけた。
「おお、とてもいい攻撃じゃないか」
魔王は、やはり軽々とエネルギー弾を受け止める。
魔王の速度なら避けられるだろうに…、正々堂々受け止めていた。少し不思議。
悪魔の怒りが頂点に達したようだ。複数のエネルギー弾を魔王に手あたり次第投げつけた。
「悪くはないが、しっかり私を狙いたまえ」
魔王は、すべてのエネルギー弾を、はじくでもなく避けるでもなく受け流すでもなく、受け止めた。
少し外れたエネルギー弾も、わざわざ受けに行っているように見える。私には理解ができない。
弾幕のように周囲にまき散らしたエネルギー弾を、魔王は丁寧に受けていく。
とても不思議な光景だ。魔王は少しもダメージを受けていないみたいだし、いいのかしら?
逆に、悪魔の方が少し疲れてきているように見える。
それに…、悪魔は一回り小さくなった?
悪魔は少し疲れているようだ。エネルギー弾が魔王からそれてしまった。
「だ・か・ら、私をしっかり狙いたまえ」
魔王は、それたエネルギー弾を受け止め、少しだけ怒った口調で話した。
「でも、当たっているからいいじゃないか」
悪魔が初めてしゃべった。悪魔らしい甲高い声だ。
その声を聞くや否や、魔王は悪魔の首元に目にもとまらぬ速さで移動し、首に手を当てた。
「ほ・う。この私に…、この魔王に、口答えするというのか。悪魔の分際で…」
悪魔は本来汗をかかないが、汗をかいているように見えた。
「さ、修行を続けよう。ここはそのための道場なのだから」
悪魔が黙ったのを見て、魔王はゆっくり元の位置に戻りながら話しかけた。
悪魔は間違いなくビビっている。でも攻撃するしかなかった。
外れないようにしっかりと魔王に狙いを定めて。
私は、道場の中の少し離れたところで座って、この様子を不思議に思いながらずっと眺めていた。
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